- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863112698
作品紹介・あらすじ
人生を変える旅。それがドラマチックジャーニー。
日本で唯一、旅行を売らない旅行会社を設立し、マスコミから「旅行業界の異端児・カリスマ」と呼ばれた著者。
自身の半生とこれまで世に送り出した数多くの旅の軌跡。そして、その旅の参加者たちの体験談によって“ドラマチックジャーニー“の魅力に迫る。
感想・レビュー・書評
-
長年、いわゆるパック旅行では無い五感で感じる旅行ツアーを企画運営してきた中村伸一さんの本。本を読むと中村さんのツアーはただの旅ではなく、旅が終わった後の人生を大きく変える力のある旅であることが分かる。旅に参加するまで面識のなかった海外の人達と何日か苦労しながら旅をする。会話力はもちろん人間力、体力、注意力、色んな側面が、試される。住み慣れた街を離れることが旅では無い。まだ見ぬ自分を探しに、まだ知らない経験を積むことがドラマチックジャーニーであり、それが人生なんだと気付かされてくれる本。ドラマチックジャーニーに参加した人の感想がたくさん載っていましたが、まとまりがなく少し読みにくかった。ストーリー性に乏しいのでとても面白いという本をではな買ったですが、中村さんの考え方はよく分かりました。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2018年10月に地球探検隊という一風変わっているが、たくさんの人から愛された旅行会社が歴史の幕を閉じた。
「地球探検隊」と出会った多くの人たちは参加した旅からかつてないほどの影響を受けて、新たな人生の一歩を踏み出していった。
たかが旅に出ただけで、人生が変わる?
経験のない人からすれば、信じ難い話かも知れない。
しかし、旅にはそれだけチカラがあるのだ。
そんな地球探検隊を率いた中村伸一さんは、お客様を「隊員」と呼び、その旅をきっかけとして一生付き合う覚悟をして旅に同行した。
そんな中村さんを隊員たちは「社長」とは呼ばず、「隊長」と言って慕った。
本書は、そんな中村隊長と地球探検隊との出会いをきっかけに人生を劇的に変えた人たちの物語を綴った一冊である。
私自身も旅を仕事にしてきて31年が経つゆえ、多いに共感できるところがあった。
今や旅行とは日本人にとって当たり前の文化になった。
しかし、情報が溢れている現代において、人びとは事前にネットでありとあらゆる情報を調べて、綿密な旅の計画を調べてくる。
旅行当日はその計画した通りに巡ることが、ある意味で目的になってしまっている。
しかし、昔から「トラベル」は「トラブル」が語源と言われるくらい、旅先では様々なことが起きる。
予定調和なんかない。予定不調和の世界なのだ。
本来、この予定不調和が旅の醍醐味なのだが、現代ではクレームになってしまう。
その点、地球探検隊のツアーはまったく違う。
旅のテーマに魅力を感じて世界中から集まった人たちで巡る現地集合現地解散の「多国籍ツアー」は予定不調和しかない。
ツアーには決して語学が堪能ではない若者たちが参加をし、世界そして自然の中で過ごしながら、肌や目の色の違う人たちと旅をするうちに仲間となり、様々なことを感じていく。
自分が生きてきた世界なんて、ちっぽけなものだと気がつくことが出来るのだ。
だからこそ、その旅をきっかけとして多くの若者が生き方を変えていった。
日本発着の「大人の修学旅行」には老若男女がそれぞれの想いを胸にツアーに参加をした。
そこでも、人びとはたくさんの仲間とともに様々なことを感じ、やはり生き方を変えていくのだ。
繰り返しになるが、旅にはチカラがある
でも、ただ単に旅に出るだけではダメだ。
旅はあなたの人生も何も変えてはくれない。
変えていくのはあくまでも自分の意志だ。
旅先で何を感じ、何に気が付き、そして何を決断するか?
すべては自分次第なのだ。
ようは、旅は思い切って空へと身を躍らせた人だけに、大きく羽ばたける風になって力を貸してくれるだけだ。
書中に何度かこんなフレーズがでてくる
「今日は昨日の延長じゃない」
旅に出ているときを思い返すと
この言葉に頷く人も多くいるかも知れない。
しかし、日常生活においてはどうだろう?
本当は一日一日は違うはずなのに、いつの間にか「平凡な毎日」なんて思ってしまったりする。
否。
毎日毎日、自分が新しい人生を生きるという意識を持たなければならないのだ。
そう意識をすれば、毎日が刺激的で、毎日が感謝に溢れたものになる。
よく人生は長い旅に例えられる。
そう、だから旅を愉しめる人は、人生を愉しめる。
「人生がつまらない」
「幸せではない」
「何のために生きているのか分からない」
という人には読んで欲しい1冊です。