電子書籍の基本からカラクリまでわかる本 (洋泉社MOOK)

  • 洋泉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862485700

感想・レビュー・書評

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  • 図書館より

     電子書籍に関する本を同時期にもう一冊読んでいましたが、こちらの方が全体的に分かりやすかった印象です。出版が4年前なので情報が古いのは否めませんが。

     自分自身が利用している電子書籍はというと、スマホに入っている青空文庫やcomico、マンガボックスといった無料アプリになるのかな、と思います。

     こういうものを利用していると出版ビジネスも少しずつ変わってきてるのかな、という印象を受けます。マンガボックスではアニメ化に合わせて金田一少年の事件簿や寄生獣を配信したり、最近では進撃の巨人の一話が配信されたりと新たな層を狙っているのかな、という動きが見えます。kindleストアも期間限定でコミックスの一巻を無料配信したり、小説とかも安いのが多いですしね。

     2010年が電子書籍元年と騒がれた時、自分は海外ミステリやSFの絶版本が読めるようになるのかな、と期待したりもしましたがその辺は著作権とか出版社の電子書籍への期待具合とかでなかなか難しいみたいですね。kindleにしろ他の電子書籍ストアにしても、品ぞろえは都市部にある大型書店には及ばないですし、村上春樹さんや東野圭吾さんみたいに電子書籍化を許可してない人もいますし。

     そこらへんの問題が解決した時が本当の紙の本にとっての正念場なのだと思います。

     そうは言いつつも電子書籍リーダーに心ひかれている自分がいるのも事実ですが(笑)

  • 基本から詳しく書かれている上に、出版社や作家といった、異なる立場の人間の考えも分かって業界の状態をよく理解できる。
    ただ、アメリカと日本の「本」に対する愛着の違いについては掘り下げて分析されておらず、基本的にポジティブな論調で書かれているのが気になるところ。

  • 昨今の電子書籍の流れを詳しく書いてくれています。

    キンドルの前にパナソニックなどが書籍リーダーを出したが失敗したことや、Appleが参入する前の電子書籍の販売モデルとその変化、各社の販売戦略、エージェントモデルとホールセールモデルについて時代の変遷と共にそれらがどう変わってきたか、そして出版社や取次はどうなるのかについて詳しく書かれています。

    アメリカと日本の比較として、再販価格制度がないこと、フォーマット、著作権契約の方法、書店へのアクセス利便性が違うことなどを引き合いに出しています。対談形式でのコラムや出版社側の意見も載せているので、日本がこれからどのように対応していこうと考えているかも理解することが出来ます。

    電子書籍の波が来ると言われながら、中々浸透しない日本ですが、原因を含めて電子書籍について詳しく知りいと感じる人には是非お勧めです。

  • アマゾン
    株式会社バリューブックスより購入

  • ちょっと古い本なんですけど。って言っても2010年なんですが、やはり大日本印刷さん、期待しているんですが!!!

  • 2年前に出された本で、日本でのiPad販売前のものなので、当時の現状が書かれた記事は古さを感じるが、この本に予測として書かれていることが結果としてどうなったかを言おうとするとまだはっきり言えないことも多い。まだまだ行ける。

    何かを知るためにはその歴史を理解することが重要だが、この本に書かれている電子書籍元年と言われた2010年の状態は、歴史や経緯を理解するためにはとても価値がある。と思う。

    作家、出版社、印刷会社、本屋、古本屋、図書館など、関連する人たちがどうなっていくと予想されるか、電子書籍販売会社、電子書籍リーダーの開発会社がどのような勢力になって行くと考えられるか、それぞれの立場で満遍なく書かれているのでわかりやすい。

    以下こころに残った内容
    ・紙の本は贈答用になるだろう
    ・電子になると過去の本が売れる
    ・不正コピーを無くすためには安いコピーを出回らせることだ
    ・実は日本でも電子書籍は流行っている。ただし専用のリーダーではなくケータイ。
    ・電子書籍は老眼の人にウケる
    ・漫画とエロ系の比率が高い

    この頃にはまだ楽天がKoboを売るとか思ってなかったよな。Androidすら出てこなかった…。

  • 電子書籍は将来、音楽配信サービスがCDに取って代わったように本に代わって時代を席巻してゆくかもしれない。ただ、その動きは同一ではない。また、電子化することは出版社や印刷会社、編集者がいらなくなることとイコールではない。電子化することで編集者には今まで以上により洗練された本を生み出すことが求められるとともに、全体の読者を相手にするのでなく、ターゲットを絞った戦略(専門性を高めて)を必要とされていく。そうした中で、出版社が蓄えていたノウハウは間違いなく役に立つはずだと感じる。

    本が電子化されることはどういうことになるのか。読者にとっては良い面が圧倒的に多い。それに対し、作り手の出版社にとってはあまりにもデメリットが多い。出版社は既得権益を捨て、読者に寄り添えるか、それが問題でもあるようにも思えた。ただ内情を知らない私は何もいうことはできない。ただ一つ言えるのは、読者としての意見のみ。

  • iPad発売前の記事が中心というのがイタイが、「電子書籍」の基本となるような書籍。
    キンドルに関する記事が中心ではあるが、勿論、iPadやAppleの戦略についても書かれている。
    購入しても損はないと思います。

    2010年6月26日 刊行

  • 電子書籍を、個人が販売して利益を出すことが現状ではまだまだ難しいことがわかりました。
    iPadの登場で急激な変化があるのかな?


    電子書籍の基本からカラクリまでわかる本
    依田弘作編集

    巻頭対談 小飼弾×池田信夫 電子書籍が切り拓く未来とは?
    【PART1】 出版に変革をもたらすキンドル&iPad
    業界を変える二つのハード/「iPad」紹介/「キンドル」紹介
    【PART2】 電子出版ビジネスが日本でもいよいよ本格化する 西田宗千佳
    ・アマゾンはeBookでどうやって儲けている?
    ・どうしてアマゾンやソニーはeBookをたくさん仕入れられるのか?
    ・iPadのビジネスモデルはどうなっている?
    ・iBookストアでは価格設定とアップル―出版社間の取り分はどうなっている?
    ・「筆者取り分7割」のアマゾンDTPは、出版界に普及する?
    ・eBookではフォーマット戦争は起きるのか?
    ・アップルとアマゾンは対決する形にあるのか
    ・日本の出版社は「電子書籍出版に及び腰」というのは本当か? など

    ソニーリーダー、今後の展開に迫る「ソニーのeBookはオープン戦略をとっています」
    米ソニー・エレクトロニクス 野口不二夫氏

    【PART3】 在米ジャーナリストによる米電子書籍事情 最新レポート
    ・アメリカの電子書籍をめぐる状況は日本の未来でもあるのか?
    出版社化するアマゾンと自費出版を目指す著者 飯塚真紀子
    ・キンドルとiPadへの対応はいかに?
    米国の新聞業界はどのようなデジタル戦略を描いているのか 石川幸憲
    【PART4】 電子出版ビジネスAtoZ
    ・電子書籍は必ずしも音楽配信サービスと同じ道を行くわけではない
    ・日本の電子書籍の読者は、電子書籍リーダーの登場で中高年層に広まる?
    ・日本ではコミックが圧倒的だが、今後は、ほかのジャンルの充実も
    ・電子書籍は日本でも、紙の書籍の半額程度で売られる可能性が
    ・電子書籍取次という新しいビジネスが、大手印刷会社の関連会社によって始まっている
    ・電子書籍が安価で売られるようになるには、再販制度がなんらかの形で変わる必要がある?
    ・編集者は、編集のより本質的な部分での力量が求められる など
    [インタビュー]
    鈴木雄介氏/下川和男氏/大日本印刷株式会社/日本経済新聞社デジタル編成局/村瀬拓男氏(弁護士)/山路達也氏/梶原治樹氏(扶桑社)
    [コラム]
    「電子書籍をめぐる言説」をちょっと交通整理してみる
    eBook攘夷論、開国論が入り乱れる中、意外に冷静な人は誰? 澁川祐子
    『電子書籍の衝撃』(佐々木俊尚・著)レビュー
    「すべての出版物」が、同じ未来像に進むわけではない
    【PART5】 電子書籍が変える本をめぐる常識
    ・全書籍の75%とも言われている絶版書籍を救える可能性を秘めている
    ・電子書籍ならコンテンツのトライ&エラーも容易、出版業界以外の参入もありえる
    ・編集者がいなくても電子書籍は発刊できるが編集という機能は必要
    ・低コストで流通の障害も少ない電子書籍は作品をリリースしたい著者にとっての福音に
    [インタビュー]
    萩野正昭氏/堀正岳氏/高山恭介氏
    付録
    「青空キンドル」で青空文庫に収録されている作品をキンド

  •  電子書籍元年と言われたタイミングで出た本として、様々なトピックが網羅的に紹介されていて読みやすかった。ただし、自分が入手した段階の版では、記述に明らかな誤りがあった点は残念。
     具体的には、174ページの再販制度の記述で、「・・義務付けた制度」とあるが、再販制度(ここでは著作物再販制度)とは、「再販売価格維持行為に対する適用除外制度」のことで、6品目の著作物についての再販売価格維持行為に対して独占禁止法の禁止規定等の適用を除外することを認めたものであるはず。実態として定価で販売・流通しているが、定価で販売することを義務付けた制度ではないと理解している。
     こうした記述のミスは、読者が気付けばいいが、気付かないと間違って理解してしまう。そういう意味で不親切で、一箇所こういう部分があると、他の部分についても疑ってしまう(確認していないが)。
     この種の記述ミスがなければ★4つ位の内容。
     

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