水銀飛行 (新鋭短歌シリーズ29)

著者 :
  • 書肆侃侃房
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863852358

作品紹介・あらすじ

【新しい白昼夢が動き出す】

不安も、喜びも、悲しみも、予感も、○○も、
生まれたての子どものように睦みあう。
(東 直子)



せいねんとせいねん神経衰弱のカードを伏せるときの微風

蚊柱に腕をさしこむ柔らかさその歓迎に夏は濁るよ

魔球ぅ魔球ぅ校舎の裏で囁いて、あなたは消えてしまった魔球ぅ

みずからの口を近づけ飲むスープ愛を告げたら抱けない気配

きみのおとうさんはさみしいひとだった朝虹を彫る版画教室

感想・レビュー・書評

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  • 中山俊一 短歌 七の段くちずさむとき七七の匂いに満ちる雨の土曜日 June July永い雨だね(沈む島)それにしたって永い雨だね 銀の花枯れたんだろう俯いてシャワーヘッドも湯を浴びるおれも 海洋葬撒けば眩しく瞬いて額縁のなかの海のパズルは 青い犬走れよ絵の具が渇いても筆洗いバケツの水でありたい 原宿的色彩に死す藁麦挽きの水車が回る農村でキス ふたりして海に降る雨を眺めてた水溶性の傘をひらいて 返歌 ひとりでも海に降る雨描いていた油性絵の具を板に拡げて

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著者プロフィール

1992年、東京生まれ。法政大学社会学部卒業。
新鋭短歌シリーズより第一歌集「水銀飛行」上梓。
映画監督としてUFPFF国際平和映像祭2012入選、脚本家として第19回水戸短編映像祭グランプリなど。
Twitter : @poseidon_29

「2016年 『水銀飛行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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