逆さ地図で解き明かす新世界情勢 ー東アジア安保危機と令和日本の選択

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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863102194

作品紹介・あらすじ

「逆さ地図」が示す令和日本が生き残る知恵。2020年の大局を読む!新視点の地政学で描く20のシナリオ。【巻頭カラー】目からウロコの「逆さ地図」収録!
「南北統一で巨大反日国家が誕生するか?」「中華の覇権にのまれ中国自治区となるか?」「人口減少・国力衰退で米州になるか?」…アメリカ主導の戦後秩序と同盟で、地政学的な脅威から守られてきた日本。新たな覇権時代で内憂外患の状況を前に、地図の向きと発想を変えることで国際情勢の大潮流を的確に読み解く令和日本人必読の1冊。

「はじめに」より――

 近年、地政学的見地で言えば、激しい地殻変動が起きてきている。その象徴的な事象が集中して起きているのが、朝鮮半島情勢の激変だろう。二〇一八年から韓国は、慰安婦問題に関する日韓間の合意を破棄、続いていわゆる徴用工裁判問題では、一九六五年の日韓関係の基本となる条約を覆し、同年末には海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを照射するなど、日本を敵対国と見なすかのような行動をとった。
 さらに二〇一九年には、日韓間のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)を破棄し、日・米・韓の安全保障政策の根幹を揺るがすような措置をとったのである。この事態はトランプ米大統領が口にしているように、「在韓米軍撤退」に繋がりかねない重大な状況変化である。
 韓国は、北は北緯38度線で塞がれており、海に出ようとすれば日本の存在がある。狭い国土と五千万人の人口では、これ以上の国内市場を主とした経済発展が見込めない。とすれば北朝鮮との間の国境を開き、南北が一つとなってランドパワーとして生きていくことが、将来の国益に繋がると考えたとすれば、これら一連の韓国の離日・離米政策は一応の説明がつく。
 逆に、ランドパワーの北朝鮮は、アメリカと直接対話ができるようになったことで、将来的には海へのアクセスを強めようとしている。
 令和に入ってから想定できる地政学的地殻変動は、北緯38度線をピボット(軸)として、南北朝鮮が逆転するような大激震が起こる予兆と見ることもできる。
 (中略)
本書では、逆さ地図を現状認識のための前提とし、日本の地政学的立ち位置を利用しつつ、
日本の周辺諸国に集中して、世界的な大変革が起きつつある状況に、日本がどのように逆さ地図の発想を利用するべきかを考えてみた。
 具体的には、各章ごとに採り上げた事象に対して、日本が積極的かかわっていくための前提としての「結論として」という項目を設け、まとめとして、現状で考えられる「シナリオ」を試みた。
 本書を通して、地図を逆さにすると見えてくる情勢の基本的な方向と、この事態に対して日本がメインプレイヤーとして、冷静かつ沈着に対処するにはどうすれば良いのかを考察したつもりである。
 激動の令和の時代に対応していく、読者の一助になれば幸いである。

感想・レビュー・書評

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  • 今話題の地政学から今の日本を取り巻く国際環境、今後日本はどうするべきかを分かりやすく解説されています。

  • 中国をはじめ日本周辺にいちする勢力は脅威であり、アメリカが抑止力を提供するというのは神話であり、現在日本が進めているミサイル防衛システムだけでは十分ではない。このまま、在韓米軍が削減される事態に備え、日本は北朝鮮の短・中距離核ミサイルの脅威に対処するため、自前の核抑止力の整備を検討すべき時期に来ている。

  • 東2法経図・6F開架:KW/2020//K

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著者プロフィール

1947年高知県安芸郡生まれ。1971年明治大学政治経済学部政治学科卒業。国士舘大学大学院政治学研究科修士課程修了、政治学修士。ジャーナリストとしてアメリカ、アフガニスタン、パキスタン、エジプト、カンボジア、ラオス、北方領土などの紛争地帯を取材。
TV、新聞、雑誌のコメンテイター、各種企業、省庁などで講演。著書に『戦争民営化』(祥伝社)、『国際テロファイル』(かや書房)、『「極東危機」の最前線』(廣済堂出版)、『熱風アジア戦機の最前線』(司書房)、『日本人だけが知らない「終戦」の真実』 (SB新書)など多数。

「2021年 『知らないではすまされない地政学が予測する日本の未来』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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