- Amazon.co.jp ・本 (648ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862762306
作品紹介・あらすじ
「診断型」から「対話型」へ
組織開発の新潮流、到来――。
従来の組織開発とは異なる発想や手法の存在を見出した編著者二人は、2009年に「対話型組織開発」を提唱。以来、各界から大きな注目と支持を集めている新コンセプト「対話型組織開発」の初の専門書にして決定版がついに邦訳!
[原題] Dialogic Organization Development: The Theory and Practice of Transformational Change
組織とは、意味を形成するシステムである。
なぜいま対話なのか? 対話によって何が変わるか? 対話をいかに行うか?
組織開発のフロンティアを往く21人の知見とビジョンを凝縮。
個人と集団の可能性を信じる実践者に贈る、最前線の組織論。
▼社会背景、理論、実践法を網羅的に解説。
U理論、学習する組織、ワールドカフェ…「対話で組織を変える手法」が日本でも定着。「なぜいま対話か?」「対話で何が変わるか?」「対話をどう実践するか?」を深く理解できる。
▼実践者21人の「最先端の知」を凝縮。
対話型組織開発の先駆者たちが試行錯誤し見出した、日本未発表の概念や手法も満載。また、一部署の変革から全社改革まで多彩な事例も魅力。組織論のフロンティアを学べる。
▼読者の理解と実践を助ける付録も充実。
重要用語の訳者注釈、各章末の引用文献、巻末の索引、訳者による「まえがき」「あとがき」を収録。初学者から専門家まで必携の内容。
▼OST、アプリシエイティブ・インクワイアリー、ワールドカフェの創始者たちも絶賛。
「時代を見抜く洞察力をもって、私たちが今直面している問題に力強く切り込んでいる」
――ハリソン・オーウェン(オープン・スペース・テクノロジー創始者)
「民主的で対話的で、人々の協働によって生み出される、完全に人間中心の組織というODの原点に立ち返る一冊」
――デビッド・クーパーライダー(アプリシエイティブ・インクワイアリー創始者)
「会話を変え、それによって未来を変えることで、組織とコミュニティを活性化するという可能性に満ちた新領域を切り開いた」
――アニータ・ブラウン(ワールド・カフェ創始者)
感想・レビュー・書評
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2018年51冊目。
自社本のため割愛。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20回以上読み返した。すごく良い本!
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1ヶ月でなんとか読了。分厚いだけでなく、凝縮度がとても高い論文のあつまり。
可能な限り、毎日、1章づつ、読んでみた。途中、難しくて飛ばしたくなる章もあったが、読み始めたら一応その日のうちにその章を読み切る。日によっては、面白くて、つい次の章に進みたくなるが、それもあえて止めて、1日1章を読んでいった。
編著なので、章ごとのスタンスに微妙な違いはある。が、きっと「対話」を通じて書かれたんだろうな〜、編著としては、稀な統一感があると思う。
理論的なところでは、わたしの好きな「社会構成主義」と「複雑系科学」がベースにある。この辺のところは、ときどき「ワールドカフェ」とか、「アプリシエイティブ・インクワイアリー」と関係はするといわれたけど、なんというか比喩のレベルでの話のように思っていた。
が、この本では、その辺の理論との関係がかなりしっかりと議論されていて、面白い。いわゆる「社会構成主義」の範囲に止まらず、ミシェル・フーコーとか、ジャック・デリダとかが、組織開発とか、リーダーシップ開発と関係してくるとかなり面白そうですね。
この辺は、結構、昔から、知的な好奇心でそれなりに読んできたところなんだけど、そう繋がるのかというのは驚き。また、最近、かなり集中して読んだハンナ・アーレントも最後のほうにでてきて、これまた驚き。
背景にある思想で、ここまで面白かった組織開発の本はこれまでなかったな〜。
そして、純粋に自分が興味関心をもっている思想がベースにあるとその実践にもやる気がでてくる。
もちろん、この本のよいのは、そういう理論だけでなくて、実践レベルでの課題設定の「あるある」感とそれに対する明快な実践的なアドバイスの部分。
わたしが、組織開発について考えていたこと、そして考えてもいなかったけどなるほどなことが、とても明確に体系的に言語化されている感じ。
内容的には、上級の内容だと思うけど、通常の実践においても大事なポイントがたくさんあると思う。
なんか、これを日常の実践につなげるための整理をしてみたいな〜。 -
従来の組織開発とは異なる「対話型組織開発」の初の専門書です。
なぜいま対話なのか?対話によって何が変わるか?対話をいかに行うか?
組織開発のフロンティア21人の、知見とビジョンを凝縮したものです。
社会背景、理論、実践法を網羅的に解説し、先駆者たちが試行錯誤し見出した、日本未発表の概念や手法も掲載されています。
多彩な事例もあり、組織論のフロンティアを学べます。
たとえば、職員の出勤率に関する問題に取り組む組織を見てみよう。看護や介護の業界では、毎日の欠勤率が5%から10%に及ぶということも珍しくない。この問題を「常習的欠勤」という枠組みで扱う場合、当然、欠勤の理由を探ることとなり、「なぜ職員が体調を崩すのか」という問いかけをすることになる。病気のメタファーを適用することで、私たちは診断の医学的メタファーを利用し、体調不良の原因に対処すれば、欠勤率を改善し、組織の症状を緩和できるだろうと暗黙的に考えるようになる。これは一見完全に合理的な行動であるように思えるだろうが、単に病人の治癒にのみ焦点を合わせて常習的欠勤を減らすという取り組みは、それほど大きな効果が望めない。
一方、別の角度から問題を見てみると、90%から95%の職員は出勤しているという事実に気づくだろう。この視点に立つ人々は、「なぜ職員はきちんと出勤するのだろうか」と考えるだろう。人々の意欲とそれをサポートす る方法を理解しようとすると、先述の例とは大きく異なる、繁栄とウェルビーイングについての会話が生まれる。そのような会話は欠勤の原因を明らかにしていない。しかし、この方法を用いた対話型ODのプロセスによって、 デンマークのある地方自治体のヘルスケア担当部門では、6カ月間で常習的欠勤率が27%低下したのである。この取り組みは5,500名の職員を抱える自治体の全部門に適用され、全体的な常習的欠勤率は、2年間で、30%以上も低下した。これらの実例は、組織の長所に重点を置く活動のメタ分析と一致している。人々が日々の職場で自分の一番得意な仕事ができると考えると、彼らのパフォーマンスは向上することが多く、このことが高い出勤率と挙と相互に関連している。
高い出勤率と相互に関連している ー 181ページ -
読了