- Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863851788
作品紹介・あらすじ
海は海 唇嚙んでダッシュする少年がいてもいなくても海
「ちばさと」の歌は汗の匂いがする。
元気がありすぎるクラスの担任として
ドラマがありすぎるバスケ部の顧問として
小さな黒板に毎日短歌を書く。
国語教師として
情熱が空回りしてばかりの駆け出し歌人として
ひたすら汗をかき続けた
ひと夏のものがたり。
感想・レビュー・書評
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千葉聡さんの歌集ですね。
千葉さんの短歌の案内書は何冊か読みましたが、歌集は初めてです。
千葉さんの歌集は、勤務先の高校の風景が多いですね。教室の黒板に毎日短歌を書かれているそうです。
クラブ活動の顧問もされていて、部活を詠まれた短歌も数多く出てきます。
あとがきに「2014年四月から十月まで、夏の始まりから終わりまでを詠んだ歌を中心に、二〇八首を集めて一冊にしました。」と綴られています。第五歌集になるそうです。
落ちていた本は『夏への扉』だった
第一読者は窓辺のひかり
放課後の廊下は夕陽に染められて、
染められはしない隅っこを愛す
空色の切手を貼ろう遠い遠い
知らない町までひとすじに飛べ
雑誌社のロビーに雑誌の壁はあり
新しい紙の匂いあらたに
波音の聞こえ始める坂道にある
旧式の赤いポストは
古いピアノ その前に座る人たちに
音楽を許し続けるピアノ
まだ君と一緒にいられる
胸に手を当てる 未来はまだここにある
いつか住む部屋のこと旅のこと思う
セイタカアワダチソウの道にて
友あての手紙にオレンジシャーベット色の
夕陽も同封したい
千葉さんの教師生活は充実しているようですね。生徒さんとの交流が目に見えるようです。国語の先生としても様々活躍されていて、ますます短歌生活にも熱が入るようで、微笑ましいです。
この歌集から、短歌がかなり身近なアイテムである事を感じました。なんとなく嬉しいですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示