- Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860951986
感想・レビュー・書評
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図書館をプラプラしていたら、突然目にとまった。
薄いし、絵も沢山あるし、とにかく不思議感が溢れていた。
ダニイル・ハルムスさんという方を初めて知った。
ロシアの方で、もう随分前に亡くなっている。
西岡千晶さんという方の絵でさらに不思議度を増してる。
「失敗した芝居」が面白かった。
登場人物がみんな吐き気をもよおし、劇場が閉鎖されるという短いお話。
そんな短編がいろいろです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古書店で衝動買い。たまに古書店を覗くと、なんとはなしに、ちょっと変わった佇まいの本を探したくなる。版元がもうなかったりするとますますいけない。
理不尽とナンセンスそのもののような小品集。「どうしてそうなった!?」なんて突っ込む余地がありすぎてかえってないくらい、頭の中の常識的な現実世界を淡々と当たり前に吹き散らしていくのにしばし呆然。冒頭の「非いま」で、トランプ兵の裁判に登場した人称代名詞がめちゃくちゃになるあれみたい、と思ったのも序の口だった。稀に出くわす「まとも」っぽいものも、飄々と身をひるがえしてナチュラルにシニカル。「変なの」はただただなんでもないのにひたすら強烈、という謎な印象ばかりが深くなる。変なの。
ナチュラルにネジの飛んだイラストの数々も輝く、すごくアーティスティックな1冊だと思う。いい出逢いだった。 -
装丁や挿絵がかわいらしく文字も少なで簡単に読めるだろうと図書館で。未知の作家の作品を読もうと思ったのだ。
なるほどそれは不思議の森で文字数と反比例してロシアの大昔から脈々と受け継がれる文学の壮大さ、深さを感じさせる。架空の世界、不条理、あちらこちらに漂う死の匂い。世界のどこのものとも違うロシアの物語の世界だ。私の残念な語彙と知識では表現できないが、この物語の世界観はすごい。
絵に惹かれて借りたのに挿絵なしで読んだなら、もっと不思議の世界に没入できたろうにと思うのだ。”どちらが先か忘れてしまったのだ。7だっけ、8だっけ?”の言葉にハッとする。
戦前の作家でびっくり。 -
ハルムスと言う人自体を、この本を読むまで知らなかった。ゴーゴリとプーシキンがお互いにつまづいて転びながら、畜生!と言い合うだけのやつがおもしろかった。
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挿絵効果もあり何か好き。
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ダニイル・ハルムスの本を読むのはこれで4冊目。
その中でも異色の一冊。
西岡千晶さんのイラストが非常にマッチしており、すでに同じ小咄を何度も読んでいるのに、楽しめる。
最後の中編「老婆」は、一瞬ホラーかと思った。。。
図書館で児童書扱いになってたけど、これは大人が愉しむ本。 -
“コン!”が好き。話も絵もシュール過ぎ。シュールなのが好きな人にオススメします。“コン!”
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淡々と熱を帯びずにすすむシュールな一篇一篇が面白すぎて、黒いのにふわふわした心地になってくる。この本は一種の合法麻薬ではないだろうか。なにもかもを超越した気分になったり、地面に頭から叩き付けられたり。とても好きな一冊だった。どれもいいけど「コン!」「墜落する老婆たち」「パッサカリア一番」「ブルーノート No.10」「老婆」が特に好き。
あと大好きな西岡千晶の絵。彼女の絵もまた淡々と熱を帯びずに酷いことになる。ブラックホールみたいな目がいい。 -
コントっぽいもの詰め合わせ
作者は反ソビエト活動の疑いで逮捕されたりした人だそうです
松本人志の映画が好きな人には合う…かもしれない
パッと見て意味のない感じというか
マジメにナンセンス
マジメに非生産的というか -
初めてハルムスを日本語で読んだ。西岡兄妹・妹のイラストと装丁との組み合わせでとても良い味が出ている。不条理好きは是非。