- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864363433
作品紹介・あらすじ
プロインタビュアー吉田豪のこじらせた漫画家インタビュー集。
『人間コク宝』シリーズの最新作にして、初のサブカル版。
登場する漫画家さんは、花沢健吾、福満しげゆき、浅野いにお、古泉智浩、若杉公徳、泉晴紀、佐藤秀峰、福本伸行、板垣恵介、 小池一夫、小林よしのり、古屋兎丸、川崎タカオ、カラスヤサトシ、地下沢中也、村上和彦、杉作J太郎。目次イラストに、テリー・ジョンスンを起用。
感想・レビュー・書評
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吉田豪の漫画家たちへのインタビュー。
漫画家は基本的にモテなくて、そのモテないことを克服したタイプと、そのまま引きずっているタイプがいる。という切り口で皆にインタビューしている。
なので、漫画について語ってもらうというよりも、漫画家たちの恋愛観から、その人のキャラクターに迫るような感じ。
中高時代には日陰でくすぶっていて、アシスタントの時も同様、漫画家として有名になってきたら、突如モテ始める。というのが皆の傾向。
正直、この切り口自体はどうでも良いかなと思うけど、それぞれの漫画家のキャラクターが引き出しやすい(あえて漫画の話をしないことで)のが面白い。
漫画家から漫画を抜いて質問するので、皆、凄い人に見えないところが。ただの人間として身近に感じられる。
福満しげゆきとカラスヤサトシの応酬など。
エッセイ漫画系の戦略のようなものも垣間見れて面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読了。
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「プロインタビュアー」の吉田が、濃ゆ~い人々にディープなインタビューをする『人間コク宝』シリーズの最新刊。タイトルのとおり、今回はインタビューイが全員マンガ家(1人はマンガ原作者)である。
登場するのは、花沢健吾、福満しげゆき、浅野いにお、古泉智浩、若杉公徳、泉晴紀、佐藤秀峰、福本伸行、板垣恵介、 小池一夫、小林よしのり、古屋兎丸、川崎タカオ、カラスヤサトシ、地下沢中也、村上和彦、杉作J太郎といった面々。
見てのとおり男ばかりで、しかも一癖も二癖もある人ばかり。
過去の『人間コク宝』シリーズには、アウトロー系というか無頼系というか、男臭くてアブナイ面々が登場することが多かった。しかし、今回は一転して「童貞をこじらせた」サブカル系マンガ家が多い。アウトロー系と言えるのは板垣恵介と極道マンガの村上和彦くらいで、この2人はむしろ本書の中では浮いているのだ。
その意味で本書は、これまでの『人間コク宝』シリーズよりも、むしろ『サブカル・スーパースター鬱伝』に近いといえる。
過去の『人間コク宝』シリーズのような、仰天エピソードが連打される面白さはあまりない。武勇伝のたぐいより、各人の童貞時代の脳内妄想や、悶々としたイタい青春に光が当てられるからだ。
《女の子にモテないと漫画家になりやすいんです。なぜならば、女の子にモテてたら漫画なんて描いてられないんですよ、あんなコツコツしたこと(笑)。》
――これは福本伸行の発言だが、登場するマンガ家の多くが「非モテ側」に属する人なのである。
また、創作の舞台裏がテーマになるわけではないので、マンガ家志望の若者が読んで役に立つような本でもない(たとえば小林よしのりの回など、作品の話よりAKBの話のほうがメインw)。それでも、登場するマンガ家のファンなら一読に値するインタビュー集ではある。
それにしても、どこか歪んでいてめんどくさい人の多い業界だなあ。本書の中では小池一夫がいちばんマトモに見える。とくに、福満しげゆきと花沢健吾の歪みっぷりには唖然。 -
漫画ファンかつ、サブカルにも少し憧れていたということで勢いで買ってしまった。インタビュー集なんで枕元に置いて、ちびちび読んだ。なかなかこじらせた人達が多くて面白かった、福満しげゆき面倒過ぎw
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最近漫画(青年誌)を読んでないのがよくわかった。インタビューを受けている漫画家のうち半分以上知らないし、知っていても読んだことない人が4分の3くらい。それとも、特殊な作家さんしか選ばれていなかったのだろうか。とはいえ、インタビューの内容は秀逸で一回読んでみるべ、と思わせるものでした。
海猿の作画されている作家さんもインタビューされていたけど、そりゃこんな性格の人だったらあんな騒ぎにはなるかなと。 -
プロインタビュアー、吉田豪の本領が発揮された一冊。好きな漫画家のことはより好きに、そうでなかった漫画家にも興味を持ちました。