日本人の手紙(第10巻)

著者 :
  • リブリオ出版
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860571467

感想・レビュー・書評

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  • 人のプライベートを覗き見するようで若干申し訳ない気もするが、一方で歴史資料でもあると思い、興味深く読んだ。家族にあてた手紙は、個人的な内容であるだけに、とても生々しい。特に死を目前に控えた状況で書かれた手紙は、家族への愛情がひしひしと伝わり、胸を打つ。同時に、そうした人々の犠牲や努力のうえに、今の日本があることに思い至る。

  • 大きな歴史の流れをつくり出した人、歴史の流れに翻弄された人。それぞれの人が様々な立場から送った「手紙」。
    太宰治が芥川賞選考委員に受賞を懇願した手紙、田中正造が足尾銅山事件を訴える手紙、たくさんの人の人生が凝縮された本だった。

    競歩大会や花火大会でなじみのあった渡良瀬遊水地が足尾銅山の毒水を溜めるためにその土地の住民を強制立ち退きをしてつくられたことを知り、驚いたと同時にこれまで全く知らなかったことを恥じた。

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著者プロフィール

評論家・作家。書誌学、メディア論を専門とし、評論活動を行うほか、創作も手がける。
主な著書に『紀田順一郎著作集』全八巻(三一書房)、『日記の虚実』(筑摩書房)、『古本屋探偵の事件簿』(創元推理文庫)、『蔵書一代』(松籟社)など。荒俣宏と雑誌「幻想と怪奇」(三崎書房/歳月社)を創刊、のち叢書「世界幻想文学大系」(国書刊行会)を共同編纂した。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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