- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861347528
作品紹介・あらすじ
大学生の志信は"夢喰い"という存在。人の好意を夢の中で食べ、後に残るのは自分への嫌悪感や憎しみだけ…。密かに想いを寄せる浅見との距離が近づいていけばいくほど、その力には抗えず、彼の気持ちを食べてしまう志信。夢の中では優しい浅見から冷たく突き放され嫌われて、泣きたくなるほど傷つきながらも、彼への想いを諦めきれず、何度も関係を築き直そうとするが-…。
感想・レビュー・書評
-
ラストがすごく良かった。
ハッピーエンドじゃないけど、希望がある悲恋って漢字で切なくて良かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
切ないファンタジー系のとても好きな設定でした。ただ、一冊でまとめるには手に余るストーリーだったかなと。
人からの好意を夢の中で食べてしまう「夢喰い」という能力を伯父から受け継いでしまった大学生の志信は、そのせいで自分が密かに想っている浅見に嫌われてしまうことに。
不思議で、切ない話。
自分のことを気にかけてくれたり親切にしてくれていた大好きな相手が、夢を食べたせいで突然冷たい態度になってしまうなんて、理不尽であまりにも辛いです。
志信は浅見が好きでたまらないので、何とかして元どおりになりたいと一生懸命頑張るのですが、その度に夢喰いの力に敗退してしまいます。志信のひたむきな想いが叶うことを願わずにはいられませんでした。
但し、志信と浅見は出来上がった恋人同士ではなかったので、それほど強烈な執着や恋情がわくものかどうかとちょっと疑問に思ったりもしました。
ページの都合もあるのだろうけれど、加瀬と浅見だけしか夢喰いの状況が具体的に描かれていなかったので、もっと他の例も見てみたかった気がします。
夢喰いに巻き込まれた二人の周囲の動揺や心配する様子ももっと知りたかったです。
壮大な設定なので、簡単にはおさまらないだろうというのは察しましたが…
ラストの描き方は妄想させるものがあり、しかも明るさを感じさせてくれる余韻があってよかったです。