性同一性障害のエスノグラフィ: 性現象の社会学 (質的社会研究シリーズ 4)
- ハーベスト社 (2009年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863390157
感想・レビュー・書評
-
はー、やっと読み終わった。めちゃめちゃ読みづらかった。。
この本、著者の博論を元に再構成された本みたいなんだけど、元が社会学系の論文だからか、かなり「変な日本語」(例えば見る「仕方」とか)が使われており、それが気になって一旦自分で読み替えないと理解しづらかったというか。言ってることは単純なんだけど、すごーく回りくどく書いてあるというか。ま、論文だから定義はしっかりしていなければならないだろうし、用語の使い方も精密にしなければならないので、どうしても普通の日本語とは違ってしまうのだろうけれどね。
人の他人への性別判定はどういう手順で行なっているかを「他人から見られることが非常に敏感な」性同一性障害の人のインタビューを元にして考えているのだが、他人の性別を判断するためには「手がかりによる判断」と「一瞥による判断」の2種類があって性同一性障害の人は一瞥による判断を目指しているとのことだった。もちろん論文として書いてるのはこのことについてだけじゃないけれど。
しかしこの手の本を読んでいつも思うのは、いわゆる普通の人、ノンケ男とかノンケ女が自分のジェンダーロールについてどう思ってるのかが聞きたいってことなんだよね。どういう意識を持って「男らしく」とか「女らしく」してるんだろうかと思う(それはわたしにとって「男らしく」とか「女らしく」ってのが分からないせいでもあるが)。でもそういう人ってそういうこと普段から考えてなさそうとも思うのだが、それを敢えて考えさせるたいってのがあるんだよね。「普通の人」はいつも聞き役で、「同性が好きなのはどうしてか」とか「異なった性になりたいのはどうしてか」ってそういうことを少数者は絶えず考えさせられて説明させられる。たまには多数者も自分で考えて説明してみれば?って思うんだよね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
367.9||T84||Se
-
当事者から見ると、インタビューなどで紹介される内容は、共感する内容だが、特に新しい発見はない。感じていることを整理してくれているので、当事者でない者に当事者の感性を理解してもらいやすい本になるかもしれない。