- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860293215
作品紹介・あらすじ
好き、という言葉には、幾通りもの意味がある。私に惚れてる男の子、八つ下の類。彼といると、とても呼吸がしやすい。晩に帰ってくるまでの孤独-それは私のお気に入りの時間。
感想・レビュー・書評
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方言での表現が私には飲み込み辛く、途中で読むのを辞めてしまおうかと。
ストーリーとしては大きな波もなく時間潰しの読書にはいいかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
類を菅田将暉、中身を自分の男友達とイメージして読んだ。31歳の悦子と23歳の類の一夏の花火のような恋の話。若い男の子をかわいいかわいいと甘やかし、精神的肉体的金銭的に頼られる悦びは共感できる。描写がやけにリアルで、主人公と同じように心を揺さぶられた。おそらく話の内容は1960〜1970年と思われる。古い言葉遣いや情景描写がおもしろかった。現代の31歳の方がよっぽど窮屈に生きている気がしてならない。
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田辺聖子の鬱陶しいほどの幸せいちゃいちゃ、だがそれだけでは終わらせない感。
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経済的に自立した魅力的な30代の女(田辺聖子の作品でよく見られるタイプの)と、美形だけどいろいろな意味でだらしない20代の男が同棲していて、次第に女のほうが同性相手の父親に惹かれていくというお話。
田辺聖子は、愛すべきダメな男をリアルに書くのがほんとに上手いなあ。この小説のダメ男、ダメなんだけど、主人公にとって可愛くて、憎めないがゆえに突き放し難い感じがすごくよく出てる。そのダメ男の対比として描かれる父親の安定感と余裕、いくばくかのヤンチャ風情の説得力も凄いし。
で、恋の終わりの契機となる出来事の書き方も、ああ、こりゃ無理だわ…としか言いようのないところがあって。
すらすら読めるんだけど、重くて深いのだよなあ。 -
この人の書く、軽妙な関西弁が恋愛小説にとてもいい味出しているのでした。あはは、楽しい……