襤褸の旗

著者 :
  • 飛鳥新社
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本棚登録 : 34
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864101332

作品紹介・あらすじ

中田宏を"殺した"男が、ベストセラー『政治家の殺し方』を大批判。「野望の王国」が夢見た"平成維新幻想"の終焉を活写する。野田、前原、玄葉、樽床、中田…国会議員38名、地方首長11名。野望、成り上がり、裏切りの32年。"塾"取材13年の第一人者が、すべてを書いた。

感想・レビュー・書評

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  • 今や日本の政治の中枢(言い過ぎか)かのような松下政経塾出身者にスポットを当てた本。とはいえ、表舞台に出てこなかった人もいて、その人たちも少し取り上げられていたり、ああアイツとコイツはそんな仲だったのね、みたいな話はあります。仲良しっぽい取材対象者もいれば、ちょっと感情的かな、という人も。ともすればワイドショー的というか。
    著者は松下政経塾と小選挙区が政治の劣化を招いた、という見方は浅く的外れだといいます。そうなのか。でも「あなたは何を学びましたか」と聞けば「松下幸之助の憂国」であり「この三年から五年が勝負だ」と同じ答えを聞き続けてきた、という答えは聞き飽きたといい、そして政経塾の罪も免れないとしつつ、(当時首相だった)野田にはまだ役割がある、自民と民主をまとめて叩きつぶすことだ、と。果たして結果はみなさん御存知の通り。
    ようするに、選挙に勝つためなら出自なんか関係ない、ということのようです。だったらやはり政治家はツールとして使わなければ。なんとか塾とかなんとか党で、持ち上げたり下ろしたりしちゃダメだ。

  • 筆者にとって『松下政経塾とは何か』に続く2冊目の松下政経塾を取り上げたノンフィクション。

    私は、筆者とは政治に対する考え方が違う。また、たまたま私自身がよく知っているある人物の評価について、私とは真逆の判断を下しているので、そうした点では違和感を感じないわけではない(失礼に当たると思うが、ジャーナリストとしての取材力にその事に関しては疑問符を感じた。第3者からみれば単なる見方の違いなのかもしれないが)。

    しかし、だからといって本書の価値が損なわれるわけではない。日本の現代政治を考える上で今や重要な要素の一つとなった松下政経塾の元塾生を中心に塾に関わった人々の肉声を残したことには意味があると思う。

    特にあまり類書では取り上げられることがない、政治家にならなかった元塾生に取材をしている点は後世、貴重な資料となるのではないかと感じた。筆者は、本書に収録した意外にもかなりの数の元塾生に取材をおこなっているようなので、できればそうした人たちが、今、松下政経塾についてどう考えているのかも別に機会があれば発表して欲しい。

  • 2013/03/29:読了
    とりあえず、流し読み。
    そんな感じの本

  • 地元の図書館で読む。この図書館は、久しぶりです。長い間、取材してきただけあって、キーパーソンとも旧知の間柄です。それだけに、逆に緊張感がありません。そこら辺は、読みやすいと感じるか、退屈と感じるかは読者次第です。

  • 松下政経塾の人脈研究の書。松下政経塾とは何か、民主党代議士の作られ方の出井康博最新の書。野田佳彦が総理大臣に就任することで、松下政経塾への注目度が増す中、その人脈を知るにはとても良い。ただ一般向けではないのは確か。前原誠司や原口一博以外の知名度は一般的には低い。中田宏の政治家の殺し方への反論は面白かった。桑畠さんが出てきて市村さんがほとんど出てこないのは意外でした。

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著者プロフィール

1965年、岡山県生まれ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒業。英字紙「日経ウイークリー」記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)客員研究員を経て、フリー。著書に『ルポ ニッポン絶望工場』(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など多数。

「2019年 『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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