チャベス: ラテンアメリカは世界を変える!

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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861820809

作品紹介・あらすじ

米国によるラテンアメリカ支配に挑戦する、いま世界で言動が最も注目されているベネズエラ大統領ウーゴ・チャベス。米国に支配され富裕層の思い通りに浪費されていた膨大な石油収益を、人口の75%を占める貧困層に分配する"ボリバリアーナ革命"を推進。米国主導の弱肉強食の新自由主義に対抗し、キューバ、ボリビアとともに反米・自立化路線を邁進する。ラテンアメリカの解放・統合を夢見たチェ・ゲバラの理想を、21世紀に新たに追求している。

感想・レビュー・書評

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  • 中南米の政治はかつてのチリの政治混乱が代表するように、米国に反するか組するかという軸を中心に動いている。いわゆる「アメリカの裏庭」はキューバ一国だけでなく、対立全土を包み込む規模の纏まりだ。その中でチャベスという人間の持っていたある種の政治的カリスマ性は、強烈な印象とともにいくつかの混乱も起こしている。そうしたことも含めて全体像がつかめたのは面白かった。だが、訳者も述べているように、チャベス亡き現在、後継のマドゥロがどのような働きができるかによってこの地域の将来は決まってくるだろう。

  • ベネズエラ大統領チャベス。
    そしてインタビューアーは彼の尊敬するエルネスト・チェ・ゲバラの愛娘アレイダ・ゲバラ。

    何かあからさまな反米ということでお笑いのネタになることもある(日本では、かも)チャベスですが、すごい人やなぁと思いました。
    私たちが日本のメディアから受けるチャベスの印象っていうのは作られてるものだと思う。
    チャベスやチェが他のゲリラと違うところは、かなりの勉強量、本当に市民のことを考えていることと明確ではっきりしたビジョンをもっていること。そして練りに練られた革命手段。
    チャベスは民主的に選ばれた大統領であり4年に1度選挙があるという制約があるためキューバの場合とはまた異なるし、何より石油に頼っているという点が特徴である。この本の最後に訳者が解説しているとおり、石油というのは今でこそ力は持つけれども将来石油収益が激減すれば革命が危機に陥るという脆弱性は否定できない。今のやり方では、チャベスは否定したけれどもやはり石油がなければ何もできないと思う。そしてやはり、石油があるということで米国の対ベネズエラ外交はキューバに対するものとは違う。2001年に起こったクーデターをはじめ様々なところで米国は介入しているし、今でも寡頭勢力が力を失わないのはそこに米国の力があるんだろう。

    今のところ、チャベスのかかげる理想郷にはベネズエラはなっていない。治安も最悪、貧困もなくならない、政治腐敗も存在する。
    でもチャベスも言っているようにボリバリアーナ革命には相当な忍耐が必要であり、長い年月がかかる。
    果たしてベネズエラは第二のキューバになれるのか。(キューバもいいところばかりではないけど)徹底的な農地改革に踏み切れるだろうか。

    もう少し米国の介入であるとかチャベスの革命思想について勉強したいと思う。
    でもその前に多分ゲバラやカストロ、マルクス、あるいはシモン・ボリバルなどについてもっと詳しくならないと理解できないんやろうなと思った。



    社会を変えるには相当な勉強量が必要。
    的はずれてるかもしれんけど、その本から一番学んだのはそういうこと。

  • ベネズエラの前大統領、故チャベス氏の人生や考え方について書かれた本。彼は度々ニュースに登場していたが、この本を読むまで考え方などは知らなかった。

    アメリカ側に属するか否かで混乱していた頃の南米を見て来たチャベス氏は、国民やベネズエラ自身がどうやれば本当の意味で豊かになるかを模索し、実行していたことが分かった。

    チャベス氏は既に死去してしまっているが、なかなか興味深い人物だと感じた。

  • ベネズエラの保健制度は分散化され破壊されていた。分散化も、新自由主義の謀りだ。教育面では、(中略)学校側が〈自発的寄付〉を保護者に課すという問題があった。これは自発的なものではなく、教育や保健に予算がほとんど回されてなかったため、保護者は寄付金の支払いを余儀なくされていたのだ。すべてが民営化されていた。生命が民営化されていたのだ。

    中略

    ベネズエラでは、石油産業が民営化されていた。この計画は、始まってから五年を経過していた。2002年、私たちはこの民営化過程を覆した。彼らは、石油公社の中枢さえ民営化し、それを米企業に委ねていた。彼らが引き渡していたものを想像してみたまえ!

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    民営化、日本でも流行ったなぁ。サービスが行き届いて良くなりますよ、的な触れ込みだったけど…うーむ…

  • 090812

  • チェ・ゲバラの次女アレイダ・ゲバラがチャベス大統領にインタビューを基にしたもの。

  • ラ米の外交は昨今芝居くさい。いわゆる右派も左派もどちらもうまく機能しないことには変わりないのでチャベスを批判するつもりもないが、彼の演説や会話を読んでいると滑稽に思えてしまう。ALBAってそんな適当に生まれたのかと腰が抜けてしまった。でも彼の話術が人を惹きつけることは確か。文書ではなく生できいてほしい。

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