うたかた

著者 :
  • 関西学院大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862832719

感想・レビュー・書評

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  • 2019年3月17日読了。100頁ほどの薄い本であるが、中身も薄い。文楽三業の芸談はいくつもあるが、その中で語り伝えられるものにはならないように思う。子供の頃に文楽座で若大夫(十代目)を聞き、朝日座担ってから津大夫・寛治(先代)との語りを聞いた者からすると、息子の寛治(七代目)は、その芸において品格が劣る気がする。まあ、文楽に限らず歌舞伎でも「昔は良かった」で終わるのは重々承知しているが。ただ、ご贔屓津大夫の話が比較的多く記されているのが少し嬉しかった。反面、他の三味線・大夫・人形遣いの、芸そのものに言及するところがほとんどなかったのは、この本の価値を著しく低めている。ひょっとすると悪口三昧で本の中に取り込んで残せなかったのかもしれない。

  • その芸が何故今そこにあるのか
    知ることにより
    これからの芸を生きている力となる

    知らなかったら
    ただそれだけのものにしかならない

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著者プロフィール

作家。小説を阿部牧郎、浄瑠璃台本を七世鶴澤寛治の各氏に師事。2002年より各地の歴史をテーマにした講談を創作し音楽とコラボさせた「音楽絵巻」を上方講談師・旭堂南左衛門とともにプロデュース。2014年、独自の大阪文化論「私の見た大阪文化」を作成。2015年より雑誌『新潮45』において「歴史再考」を執筆。2021年、文楽三味線の鶴澤清志郎とともに令和の浄瑠璃の創造を目指すユニット「三善座」を結成。現在は企業の商品・企業活動に人格を与えるブランドパーソナリティ、ブランドストーリーの構築も行う。
主著『うたかた七代目鶴澤寛治が見た文楽』(関西学院大学出版会)。『ンポロゴマの倒錯』(関西学院大学出版会)。『小説最上義光 つわもの』(アルトスリー)。『日本再起動』(共著/関西学院大学出版会)。『永遠の「俺の空」』(関西学院大学出版会)。『「感じる」テクノロジー』(関西学院大学出版会)。『ほんまにそのお店「おいしい」と思ったはります』(共著/ケイオス)。

「2024年 『器 幻想と復讐』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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