オペラの館がお待ちかね

著者 :
  • 清流出版
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本棚登録 : 7
感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860293819

作品紹介・あらすじ

あなた様をお待ちしておりました。当館では、切符の買い方から困った時の対処法、作品の解説から見どころ、オペラの舞台裏まで、このわたくしめが、あなたの手をとって、心をこめて、ご案内させていただきます。

感想・レビュー・書評

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  • 装丁から、トバしてます。
    イケメン執事(当然、二次元のヒト)が「お帰りなさいませ、お嬢様」と言わんばかりの表紙。
    それで、中身はどうなる?

    実は、私はオペラを殆ど『本』でしか知らない変わり者です。
    小学生の時、当時のピアノの先生からクリスマスに1冊の本をプレゼントされました。
    オペラの原作を児童書にした本で、ローエングリン、魔弾の射手、トスカ、そしてアイーダにカルメンが入っていた…と思います。
    「思います」と書くのは、その本は無くしてしまったので小学生の時の記憶でしかないから。

    この本は、オペラを『殺人事件の部屋』『恐い女の部屋』『禁じられた愛の部屋』などと分類して、それらのオペラのあらすじを楽曲を紹介しながら紹介していくという構成。

    オペラのあらすじって、『男女がすったもんだして、周りも巻き込んで大騒動起こして、最後は一緒に死んじゃう』みたいなのが、非常に多いです。
    この作品では「それを『総合芸術』に高めているのが楽曲!」と言わんばかりに、アリアの解説や作曲家の解説を初心者でも分かるように書いてあります。

    読みながら「これは聴かないと!」と、音楽プレイヤーを取り出し。
    プレイリストに入れてある『トレアドール』『恋は野の鳥』、サッカーファンファーレとして有名な『凱旋行進曲』、『おいらは鳥刺し』などなどを聴きながら読み進めました。

    音楽というのは不思議なモノで、記憶の蓋がぱかーんと開いて、小学生の時に読んだっきりのオペラ本の挿絵を思い出したり。
    「『魔弾の射手』って、豚の心臓とかトカゲの尻尾みたいな『魔女の秘薬』って感じの怪しげなモノを鉛に入れて弾丸作るんだよね」とか思い出したり。
    「アイーダ、もっと瞼を青く塗ってちょうだい!あの人がいらっしゃるのよ!」などという王女の高慢ちきちきなセリフを思い出したり。


    と、私が小学生の時に読んだ本の紹介なんだか何なんだか分からないようなレビューですが、『記憶がリンクする瞬間って、何とも楽しい!』と言いたいのです。

    「オペラなんて知らんわ~」という方でも、音楽の授業やCMでクラシックは聴いています。この本を読んで、それらの曲がオペラのあらすじに載ったらホントに楽しいです。

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著者プロフィール

1966年、東京都生まれ。東京芸術大学大学院修了、武蔵野音楽大学講師。共著『鳴り響く〈性〉』、『200クラシック用語事典』(立風書房)、『ショパンを読む──ショパンをめぐる50のアプローチ』(ヤマハミュージックメディア)ほか。

「2003年 『ヴィジュアル系の時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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