小笠原諸島をめぐる世界史

著者 :
  • 弦書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863291003

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  • なぜ海上の彼方にある諸島が日本領になり、日本人が住むようになったのか、実に驚きの新発見。日本の東方に金銀島がある!と、スペイン、ポルトガルそしてオランダの船乗りたちが探し、オランダ人が1639年に発見した小笠原諸島。1670年には紀州の蜜柑船が漂着。そして最初に住んだのが何と1830年にハワイから移植した11人の英国人たち。日本の領有は幕末頃に幕府が1862年に八丈島から31名の農民を移住させたことから。日英の領土権争いがあったのだ。地名の由来は武田家(信玄)との遠戚になる小笠原貞頼が家康から証文を貰ったと1675年にその子息が名乗る人物が訴状を提出したことから始まり、この人物は本家の系譜にないとのことで、4代目の貞任は身分詐称により追放されたとのこと。それが、英国に対していつまでも無人島との地名では拙かろうということで着いた地名とは何とも皮肉。江戸時代に命の危険を冒して遠い離島に渡った先人たちの努力により、海洋国家日本が確立していったことを改めて知った。あの咸臨丸が小笠原開拓で大活躍したのだ!知る人もない。

  • 将来的に一度は住んでみたいと思っている小笠原諸島。それをめぐる「世界史」からの視点。
    海洋国家日本が持つことのできた数少ない国境問題かもしれない。
    かなりおもしろかった。

著者プロフィール

昭和21年、長崎市生まれ。昭和44年、北九州市立大学外国語学部卒。昭和46年上京。漫画家・杉浦幸雄に認められる。主に「漫画社」を中心に仕事をする。洋学史研究会会員。[主な著書]『漫画俳句入門』(池田書店)『江戸の世界聞見録』(蝸牛社)『なぜなぜ身近な自然の不思議』(河出書房新社 )『マンガNHKためしてガッテン―わが家の常識・非常識』(青春出版社)『マンガ版ママの小児科入門』(法研)『長崎蘭学の巨人 志筑忠雄とその時代』(弦書房)『長崎を識らずして江戸を語るなかれ』(平凡社)『江戸の〈長崎〉ものしり帖』『小笠原諸島をめぐる世界史』『幕末の奇跡―〈黒船〉を造ったサムライたち』『鎖国の地球儀―江戸の〈世界〉ものしり帖』『踏み絵とガリバー《鎖国日本をめぐるオランダとイギリス》』『絹と十字架《長崎開港から鎖国まで》 (以上、弦書房)

「2023年 『風船ことはじめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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