ルトワックの日本改造論

  • 飛鳥新社
3.92
  • (3)
  • (18)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 94
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864107280

作品紹介・あらすじ

最強の戦略家、最新書き下ろし!

・北朝鮮が核弾頭小型化に成功、米中経済戦争の激化、韓国との衝突、少子化と財政難...内憂外患の危機を「戦争と戦士の文化」がチャンスに変える。

・最新の情報に基づく、日本人のための戦略的思考。『日本4・0』の続きとして、この難局を切り抜けるのに必要な「柔軟かつ反応的(リアクティブ)」な戦略の要諦を徹底指南。

・韓国との歴史問題への対処、中国への「受動的封じ込め」、北朝鮮への抑止力整備など、長期かつ全体的な視野で、具体的なプランを次々と提示。日本に本気の改革を迫る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ●近代国家は自らの納税者を「育て」なければならないもの。再び若返らなければならない。イスラエルは一人当たりのGDPでは日本と同じだが、一人当たりの国防費は日本よりも少ない。日本はパチンコに金を使っている場合ではない。子供につぎ込むべきなのだ。
    ●力によって相手を説得するために、簡単に好戦的姿勢を示してはならず、一方で実際の武力行使を回避しながらも国益を守るため「相手を止めるために暴力を用いることもある」と示さなければならない。
    ●フランスで出生率が高いのは、主としてイスラム系女性の出産によって押し上げられているものである。
    ●フィリピン人は敬虔なカトリック教徒であり、ヨーロッパの国々を始めとするすべての地域において、移民としての犯罪率が最も低い。これからは日本も安心だろう。
    ●韓国人の反日心理。自分たちの恥である祖父の時代の奴隷的な態度を隠したい、忘れたい一心なのである。韓国側が「苦悩に満ちた再評価」(認めたくない自分の姿や立場を直視する)このプロセスを開始しなければ、日韓関係は何も変わらない。
    ●ロシアの支配者は「帝国ビジネス」がうまくなければダメなのだ。「わが国民よ、君たちは素晴らしい料理やファッションを与えられない。でも君たちは帝国の臣民なのだ。世界最大の国にいる。これは戦争によって手に入れたものだ。戦争に勝つと言う事は強さの表れである。だからこそ文句は言わないでほしい。」
    ●日本政府は尖閣に、海洋環境の保全を目的とする研究所を設立し、所員を派遣し、同時に彼らの保護のために部隊を常駐させるべきだ。一刻も早く有人島にする必要がある。

  • 無料の不妊治療とチャイルドケアで子どもの数を増やせ、から入る。少子化と戦争の密接な結びつきを主張、クレフェルトを引用し、男たちの戦争忌避で女は愛する戦士を失い子どもが生まれなくなったという。
    オランダ人やスウェーデン人の反独感情と韓国の反日感情との比較が面白い。積極的に協力した臆病な父祖を持つ国ほど、後で憎しみを増す。韓国が苦悩しながら自国の歴史と向き合わない限り、日韓関係の発展はない。
    シーパワーとマリタイムパワーを理解していない中国。経済が停滞すれば、自由の代わりに経済成長を約束してきた共産党への不満が膨れ上がり、目を国外にそらせるために冒険的な行動に出ることがありうる。日本が他国に装備品を輸出するのであれば、高度な整備技術のいらないものにすべき。
    北朝鮮の核武装は確実なので、日本は真剣に独力で自らを守ることを考えなければならない。北朝鮮は防空体制を欠いているので、空対地ミサイルを購入すべき。
    自衛隊は本格的なウォーゲームを実施すべし。そして日本は本格的な情報機関を設置すべし。

  •  ゴリゴリの戦争の話について始まるのかと思ったら少子化対策の話から始まったので意外だった。
     また「男は戦争を愛し、女は戦う男を愛す」というのは、生物学的に人間に刷り込まれてるものなのかなぁと思った。この言葉左翼はキーってなりそうだが、間違いじゃ無いかなと。
     米中冷戦の時代において、日本の国防に対する本気度がアメリカなどから問われているわけだが、岸田政権でどこまで進むことやら、、

  • 前著『戦争にチャンスを与えよ』同様、通常は口にするのを憚れる内容も空気を読まずズバズバ指摘してて小気味いい。皆が心底では何となく感じている矛盾を、堂々と言語化するその姿勢は、勇気や信念に起因するというより、市井の人と視点と感覚が異なる…というか、そもそもこういう人なんだろうw。賛否あると思うが、世界の潮流の中で日本がどういう立ち位置にあるかをイメージする為に、一読の価値あると思う。基本的に「日本」について語っているが、その文脈での米国・中国・韓国・北朝鮮に対する考察は非常に興味深い。彼の日本に対するSuggestionは一言でいうと

    ”Si vis pacem, para bellum(汝、平和を欲さば戦いに備えよ)”

    ということだろう。『戦略論』→『中国4.0』→『戦争にチャンスを与えよ』→『日本改造論』の順番で読むとルトワックが徐々に先鋭化していると感じる。いや、世界が益々カオス化しているということか…。

  • 明解な文章で、分かりやすい。
    2019年12月の発行なので、世界情勢は少し前のことを書いているが、米中冷戦についての予言などは、的中しているものもあり興味深い事この上ない。
    あくまでもルトワックの視点から書かれたものだが、国際情勢を俯瞰して見るのに役立つ一冊。
    後半年したら、もう一回読み直したい。

  • 東2法経図・6F開架:319.1A/L97r//K

  • 第一にやるべき事は子供を増やす事だ、というのが僕の持論とあっていて共感しました。
    ww2後のオランダとドイツの関係と、韓国と日本の関係、面白え。

  •  
    ── ルトワック/奥山 真司・訳《日本改造論 20191213 飛鳥新社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4864107289
     
     Luttwak, Edward Nicolae 19421104 România /軍事史、国際関係論/Jews
     
    …… 金 正恩は、日本に核やミサイル発射を命令ができる。それに
    よって命を奪われようとしている国民の前に「憲法の制約があるので何
    もできません。残念ですが諦めて下さい」と誰がいえるだろうか!
    https://twitter.com/COHyc7tKCWokLOt/status/1205473912676503552
     
    ── 石橋 政嗣《非武装中立論 1980 社会党機関紙局 20060911 明石書店》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4750323985
     
     Ishibashi, Masatsugu 衆議院議員 19241006 台湾 福岡 20191212 95 /
    ── 西堀 栄三郎《石橋を叩けば渡れない 197209‥ 社会経済生産性本部》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4820111728
     
    (20191214)
     

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

ワシントンにある大手シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の上級アドバイザー。戦略家であり、歴史家、経済学者、国防アドバイザーとしての顔も持つ。国防省の官僚や軍のアドバイザー、そしてホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーを務めた経歴もあり。米国だけでなく、日本を含む世界各国の政府や高級士官学校でレクチャーやブリーフィングを行う。1942年、ルーマニアのトランシルヴァニア地方のアラド生まれ。イタリアやイギリス(英軍)で教育を受け、ロンドン大学(LSE)で経済学で学位を取った後、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で1975年に博士号を取得。同年国防省長官府に任用される。専門は軍事史、軍事戦略研究、安全保障論。著書は約20ヵ国語に翻訳されている。邦訳には『クーデター入門』(徳間書店)、『ペンタゴン』(光文社)、『アメリカンドリームの終焉』(飛鳥新社)、『ターボ資本主義』(TBSブリタニカ)、『エドワード・ルトワックの戦略論』(毎日新聞社)、『自滅する中国』(芙蓉書房出版)、『中国4.0』(文春新書)、『戦争にチャンスを与えよ』(文春新書)がある。

「2018年 『ルトワックの”クーデター入門"』 で使われていた紹介文から引用しています。」

エドワード・ルトワックの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×