執権義時に消された13人ー闘争と粛清で読む「承久の乱」前史

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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863102446

作品紹介・あらすじ

★2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」関連本
 執権義時はいかにして、ライバルを蹴落とし
 朝廷との戦いに勝利したのか?
 義時が消した13人に焦点をあてる
 異色の歴史教養本がここに登場!

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「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍のことであり、
頼朝の周囲を13人の側近(御家人)が支えていた。
頼朝の死後、彼らは激しい内部抗争を繰り広げるが、
その中で最後まで生き残り、
将軍にかわる「執権」として権力を手中に収めたのが、
13人中もっとも若かった北条義時である。
戦前は、ライバルをはじめ、
実父、源氏将軍、上皇・天皇を排した所業から
「暴君」とされたこともあったが
見方を変えれば、数々の闘争に勝ち続け、
最高権力者として君臨できた
日本史上でも稀な人物でもある。
鎌倉初期から承久の乱までを駆けぬいた
2代執権・義時が勝ち続けた理由はなにか?
なぜライバルは義時に歯が立たなかったのか?
敗者として歴史の闇に消された
13人の歴史人物に焦点をあて、
執権義時の黒すぎる生涯を見ていく。

感想・レビュー・書評

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  • 普段ドラマは見ないのだが、三谷✖️大河は面白いので「鎌倉殿の13人」は欠かさず見ている

    しかし鎌倉時代の知識があまりにも乏しく、たくさん登場する武家(特に坂東武者)たちがさっぱりわからない
    良い機会なので鎌倉時代をお勉強したい

    源頼朝死後、激しい内部抗争が繰り広げられるが、その中で最後まで執権として生き残り権力を収めたのが北条義時である
    彼がいかにして数々の闘争に勝ち続け、坂東武者のライバルたちを蹴落としのし上がったか…
    13人の歴史人物から紐解く
    という書である
    13人の人物を中心にそれぞれの角度から歴史を照らすため、興味深い上、わかりやすい
    (何事も同じ場面を違う角度から何度も説明されるとよく覚わりますよね?)
    ただ毎度現代のビジネスへの教訓じみたくだりがあって、なんだか急に現実に引き戻されやや興醒めしてしまう…
    これが著者の特長なのであろうが、個人的には………すみません

    ちなみに本書の13人は鎌倉殿の13人とは異なる
    鎌倉殿の13人はあくまで頼朝の死後、長男頼家が跡を継ぎ、その若き将軍を補佐する(裏を返せば独裁権力の阻止)ための「十三人の合議制」である

    以下は主要人物のみ個人的な備忘録
    (全くもって鎌倉殿の13人ではない人物ばかり)

    ■北条時政
    「十三人の合議制」の1人
    ちなみに次男義時も然り
    北条のルーツはさまざまな説があるが総じていうなら、頼朝に出会うまでの北条は系図がきちんと残せないほどの小規模武士に過ぎなかった
    娘政子が頼朝を気に入ったこともあり、頼朝に命運を賭けたのが時政
    ここから北条の時代が始まる
    政治的役職は与えられなかったが、所領は増やせた模様
    穏謀家・野心家であった

    ■源頼家
    鎌倉幕府二代将軍
    頼朝と北条政子の長男
    頼朝と良好な関係であったが政子とは微妙(理由は不明)
    頼家の乳母夫かつ義父の比企能員
    頼家と比企能員の派閥
    弟実朝と北条時政の派閥が出来上がり、当然対立
    結局北条氏の攻撃により比企氏は滅亡
    頼家は出家させられた上、北条の差し金で暗殺される

    ■源実朝
    頼朝の次男
    幼くして将軍となったため長期間に渡り祖父北条時政、母政子に政治を任せていた
    小倉百人一首に歌が採用されるほどの名歌人
    後鳥羽上皇や京への憧れがあり、また跡継ぎに恵まれなかった
    鶴岡八幡宮で兄・頼家の子、公暁に暗殺される
    (黒幕は謎)

    ■後鳥羽上皇
    祖父…後白河法皇
    父…高倉上皇
    兄…安徳天皇
    平家のせいで三振の神器なきまま即位
    政治特徴は派閥対立を乗り越えた政治を目指す
    また戦乱で蔑ろにされていた宮中儀礼を復興させた
    音楽、歌、蹴鞠、武芸など教養において才があった
    源実朝まで幕府とは良好な関係
    実朝の死後幕府がコントロールできなくなり、やがて「承久の乱」へ(ちなみに後鳥羽上皇は対幕府ではなく義時がターゲットだった模様)
    北条政子の大演説に幕府はまとまり、あっさり勝利
    後鳥羽上皇は隠岐へ配流
    幕府は京に朝廷監視のため六波羅探題を設置


    まぁ結局北条義時のなにが一番凄いって天皇を倒した男なのだ
    あとはやはり北条政子のカリスマ性にずいぶん助けられている(笑)

    しかし当初の歴史人物を名前だけで記憶するのは本当に困難である
    源であればやたら「頼」、「朝」、「義」ばかりかつ二文字で混乱する(当たり前の大変稚拙な意見です)
    ドラマやマンガだと視覚を使え後々パッと鮮明に名前と人物像を思い描ける
    特に鎌倉時代、室町時代というのは個人的に苦しい歴史なのである…
    というわけで大河ドラマでずいぶん助けられた
    さてその大河ドラマの方であるが…
    今の北条義時は父時政には頭が上がらず、三浦義村にしょっちゅうアドバイスを受け、周りに気を遣い、振り回されているのだが、一体今後どんな運命を辿って腹黒くのし上がるのだろうか…
    そしてどこまでの歴史を放映するのかも楽しみである
    大河を全て見終わったら再読するとまた違った何かを塗り重ねられるだろう
    楽しみだ

    で、本書は面白いかと言われると微妙であるが、鎌倉時代初心者には分かりやすく各坂東武者達の関係性がクリアになり整理できるというガイドブック的に読むと良い
    これをあしかがりに「承久の乱」にまつわる書籍を読みます!

  • 読みやすく、テンポ良く進んでいく。現代との思考の結びつきも語られたりしてそこも面白かった。

  • エピソードは粒揃いなのに軽々な語りで説法が蛇足

  • 鎌倉殿鑑賞後に読んだが、ドラマの通り策謀と激動の時代だったのだなと。
    わかりやすくさっくり読めた。
    当時の出来事と絡めて現代のビジネスにおける立ち回りも少々書かれているが、一般的な内容だし、自分的には必要なかったのではと思った。

  • 江戸時代の外様大名改易のようなものだろう。

  • あーあ。《鎌倉殿》途中なのに…。

  • 鎌倉時代 北条義時と御家人達がどのように対立し 幕府が成立していったかよくわかった

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著者プロフィール

《榎本秋》
作家、文芸評論家。1977年、東京生まれ。書店員、編集者を経て作家事務所・榎本事務所設立。小説創作指南本や歴史解説本など多数の書籍を制作する傍ら、大学や専門学校で講師を務める。本名(福原俊彦)名義の時代小説も合わせると関わった本は200冊を数える。
主な書籍に『描く前に“絵の出来”はすべて決まっている イラスト・ラフの正しい作り方』(秀和システム)や『ナンバー2の日本史』(MdN新書)などがある。

「2023年 『イラスト・マンガ発注マニュアル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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