怖い浮世絵 (青幻舎ビジュアル文庫シリーズ)

  • 青幻舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861525667

作品紹介・あらすじ

背筋が凍る。
― 月岡芳年や歌川国芳、葛飾北斎、歌川国貞など天才絵師たちの“腕冴え渡る"恐怖の名品100選。

四谷怪談のお岩さんをはじめとする恨めしい幽霊たち、鬼・海坊主・土蜘蛛などの異形の化け物、
戦国や幕末など混乱の時代を舞台にした凄惨な血みどろ絵まで。解説付。

感想・レビュー・書評

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  • 先月、日曜美術館で月岡芳年の特集番組を見た。それに触発されて、本作品を読んでみた。現代の人間がこれらの浮世絵を見て、怖い、とか、目を逸らしたくなるとか、思うかといえば、そうはならないと思う。
    しかし当時の文化、大衆が求めていたもの、それによって浮世絵師が工夫を凝らしたり、インスパイアされたりしたものが分かって、面白い。歌川国芳「相馬の古内裏」月岡芳年の血みどろ絵はやはり圧巻。

  • 2016.8.2-8.28に開催の「怖い浮世絵展」(太田記念美術館)の図録を兼ねる本。

    幽霊、化け物、血みどろ絵、に分けて収録。
    幽霊、化け物は当時の読み本や言い伝えなどから、多くの題材になっている感じだ。血みどろ絵にしても題材は多くは歴史に残る戦闘場面だ。

    表紙は歌川国芳「四代目市川小団次の於岩ぼうこん」嘉永元年(1848) お岩さんの絵はほかに
    歌川国貞、葛飾北斎、のものが載っている。

    月岡芳年は
    <幽霊>
    「新形三十六怪撰 ほたむとうろう」明治24年
    「和漢百物語 主馬介卜部季武」元治2年(1865)夜道で出くわす赤子を抱いた幽霊
    「大日本名将鑑 大将軍田道の霊」明治13年(1880) 仁徳天皇の時代、田道が蝦夷鎮圧に向かう図。大蛇が大きく描かれる。
    「郵便報知新聞 第614号 これまでの悪行忘れるな」明治8年(1875)盗賊庄吉がこれまでの悪行で殺した幽霊におびえる図

    <化け物>では
    「羅城門渡邉綱鬼腕斬之図」明治21年 鬼 ほか、蜘蛛、骸骨など13点。芳年のほかには、歌川芳艶、歌川国芳などの巨大ウワバミ、化け猫など。発想のもとは曲亭馬琴や山東京伝の同時代の読本など。

    <血みどろ絵>では
    「英名二十八衆句」「魁題百撰相」など。やはり百撰相の顔のアップは印象が強い。

    15×11cm 厚さ2.4cm コンパクトな本

    2016.8.2初版 図書館

  • 一 幽霊
    二 化け物
    三 血みどろ絵

    「怖い」浮世絵の集大成本。
    幽霊、化け物は、確かに怖い。
    でも。。
    自分は、血みどろ絵が一番怖かったぞ。
    つまり、人間が一番残虐で怖いってことか?

    紹介されている中では一番、時代が近い月岡芳年。
    「月百姿 源氏夕顔巻」(82頁)が、すごい現代的で綺麗幽霊画。
    「幽霊之図 うぶめ」(84頁)も、現代的な描き方で、とても綺麗。でも、とても悲しい雰囲気の幽霊図。
    怪奇絵というと、歌川国芳、国貞が好きだったけれど、改めて月岡芳年の絵を好きだなーと思えた。

  • 月岡芳年や歌川国芳、葛飾北斎、歌川国貞など天才絵師たちの“腕冴え渡る"恐怖の名品100選。

    四谷怪談のお岩さんをはじめとする恨めしい幽霊たち、鬼・海坊主・土蜘蛛などの異形の化け物、
    戦国や幕末など混乱の時代を舞台にした凄惨な血みどろ絵まで。解説付。

  • なんで血みどろ錦絵が多いんだ!テレビの衝撃映像だとかネットのカゲキ画像があるように、その時代の最先端のテーマは固定化されているのかも知れない。

  • 浮世絵といえば、役者絵、美人画、風景画ですが、それ以外のテーマ、お化けやスプラッターといった異形のテーマを取り上げています。幕末以降作品が並びます。浮世絵の末期と理解すればいいのでしょうか?先日読み終えた「眩」のヒロイン葛飾応為のような画境からの発展形があれば、明治の日本画壇も違っていたでしょうに。

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著者プロフィール

日野原健司(ひのはら・けんじ)
慶應義塾大学大学院文学研究科前期博士課程修了。太田記念美術館主席学芸員、慶應義塾大学非常勤講師。江戸から明治にかけての浮世絵史、ならびに出版文化史を研究。太田記念美術館にて、「北斎と暁斎―奇想の漫画」、「北斎漫画―森羅万象のスケッチ」、「葛飾北斎 冨嶽三十六景―奇想のカラクリ」、「没後170 年記念 北斎―富士への道」などの展覧会を担当。著書に『ようこそ浮世絵の世界へ 英訳付』(東京美術、2015 年)、『かわいい浮世絵』(東京美術、2016 年)、『北斎 富嶽三十六景』( 岩波文庫、2019年 )など多数。

「2020年 『ようこそ北斎の世界へ 英訳付』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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