- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863110663
作品紹介・あらすじ
写真と対話。60年代生まれの2人が織り成す「時代」の記憶。
感想・レビュー・書評
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1960年代生まれの著者が同世代の重松清とともに、撮りためた写真を見ながらこれまでの時代を回想する、写真を媒介とした対話集。
著者は廃墟をはじめとして、打ち棄てられたものを撮り続けている写真家なのだが、本書にもそうした写真がいくつか収められている。地震や天災、あるいは政策などにより、「何度も何度も上書き更新されてきた」風景が強いコントラストで写し取られており、独特の印象を残す。
「未来章」と名付けられた最終章。ここには3.11以後の風景が佇んでいる。この未来のために、過去が存在したのかと問いかけるように。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何でだろ あとがき読んで涙が出た
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『廃道 棄てられし道』に続く、丸田さんの三部作第2弾!!時代順に並べられた新旧、カラーモノクロ共に凄い丸田写真!!三部作全体を担当した祖父江慎氏のデザインワーク(見返しの紙を見ただけでも「これはなんじゃい?」と思うことしきり。祖父江氏によると、これは包装紙の一種で本に使用した例は本邦初とのこと!)も凄い!今回は、四六判というサイズ、そして作家・重松清氏の参加ということで、より“文学性”の強い単行本となっており、写真だけではなく同世代のお二人による「対話」も相当な凄味を持って迫る(『日本風景論』をご覧になった方には「本書は3.11以降の日本風景論でもあるっ!!」という伝え方もできますっ!!)。これを読むと、改めて丸田祥三は、60年代生まれ以降にあって、希有なる「知の巨人」であると、僕は思ってしまうのだ。