能動的綜合: 講義・超越論的論理学 1920-21年 (知泉学術叢書 13)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862853264

作品紹介・あらすじ

本書『能動的綜合』は,『受動的綜合の分析』と合わせて1920/21年の「超越論的論理学」講義を構成する。これにより後期フッサールへの転換期に位置する本講義の全体像が明らかにされる。
「超越論的論理学」の特徴は,主語と述語による判断形式により形式的規則性を明らかにする従来の論理学に対し,認識論的関心からすべての学問の基礎づけとなる学問論的特性を解明することにある。
学問における研究対象はどのように与えられるのか,その所与性の解明,すなわち「究極的な与えられ方に立ち戻る究極的な学問」こそが「超越論的論理学」にほかならない。その究極的な与えられ方とは「意識によって構成された構成のされ方」を意味する。
フッサールの超越論的意識の構成分析は,『イデーン』期の「ノエシス―ヒュレー―ノエマ」の認識図式という超時間的な本質構造を解明する「静態的現象学」として展開したが,本講義に象徴されるように,1920年代になり本質構造そのものの生成を問う発生的現象学の研究領域への移行を通して解明されることになった。
本書は発生的現象学における後期フッサール現象学を考察するうえでも,またその転換期の様相を知るためにも必読の文献である。

感想・レビュー・書評

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著者プロフィール

1859-1938。1859年4月8日、当時のオーストリア領に生れる。1876年ライプチヒ、ベルリン、ウィーンの各大学に学び、1883年学位を得る。1884年ウィーン大学のブレンターノの門下に入り、専攻していた数学から哲学への道を歩む。1906年ゲッチンゲン大学教授となり1916年まで在職。その後1928年までフライブルク大学教授。著書に、『算術の哲学、心理学的・論理学的研究』(1891)『論理学研究』(1900-01、みすず書房、1968-76)『厳密な学としての哲学』(1911、岩波書店、1969)『純粋現象学及現象学的哲学考案(イデーン)』(1913、1952、みすず書房、1979-2010)『内的時間意識の現象学』(1928、みすず書房、1967)『形式論理学と超越論的論理学』(1929、みすず書房、2015)『デカルト的省察』(1931、創文社、1954、岩波文庫、2001)『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』(1936、中央公論社、1974、中公文庫、1995)『経験と判断』(1939、河出書房新社、1975)などがある。

「2017年 『形式論理学と超越論的論理学 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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