あんた、ご飯食うたん? 子どもの心を開く大人の向き合い方

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862554376

作品紹介・あらすじ

子どもは信頼できる大人を見抜いている。子育てや親子関係に悩むあなたへ。約40年にわたり、居場所のない子どもたちに手料理を作りつづける、広島のばっちゃんから心に効くメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • 「お腹が空くから悪さする」と子どもたちに食事を作り続けるばっちゃんの言葉。
    何よりも関係性を築くこと。だから言葉が届く、気持ちが伝わる。
    子どもの行ないの原因は環境にある。ならば自分のできる範囲で環境を整えよう。それが食べることなのだろう。

  • リアルサンジ
    お腹が空いたら悪さをする
    心の拠り所、居場所、
    信じる信頼(疑いの目を持たない)
    同情よりも共感、人生寄り道した人ほどあったかい

    記憶に残る人間はこんな人
    読み返したいと思いました

  • 子どもは親がすき。
    お腹空いてたら悪さする。
    居場所を与える。

    いいたい事いっぱいあるけどいわんってなかなかできない。
    それをこんなに長くできるのは日本のマザーテレサだ。

  • 中身より感銘した部分を抜粋。

    ・ある程度、一定の人間関係ができた上で、様子をみながら指導に入る

    ・気持ちに寄り添い信頼関係をつくる。そこからこちらの話にも耳を傾けてくれる

    ・命令ではなく疑問文で

    ・同情よりも共感[知ろう知ろうと焦るのはダメ

    ・子どもは否定されるのも嫌いだけど、無視されるのが一番つらい[関心をもつ

    ・なぜか子どもは信頼できる大人を見抜いている[継続して支援していく心がなかったら、そのときだけの親切心では子どもたちはなびかないし、信用しない

    ・同じように言っても、こっちは理解するけどこっちは理解できないということは多い

    ・言葉が相手に通じなかったらそれはただの雑音

    ・叱るときは短くわかりやすく絶対人前では叱らない[いきなり叱らず

    ・自分から「やってみたい」が協力するきっかけ[やりたいという気持ちになるまで待つ

    ・「私がなんとかしてあげたい!」はおせっかい

    ・人は嫌いな人の話は聞かない、好きな人の言うことでないと聞かないんです

    ・なんでもそうだが、私たちのほうからまず変わらないことには始まらない

    ・批判されることは逆に子どもを守るためのエネルギーになる[でも私の場合は、もし私がやめてしまったら、私が見捨てたらこの子たちを救ってくれる人がいなくなってしまう!という思いのほうが強かった

    ・ボランティアは感謝、感動、関心、そして謙虚

    ・以前関わった子どもたちから今では、私が支えてもらっている
    彼らのおかげで今現在の私があるということを日々、感じています

    ・この広い世の中で、縁があって交わることができたんだから、やっぱりその縁は大事にしたい[一度交わった縁はずっと大事にしたい

  • いわゆる子ども食堂を運営するおばちゃんの言。
    無償で善意で食事を提供するその姿勢は見習うべきものがあります。

    子どもだけでなく親子で利用するシーンの描写が
    ありますが貧困の連鎖というのは間違いなくある
    と思わせる一冊です。

  • 世の中にはえらい人がいる。
    頭が下がります。

  • 年とともに経験を積んだからこそできること、っていうのがあるんだなぁと。
    優しい空気がありました。
    暖かい気持ちになります。
    子どもたち目線の話も聞いてみたいです。
    本で読むよりも実際に中本さんの話を聞くほうが
    より雰囲気が感じられそうだな、聞いてみたいな、と思いました。

  • バッチャンの人柄が十二分に出ていて、魅力を感じた。

  • やっぱり人生経験がものをいうなぁ、と感じ入った。まずは目の前の相手のことに耳を傾けることがホントに大事なんだな、とあらためて感じた。

  • ◆きっかけ
    『ありがとうのかんづめ』に出てきた『隣る人』をAmazonで検索したら、「この商品を買った人はこの商品も買っています」の欄に出てきて、そのレビューを読んで気になって。む図なし、い図あり。2018/4/7
    ◆感想
    い図。2章の、中本さんが意識しておられる子供への接し方、長年の経験と試行錯誤から築き上げた、中本さんの子どもたちへの気持ちがいっぱい詰まったその接し方。私も自身の子どもや、近所で関わる子どもたちへの接し方を見つめ直すきっかけをいただいた。子どもに対してだけではなく、家族や親戚、友人、周りの人との人間関係全てにも通ずることがたくさんあった。

    手作りの料理、つい時間や自分の都合にかまけて億劫に感じてしまうこともあるけれど、やはり生活と心、体の芯だ。しっかりせねばと思う。
    2章。子どもたちにはあれこれ聞かない、指導よりもまず共感。同情はしょせん人ごとと思っているから。同情ではなく共感したいと思ったら、その人のことを知るために時間をかけて信頼関係を作っていくことが必要。それに初めから知ろう、知ろうと焦ってはいけない。焦りの心が出てはいけない。中本さんも、共感はほんとうに難しいも言っておられ、年の功もあると。

    あと、お世辞について。うわべのお世辞を言うというのは、つまりはビビリがはいっているという指摘にドキッ。お世辞は子どもにとってはものすごく嫌味に聞こえる、それほどでもないことをほめても、バカにされた気持ちになると。

    関心を持つことから始める。スマホばかりいじっている子どもに対して否定的な気持ちが浮かんでもそれは言わないようにして、何をしているのかな、ということを考えてみる。

    ボランティアは、感謝、感動、関心、謙虚が大事。野望やおごりの気持ちがあったら絶対にうまくいかないし、相手に対しても失礼。絶えず、謙虚、謙虚で。しかし、中本さんですら、「謙虚」は難しいことだと語る。謙虚さを失わないことに、中本さん自身、常に危機感を持っているのだそうだ。「p163…私だって、言いたいことはいっぱいありますよ。でも、がまんがまん、と自分に言い聞かせて、がまんしているんです。それはもういろいろと。仕事としてする分には,いやなことがあってもしょうがない、とどこかで割り切ることもできるでしょう。ここまでしかできないと終わりにしたり、公私の区切りをつけることもできます。だけど、ボランティアというものはまったくきりがない。どこかでカタをつけるわけにもいかないしね。つくづく、ボランティアは難しいと思います。難しいなかだからこそ、常に感謝の気持ちと謙虚さをしっかりと持って、続けていかなければならないと思っています。」

    欲を捨ててごらん。
    p173…自公が自分が、と言って、自外だけ守ろうとする人には、まわりの人も与えてくれない。物質的な面だけじゃない、何事も与えてくれない。自分の欲を捨て、我を捨て、とにかく人に親切に親切にと考えることによって、まわりの人が支援してくれる。これは宇宙の法則なんよ。これも父のよく言う言葉だったんです。(中略)だいたい人は、欲があるからもめるんです。欲を捨ててごらん(中略)私などは昔の人間だから、よくこう言われました。「寝て1畳、起きて半畳」。寝るときは1畳分の広さがあれば十分で、半畳の広さがあれば生活は十分。そういう言葉があるわけ。起きて食事も腹八分で生きていかれる、それ以上の欲を持つものではない、というように。そういう教訓を、小さい時から繰り返し聞かされて育ちました。だから、普通に食べて暮らしていければそれで十分、それ以上の欲を持たないでいられるんです。
    2018/4/14

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著者プロフィール

1934年、広島県江田島市生まれ。1980年保護司に就任。お腹を空かせて万引きなどの犯罪に手を染める子どもたちの存在を知り、以来40年にわたって自宅である市営住宅・基町アパートの1室を毎日開放し、無償で食事を提供する。保護司引退後も活動を継続し、2015年にNPO法人「食べて語ろう会」を設立。同法人の理事長を務める。2014年に法務省保護局長特別感謝状受賞。2015年に社会貢献支援者表彰受賞。

「2017年 『ばっちゃん ~子どもたちの居場所。広島のマザー・テレサ~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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