萌えよ乙女幕末志士通信簿

制作 : 幕末維新研究会 
  • 泉書房
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本棚登録 : 28
感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862870551

感想・レビュー・書評

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  • 取り寄せ先:足立区立鹿浜図書館(受け入れ先:府中市立片町図書館)

    歴史の同時代性という側面から読むと得るものはある。というのも、彼女たちが求めているのはカリスマ的な男性(の虚像)なのであって、決してヒロイズムを読み取ろうとはしていない部分に着目した方がいいだろうから。確かに先行事例としては英雄主義に回収されたものも見受けられる。しかし彼女たちにあってはそれはさしたる興味関心とは言いがたい。つまり、どんなに幕末の英雄たちを持ち上げようともそこには「超えられる境界と超えられない境界」が存在するということになるのだ。

    しかしながら、「国境の内側」に引きこもっていることは指摘を待つまでもないであろう。テッサ・モーリス・スズキはこう語る。
    ―小説(ノヴェル)はまさに”新しさ(ノヴェルディ)”にとり憑かれつつあった世界に登場した。小説に期待されたのは、それ以前に何世紀にもわたって繰り返し語られつづけた歴史叙事詩とは違う、新しい風景、新しい視点、新しい経験を読者に提供することだった(……)しかしこの可能性にも、小説読者の側に、まったく見知らぬ、あるいは不快なくらい争いに満ちた領域に運ばれる用意がなければならない、という制約条件が伴う(『過去は死なない』P76)

    ここで言う「小説」をそのまま本書に置き換えた時、その意味を理解してもらえるだろうか。

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