学芸員しか知らない 美術館が楽しくなる話

  • 産業編集センター
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863113923

作品紹介・あらすじ

知れば美術館が10倍面白い!展覧会はどうやって作っているの?学芸員って何をしているの?アートは役に立たない?おすすめの鑑賞方法は?現役学芸員が語る、美術館の舞台裏と美術鑑賞の楽しみ方。noteの人気連載、待望の書籍化!著者おすすめの美術館も掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 私が原田マハさんの小説にはまり、母にマハさんを勧め、結果的に母がマハさんとアートにはまり、回り回って母から紹介されたこちらの作品。

    ◆内容
    小さな美術館の学芸員の方が、学芸員の仕事内容や、美術館の楽しみ方をわかりやすく紹介してくれる。

    ◆感想
    とてもわかりやすい文章で噛み砕いて解説してくださるので、素人でも楽しめながらサラッと読了。
    特に、p135〜139の、「アートは無駄だし、役に立たない、とあえて言ってみる」がとても良かった。
    ロボット開発におけるノイズの大切さ、伊坂幸太郎さんの『ホワイトラビット』の父娘の会話の例、共にわかりやすく、胸にストンと落ちた。
    また、p164〜169の、「現代病『タイパの呪縛』から抜け出そう」も刺さった。私は自分でもかなり合理主義な方だと自覚しており、まさに、「役に立つ・立たない」「必要・不必要」で物事を判断する傾向に陥りがち。これまでも美術に対しては、いい悪いの判断基準がわからない、自分はセンスもないし、"わからない側"の人間でいいやって思って、自分から遠ざけていたけれど、本作を読んで自分なりの楽しみ方でいいし、型に囚われる必要もないことに気づけた。
    来月早速母と共に大原美術館へ行く予定なので、この作品で紹介されていた"美術館をもっと楽しむためのヒント"を参考に、アートを楽しんでこようと思います。

  • 学芸員のお仕事を裏話も含め赤裸々に綴っています。
    京都寺町三条シリーズの葵ちゃんを通してでしか知らなかった学芸員について、本職の人が様々な視点で語ってくれています。

    一番驚いたことは学芸員の仕事ではないですが、ヤマトや日通に美術品の輸送から展示や撤収まで手がけるプロフェッショナルがいること。美術品の取り扱い技術を持ち、専用車を所有しているなんて全く知りませんでした。

    今、気になる特別展があるので、少しニヤニヤしながら行きたいと思います。

  • [進捗報告]書籍のカバー決定しました!|ちいさな美術館の学芸員
    https://note.com/gakugeiin/n/n1d03483995a5
    ↑学芸員さんはイラストレーターさんに興味が無いのか、口止めされているのか?

    ちいさな美術館の学芸員|note
    https://note.com/gakugeiin/

    イラストレーター 岡野賢介 | kensuke okano Illustration
    http://kensukeokano.com/

    学芸員しか知らない 美術館が楽しくなる話 / ちいさな美術館の学芸員 | 産業編集センター出版部
    https://www.shc.co.jp/book/19700
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    (yamanedoさん)本の やまね洞から

  • 学芸員さんによる美術館の楽しみ方。美術館内のさまざまな仕事や、展覧会の持ち方などがわかりやすく説明されている。著者が自分の仕事に誇りと愛情をもって取り組んでいる様子が伝わってくる。(それゆえのジレンマもなんとなく。)
    「美術なんて役に立たないものだし、それでいいんだよ」という趣旨の言葉に共感する著者の姿勢に共感。
    役に立たないものを守るゆとりが人生を豊かにするし、世の中を生きやすくするものだろう。

    最近はご無沙汰だったけれど、また美術館に行ってみようかなと思わせてくれた。

  • 美術館で働く学芸員さんのリアルなお仕事話。
    ムダな事を沢山しよう!と思う。
    そういう心の余裕を沢山持っていたい。
    時間ができたらいろんな美術館、博物館へ行こう!
    私にはすでに“推しエリア”があるので、いつ行こう?と、ワクワクしてきましたー

  •  絵画の取り引き術から学芸員になる方法、証明や湿度等の環境管理、一日のスケジュールなど学芸員しか知らない舞台裏情報が一冊に詰まっています! 
     学芸員になるつもりはありませんがどんな仕事なんだろうと気になっていました。題名に惹かれて手に取ってみて正解でした。
     特に驚いたのは厳格な湿度管理です。その美術品を構成する素材によって適した湿度は変わるそうで…。5%でも違うと素材は駄目になったりカビがコロニー(集合体)を形成してしまうのだそうです。

  • 表舞台からは見えづらい、学芸員さんの裏話。
    一番知りたかったおすすめの鑑賞方法は第3章で、前2章は展覧会準備の裏話・学芸員さんってどんなことしてるの?というテーマな感じ。

    図録作るくだりで、高校の文化祭とかも図録化されてたら良いのになと思った。あの年の文化祭、っていう記憶って各々のクラスが任意で撮った写真と、個々人の思い出の中にしか存在しない。まぁそれが儚くて良いのかもしれないけど。

  • ファスト教養の部分は共感できる。コスパやタイパを意識して身に付けたものは果たして教養と呼べるのだろうか。個人的には簡単に身につけたもの程簡単に陳腐化していくと思っている。

  • 美術館のバックヤード的な話が知れて、好奇心がくすぐられました♪
    こういう専門家の裏事情って、奥が深いですね。
    おもしろかった。
    展覧会の壁や照明、転倒防止のテグス…
    この本で知ったことを元に、より深く見てみたいと思います。

  • 今まで知らなかった学芸員の役割、そして筆者の一学芸員としての思いが伝わってきた。

    毎回、展示を見に行く度に、誰がどう企画を行って、どう魅せるのか考えているか等考えたことがなかった。地道に努力されている学芸員や美術専門の運送業者、デザイナー、受付の職員等美術館に関わる全ての人たちに頭が下がる思い。

    他の館との美術品の貸し借りは、信用第一であり、基本的に料金は発生しないことに驚いた。美術に熱量を持つ者同士だからこそできるのかも。私だったら自分の大切にしている作品を大事に扱ってくれるのか、相手が自分と同じ熱量を持っているか分からないので不安になるものな。

    美術は静かに鑑賞すべきものと昔は思っていたが、最近は一緒に行った人と話しながら観るのが好きだ。筆者の「美術鑑賞しながら話しても良い」という考えがもっと浸透すれば良いと思う。
    また、美術は必ずしも必要ではないと言われれば確かにそうなのだが、なければひとつ、人生の楽しみが減ることも間違いない。これからも美術館巡りは続けたいと思う。

    しかし、近所に訳の分からない昔の資料等を展示するハコモノが出来たとき、(美術館を作ってくれたら良かったのに…)と軽々しく思っていたが、予算のことを考えるとなかなか厳しいものがあるなと思えてきた。都市で集客の見込める美術館なら良いが、田舎の美術館は赤字なのだろうか。

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