バンド論

  • 青幻舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861528590

作品紹介・あらすじ

「バンドとは何か」
サカナクションの山口一郎さん、bonobosの蔡忠浩さん、くるりの岸田繁さん、サニーデイ・サービスの曽我部恵一さん、ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトさん、それぞれの答え。


バンドって、ふしぎだ。

ふだんは会ったりしないのに、もっと言えば、それほど仲が良さそうでもないのに、彼らが音を出し合えば、心がふるえて止まらなかったりする。
昨日ギターを買ったばかりの中学生が、「バンドを組んだ」というだけで、どこか、なぜだか、誇らしげな顔をする。
絶頂なのに、何かの理由であっさり解散して伝説になったりする。
ある瞬間にはダイヤモンドより硬く結合する反面、床に落とした消しゴムほどの衝撃で分解してしまいそうな脆さを孕んだ、人間の集合体。
「バンド」のその魅力、そのふしぎさとはいったい何なのか、という問いの答えを知るために、5つのバンドのフロントマンに尋ねたインタビューが1 冊の本になりました。

サカナクションの山口さんは「バンド」を植物園に例え、「個性が個性のまま活きる塊だけど、一歩引いて見たら、ひとつの世界が広がっている」というバンド観を。
bonobosの蔡さんは曲や歌詞を書いたり、つくった歌を歌ってる「理由」そのものが、「バンドだったから」であり、「バンド」が「歌を歌う」場所であることについて。
くるりの岸田さんは、さまざまに形を変えてきたくるりという音楽の集団の真ん中にあるずっと変わらないもの、「くるりがくるりでいること」について。
サニーデイ・サービスの曽我部さんは「バンド」というものの原点である「スリーピースの無限の可能性」を。
そして、ザ・クロマニヨンズのヒロトさんはいまだに憧れている「バンド」への思いと、「ロックンロールとは何か」について。
5人がそれぞれに「バンド」への思いを大いに語っています。

巻頭と巻末には本書のために「バンド」をテーマに書き下ろされた、燃え殻さんによるエッセイと、今日マチ子さんによる短編マンガが花を添えます。

「バンド」経験のあるなしにかかわらず、少し体が熱くなるような、ピュアでストレートな音楽賛歌。

感想・レビュー・書評

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  • 山口一郎 蔡忠浩 岸田繁 曽我部恵一 甲本ヒロト
    という錚々たる日本のバンドを代表するメンバーに、自身にとって、バンドとはどういうものか?ということをインタビューしたもの。

    バンドに対する考えは多種多様。

    甲本ヒロトの仙人のような答えが全て衝撃的。

    _________________

    ないけど、それは「ある」んだよ。曲はつくるっていうものじゃない。すでに「ある」んで、それが、不意に、出てくるだけで。
    ロックンロールってそういうもの。竹馬とおんなじなんだよね。ジッと見てて乗れると思った瞬間、もう乗れているんだ。練習しなくたって、やれるんだよ。
    _________________

    みんな、もう答えを知ってるじゃない。歌に感動したっていうのが「答え」で、そこがゴールだよ。もう、ゴールテープ切っているのに、そのあとにも、まだ何かを求めようとばかりしてるんだ。
    _________________

    甲本ヒロトはいつも、ロジカルに考える中で表現が限定化されてしまうことを避けているように感じる。

    バンド、歌や音楽は、ロジカルな部分もありながら、なにものか分からない部分に対して、狂おしいほどの感動をする。それは聴き手の中にある何かが、その音楽に感動することであって、聴き手側の化学反応という部分も大きい。そこに対して音楽を提供する側がダイレクトにこう聴いてくれ。というのは科学反応が起こらなくなってしまうことだから。

    そんなことを言っているのではないかと思う。

  • 72冊目『バンド論』〈山口一郎(サカナクション)/蔡忠浩(bonobos)/岸田繁(くるり)/曽我部恵一(サニーデイ・サービス)/甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ) 著、2023年2月、青幻舎〉
    真摯に”バンド”と向き合い続ける五人のフロントマンの証言をまとめたインタビュー集。各人バンドの捉え方は違うが、その音楽を愛する気持ちには胸が熱くなる。
    燃え殻によるエッセイ、今日マチ子による短編漫画も収録。

    「何をしていいかわからなくなったとき、どうしていいかわからなくなったとき、ぼくは、一生懸命、歌う」

    • 傍らに珈琲を。さん
      ムッネニークさん、こんにちは。

      様々な方の"東京"って曲を聴き比べるのも楽しいかもしれませんね♪

      そしてなんと!
      ボ・ガンボスをご存知と...
      ムッネニークさん、こんにちは。

      様々な方の"東京"って曲を聴き比べるのも楽しいかもしれませんね♪

      そしてなんと!
      ボ・ガンボスをご存知とは!
      嬉しくなりました。
      そしてどんと、本当に早すぎです。
      「魚ごっこ」など曲名を挙げてくださったのも嬉しく思いました。
      当時、仕事で少々ムカついても、「魚ごっこ」を聴いてやり過ごしておりました。
      「光るビーズ男」や「助けて!フラワーマン」「見返り不美人」「BODYCO」も大好きです。
      …って、キリがないですね。

      「最後にひとつ」という曲はご存知ですか?
      どんとと一緒にボーカルを担当しているのは「REBECCA」の「NOKKO」です。

      ボ・ガンボスを好きになったことを切っ掛けに、当時はニューオーリンズミュージックも聴くようになりました。
      ドクタージョンやボ・ディドリーを聴いて、KYONのピアノや彼らのリズムはここからなのだと胸を熱くしたものです。
      ちなみに私はローリング・ストーンズが好きなので、ボ・ディドリーやマディ・ウォーターズは、そちら方向から辿り着きました。(急に洋楽に飛び火してごめんなさい)

      ムッネニークさん、本も音楽がお好きなんですね♪
      バーでお酒を飲みながら、あーでもないこーでもないと語らい合えたような気がして、
      とても楽しいコメントのやり取りとなりました。
      有難う御座います♪
      2023/08/04
    • 傍らに珈琲を。さん
      本も音楽がお好きなんですね=変換ミス
      本も音楽「も」お好きなんですね、です。
      失礼致しました。
      本も音楽がお好きなんですね=変換ミス
      本も音楽「も」お好きなんですね、です。
      失礼致しました。
      2023/08/04
    • ムッネニークさん
      「魚ごっこ」は色んなことがどうでも良くなる名曲ですね♪
      「最後にひとつ」は聴いたことがないので、今後チェックしたいと思います!
      バンドやアー...
      「魚ごっこ」は色んなことがどうでも良くなる名曲ですね♪
      「最後にひとつ」は聴いたことがないので、今後チェックしたいと思います!
      バンドやアーティストを好きになると、そこから色々掘り進んでどんどん他のアーティストを好きになっていきますよね。自分はヒロト&マーシーを信奉していますので、そこからパンク・ロックやビートルズ、ストーンズなど、色んな音楽を聴くようになり今に至ります笑。ボ・ガンボスもその過程で知ったような気がします♫

      いや〜、本も音楽も本当に素晴らしいです^_^
      こちらこそ楽しい時間をありがとうございました〜♪

      2023/08/12
  • よりによって好きなバンドばっかり!なラインナップ。
    いろいろ印象深い話があったけど、曽我部さんが語る3ピースバンドの魅力に共感。
    それぞれのバンドの、他のメンバーの話も聴いてみたい。

  • 思わず一気に読んでしまいました。
    甲本ヒロト氏の「音楽の星座」の話がとても素敵でした。

  • 結局フロントマンはフロントマンなんだよな。

  • 届けることは祈ること

    リアルじゃなければ、驚けない

    ソソソミーに意味をもたせたヴェートーヴェン

    純粋率と平均律

    くるり
    自分の作ったものがみんなのものになるとうれしい

    私の好きな音楽は、別の何かに似ている

    ライブは、足りなさが重要


    委ねること

    甲本ヒロト
    聴いたんじゃなく、聴こえてきた

    怪獣になる

    No future for youで元気になる人もいる
    (偽善的なメッセージはロックじゃない)

  • サカナクション山口一郎さん
    くるり岸田繁さん
    ザ・クロマニヨンズ甲本ヒロトさん
    上記対談を読了。
    各アーティストらしさが感じられて面白かった。
    そんなに深くはないかな?

  • あー、バンドいいなぁー、
    と思いました笑

  • 音楽は人を動かし、人生を変える力があることを再確認しました。

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著者プロフィール

2007年に「サカナクション」としてメジャーデビュー。文学的な言語感覚で表現される歌詞と、幅広い楽曲のアプローチは新作をリリースするたびに注目が集まり、第64回NHK紅白歌合戦に出場、第39回日本アカデミー賞にて最優秀音楽賞をロックバンドとして初受賞するなど、その活動は高く評価されている。
2020年8月にはバンド初のオンラインライブを実施し、2日間で6万人の視聴者を集め話題となった。

「2023年 『バンド論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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