日本人が知らない恐るべき真実 増補版【マネーがわかれば世界がわかる】 (晋遊舎新書 S06)

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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863915626

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  • 現代の銀行制度へ貨幣を無から作り出す
    金融システムを作ったのはユダヤ人
    20世紀にイスラエルを建国するまで国家を持たない流浪の民
    選民思想
    ユダヤ・キリスト・イスラムは同じ唯一神ヤハウェを信仰する一神教。利子は禁止。
    ユダヤ教は異教徒から利子をとることを許されていた
    ロスチャイルドはドイツのフランクフルト発祥。
    日露戦争の国債引受。ロシアの南下政策をよしとせず。
    1944年、ブレトンウッズ会議で、ドルは基軸通貨になった。
    FRBの株主はロスチャイルド系=ユダヤ系

    取引にはお金が必要。しかし日銀券はその取引を、まかなえるほどの量は出回ってない。
    必要量より存在量が少ない→競争が生じる→利子という利用料が成立する=誰かが生産したものを先取りする

    社会の富に何も付け加えていないのに、富に対する請求権を主張できるもの

    複利…利子にも利子がつく
    利子のつくお金は経済成長を常に求める

  • この本は今年(2012)に書かれた増補版ですが、初版本を2009年に読んで印象に残ったことを覚えています。
    特に、地域通貨や地方通貨について興味があり、地域通貨は一部の地域限定で使われる通貨で多くの都市で導入されているようですが、その対象範囲を広げた地方通貨は道州制を考えた場合に効果的な制度になり得ると思いました。

    増補版として100ページほど追加されていますが、米国の債務危機や日本に忍び寄る危機について書かれています。

    特に驚いたのは、米国の学資ローンは、繰り上げ返済もできない、1回延滞すると金利が跳ね上る、自己破産もできない、という酷いローンがある(p340)ことを知って米国の学生が気の毒になりました。

    以下は気になったポイントです。

    ・米国での民営化された学資ローンは、消費者保護の対象とされず、上限金利なし、期限前返済禁止、繰り上げ償還禁止、延滞は1回のみ、延滞すると3%の金利が15%になる、2回目からは100%返済が義務づけ、自己破産不可というもの(p340)

    ・911のテロ事件の後に、愛国者法が制定されて、ホームレスも治安維持のため投獄された、その中にはサブプライムローン破綻などで自宅を追い出された人も含まれる(p341)

    ・米国において、年金・医療保険制度など社会保障にかかる非公式な債務を含めれば、債務総額は公式の14兆ドルではなく、211兆ドルあると言われる(p345)

    ・リーマンショック後に、格付け会社の経営首脳が米議会に証人喚問されたとき、「格付けは単なる意見である」と証言した(p348)

    ・911後にイラク攻撃を始めたが、当初はフセイン大統領がアルカイダを支援していることを理由にしたが、世俗主義のフセインと原理主義のアルカイダが犬猿の仲であることがわかると、大量破壊兵器を理由にした、しかしそれも2006年になかったことを認めた(p350)

    ・ギリシア政府は、2012.3.9に「集団行動条項」の発効を閣議決定した、これは債権者の大半の同意があれば、同意しない債権者にも国債元本を強制的に削減可能とするもの(p353)

    ・大使館を閉鎖し大使を召還するという行為は、国際社会では準戦争行為と認識されていて、武力衝突の一歩手前であることを意味する(p372)

    ・イランからの原油輸入禁止に中国とインドが協力しないため、イランへ与えるダメージがそれほど大きくないことが判明(p375)
    ・米国大統領候補のロン・ポール議員は、FRB廃止、TPP廃止、CIA廃止、在外駐留米軍の全面撤退を主張して、民衆から熱狂的な支持を得ているが、主流メディアには出演させてもらえない(p381)

    ・911事件の10日後に決議されたことは、5年間で7つの国を破壊しようとするもの、イラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、イランである(p385)

    ・東電の発表では、1号機が100トン、2号機と3号機は50トンずつ、合計200トンの燃料が格納容器を突き抜けてどこにあるかわからない、2012.1.23現在で、毎時7000万ベクレル、1日16.8億ベクレルの放射能物質が放出されている、その状態でも冷温停止になったと野田内閣は宣言した(p395)

    ・現在最も懸念されているのは2011.3.15に水素爆発を起こした4号機、使用済燃料プールには、使用済燃料が1331本、未使用の核燃料204本の合計1535本(原子炉3基分、約300トン)が地上30メートルのところにある(p397)

    ・福島第一原発にある核燃料は合計11138本、使用済核燃料は格納容器によって保護されておらず、冷却水の循環が止まれば危険になる、半径250km圏内は危ない(p398)

    ・2012年の夏の需要予測は前年を遥かに上回る3138万kW、649万kWの不足としているが、前提は夏のピーク時に火力発電と水力発電の一部を定期点検で休ませる前提になっている、自家発電の購入量は83万kWだが、関西電力の自家発電容量は700万kWある(p401)

    ・福島第一原発の事故は想定外の津波としたいという意向があるが、実際には震度6程度の地震で受電鉄塔が倒れて、電源喪失したことが第一の要因(p402)

    ・1960-1994年までに財政再建に取り組んだOECD諸国20か国を調査したところ、成功例は16、失敗例は46ある、共通例は増税を先に行ったこと(p407)

    ・日銀の国債直接引受は毎年行われていて、禁じ手でも珍しいことでもない、2011年度は新規国債発行は44.3兆円、借換債は111.3兆円、財投債は14兆円、合計で169.6兆円、金融機関と個人が157兆円消化して、残りの11.8兆円を日銀が直接引受をしている(p413)

    ・約3600にのぼる上場企業において、法人税・法人事業税を納めていない企業が全体の7割を超えている、日本の企業262万社のうち法人税を納めているのは、わずか25%(p419)

    ・日本の関税率は高いと言われるが、農作物の平均関税率は11.7%だが、全品目平均では3.3%、米国の5.5、3.9%
    、欧州の19.5、4.4%、韓国の62.2、8.9%比較でも低い(p429)

    ・TPPに加盟した場合、紛争解決の調停、仲裁をする組織はICSID(国際投資紛争解決センター)だが、審理は非公開、判定は強制力を持つが不服でも上訴できない(p435)

    2012年8月26日作成

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