本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861823527
作品紹介・あらすじ
20世紀文学の描く老いと死を読み解く、文学エッセイ。
感想・レビュー・書評
-
1950年代生まれの著者は、世界文学に目覚めた青年期に空前の文学全集ブームを経験。それらの名作を十代で「制覇」した著者はしかし、「人生の峠を越した自分の中で」、それらが「どのような新しい相貌とともに甦る」のかを確かめたいと、人の終末期がテーマとなっている名作を再び手に取ることにした。その、「新しい相貌」への新鮮な驚きの記録が本書だ。
古典とは、初めて読んでも懐かしい印象を受け、何度読んでも新しい発見がある作品のことだと聞いたことがある。であるならば、本書で取り上げられた19作品はすでに古典と呼べるだろう。
変身後の<害虫>を<介護老人>の姿に重ね合わせる『害虫の生─変身(カフカ)』と、人間の「生」なるものが「腐敗」の過程であることを直視する『決壊─なしくずしの死(セリーヌ)』が秀逸。詳細をみるコメント0件をすべて表示
全2件中 1 - 2件を表示