動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

著者 :
  • 木楽舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863240124

作品紹介・あらすじ

生命とは、絶え間ない流れの中にある動的なものである。読んだら世界がちがってみえる。哲学する分子生物学者が問う「命の不思議」。今まで体験したことのないサイエンス・ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • ▼福島大学附属図書館の貸出状況
    https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB90192144

    (推薦者:共生システム理工学類 小山 純正先生)

  • 978-4-86324-012-4 c0045¥1524E


    動的平衡

    2009年2月25日 初版 第1刷発行
    2017年7月1日 第19刷発行

    著者:福岡伸一
    発行所:株式会社木楽舎

  •  「動的平衡」概念にもとづくエッセイ集のようなもの。生物学の話の説明としては、非常にわかりやすい。

     これを読むことで、生物・生命に関するテーマを大方洗い出すことができそう。福岡先生の視点で見たときに世の中がどうみえているのかを知るのはよい思考のエクササイズではないか。

    ・生命現象とは何か。
    ・人はなぜ錯誤するか
    ・汝とは何か。「汝の食べた物」である
    ・太らない食べ方はあるのか。
    ・その食品を食べますか。
    ・生命は時計仕掛けか。
    ・ヒトと病原体の戦い
    ・ミトコンドリア・ミステリー
    ・生命は分子の「淀み」

     なぜ、バイオテクノロジーはうまくいかないのか、アルファ・ジーン社の例をとってのイントロダクション。生命現象は、本来的にテクノロジーの対象となりにくい。工学的な操作、産業上の規格、効率よい再現性。そのようなものになじまないものとして、生命がある。(・・・日本の匠的な生命?)

     フランシス・クリックの晩年のテーマ。
    「人間はどのようにして意識を持ち、なぜそれは時に錯誤を起こすか」

  • 前からタイトルは知っていた。
    科学分野での名著らしい。
    と言っても、2009年の本だから、いろいろ変わっているところはあるだろうな、と思いながら読んだ。

    身体の部品は、ただ機能だけを重視したプラモ的なものではなく、時間が重要。
    順番に、かついいタイミングで効果が生み出されることが。
    という考えにはっとした。

    自分自身、どちらかというとデカルト的な考えだったかもしれない。
    「邪魔なら無くせばいいでしょ?」みたいな。

    ミクロから見たら、ただの「淀み」である自分自身は、いったい何ができて、どう生きられるのだろう。
    と考えると、機能面に考えが行きがち。
    でも、周辺のかけがえのない淀みたちと一緒に生きていきたいという、情を大切にしていきたいな。

  • ふむ

  • おそらくとても難しい内容を分かりやすくまた面白く書いておられるので、一気に読んでしまいました。生命の神秘というけれど本当に不思議、まだまだわからない事だらけですね。

  • 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか
    福岡伸一 木楽舎

    この題名を見て手に取る人は少ないだろうが
    中身はビックリするほどに面白く
    食物と様々な生命体との隠された関係を
    暴露した物語に惹きつけられてしまう
    中でも肥満とダイエットや
    食材の生産と流通に関する
    強欲と安全と危険についての見えない情報は
    常識を覆す驚くことばかりである

    とは言うものの
    矛盾を感じる部分も多い
    高校生へのメッセージの中でも
    自由であることの可塑性について語るかと思えば
    直感に頼るなと
    ヘナチョコな学者みたいなことを言い
    全体は部分の総和でないと言いながらも
    部分の総和プラス生気ではなく時間だと説く
    不可逆的な時間の折りたたみの中に
    生命は成立すると言い切る
    生き物はエネルギーなる物質の賜物だと
    証拠もなしに信じているらしい
    物である人間が相対する者として
    精神的な意識だとは見えないのだろうか?
    あるいは
    精神性は時間と同意語だとでも言うのか?
    生命を部品の集合体という物質レベルでのみ
    考えると時間の重要性を見失い
    機械論の落とし穴にハマるとも言う

    科学の中に入り込むと
    無限もゼロも見えなくなり
    都合の悪い飽和状態を飛び越えて
    有限なるモノ環境へと逆走することになるらしい

    最後に曰く
    生命とは何か
    その答えは
    動的な平衡状態にあるシステムなのだ
    構成分子そのものに依存しているのでなく
    そのサスティナブルな流れがもたらす「効果」である
    生命現象とは構造でなく効果なのである
    だとすると
    福岡伸一の語る時間とは何なのだろうか?

  • 再読 マイバイブル
    たまたま雑誌ソコトコに掲載されている文章を読んで著者のことを知ったのが10年ほど前
    これを読んで「死」そのものは怖くなくなった
    (死に付随するであろう苦しみとか痛みは怖いけど)
    科学的思考の面白さを知った一冊

  • 生命は分子の「淀み」。
    分子は破壊と再生を繰り返す、
    生命は、構造でなく効果。
    効率→質感、加速→等身大の速度、直線性→循環性、
    線形性→非線形性、
    渦巻きは生命と自然の循環性をシンボライズする意匠そのもの

  • 地球ができてから、38億年にわたって連綿と維持され続けてきた生命。その中で、常に分解と再生を繰り返して自分を作り換えながら平衡を保ち、そして少しずつ進化してきた。

    私たちの生命は、思っている以上に奇跡的なものである。

    って実感しました。

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著者プロフィール

福岡伸一 (ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授。2013年4月よりロックフェラー大学客員教授としてNYに赴任。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)ほか、「生命とは何か」をわかりやすく解説した著書多数。ほかに『できそこないの男たち』(光文社新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、『せいめいのはなし』(新潮社)、『ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで』(文藝春秋)、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー)、『生命の逆襲』(朝日新聞出版)など。

「2019年 『フェルメール 隠された次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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