国語が変わる 答えは「探す」から「創る」へ わが子の学力を伸ばす方法

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  • 水王舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864700405

感想・レビュー・書評

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  • 論理構造をものすごくすっきり説明していたり、論理力の具体的な伸ばし方が書かれていて勉強になった。しばらくは、国語に関わる本ばかり読み漁ろう。学びの全ての根幹は、ここにある気がしてならない。

  • 本著によると、論理力は入学前に絵本の読み聞かせや論理トークを通じて、入学後は文章の3つの構造を意識して読むことで育むことが可能だという。3つの構造とは、イコールの関係、対立関係、因果関係を指す。
    これらは、接続詞からどの関係なのか判別できるため、使いこなすのに難しくはないと思った。我が子に教える前に、まずは自分が意識していきたい。

  • 後半は出口先生流の、読解術でした

  • 初めて山口先生の著書を読みました。山口式はすでに広く知られたメソッドになっていることを読み終えて知りました。
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    マークシートの選択式から、記述式になると、クリティカル(論理的)な思考が求められる。一文は、要点と飾りでできていることを念頭に入れ、一番簡素化した主語+述語を見出す。これに目的語を足した要点を捉えながら、飾りを取ったり、つけたりできるように、構造をシンプルに捉えること。

    論理展開としておさえるべきは、以下の三つ。
    ①イコールの関係:つまり?たとえば?
    ②対立関係:しかし?、それに対して?
    ③因果関係:だから?なぜなら?

    論理的な思考を育むために、親は子供の話を5w1hで広げて、深ぼって、自分で話を組み立てる機会をつくるのが良い。
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    まずは上記のポイントを意識して、子育てに活かします!

  • 2020/12/04:読了
     この本は面白かったし、勉強になった。
     仕事でも参考になりそうで、
     何度も読み返してみて良い本だった。

  • これまで言っていた話の焼き直し

  • 2度目の読了。国語教師として、目の前の海の進むべき道筋を照らしてくれる灯台の光を探す気持ちで手に取った。国語はどうなっていくのか、そして自分は何をしていくべきか、なかなかスパッと答えは出ない。ただ変わる流れに逆らっていては、取り残されることだけは分かっているつもり。

  • 日本で実施された教育改革は「ゆとり教育」を
    皮切りに、ほぼ失敗に終わっています。
    また学びの最高学府である大学生の、
    平均学習時間は39分、世界最低になっています。
    中高生7割が①将来を悲観し、半数以上が②自己肯定感が低いという
    調査結果もあります。

    日本の教育は、世界的に見て、もっとも悲惨な状況になっています。
    教育改革の最大の問題は、文部科学省が改革を担っていることに尽きます。
    少なくない現場の教師が、「教育改革」を、どこか他人事としてしか見ていないのは、
    かなりの確率で失敗するとわかっているからです。

    出口氏は、元現代文の予備校講師で、多くの学生の国語力を上げた実績がある方です。
    近年は社会人向けの論理思考入門書を執筆しています。
    また、論理力養成に当たって、「早ければ早いほど良い」という、
    現場経験からの確信もあり、幼児教育の分野にも積極的にかかわっています。

    氏が言う論理力とは、言いかえると、日本語の論理的運用能力です。
    日本語の規則を熟知し、接続詞の機能(比喩、対比、順接など)を、
    しっかりと使えるようにするものです。

    そして、第三者に向けて、筋道をつけて伝えることを主軸とした、
    教育メソッド(論理エンジン)を紹介しています。
    私自身も、取り組んだことがあります。
    非常に良くできたメソッドだと思います。

    2020年の学習指導要領の改正によって、問題解決能力の獲得が「新しい学力」
    として重要視されています。クリティカルシンキングという、
    以前の試験形態では行っていなかった多面的に物事を批判的に捉える能力も重視されるようになります。

    氏は、この著作で、どうしたらクリティカルシンキングを育成できるかという視点で、
    論理力がその重要な基礎的能力となると指摘しています。

    私も氏の意見には、全面的に賛成です。ただ、冒頭で話した今の教育の状況を変えるまでには、いかないと思います。
    なぜ、ここまで日本人の若者は、学習を嫌い、自分を嫌悪するのか、これは非常にややこしく、根が深い問題です。

    氏はこの著作で、日本の国語教科書には、「思想」がなく、ただ名文を集めただけの教科書と言っています。
    実は、この意見は、非常に逸脱で、普通の教師が、なかなか言えることではありません。
    これは、私の推測ですが、氏は、日本の教育の欠点が、「思想」と「論理」がないことを見抜いているんだと思います。
    海外のどの国の教育にも、思想と論理があります。
    不思議ですが、日本には、この二つが全くありません。

    ※ちなみに、氏の曾おじいさんに当たるひとは、
    出口王任三郎という戦前に信者数百万人はいたと言われる大本という新興宗教の教祖です。

    思想は個人に規範を与え、論理は個人に動機を与えます。 
    教育において最も重要な要素が欠けている中で、
    教育改革を行う必要性があるのか、改めて考える必要があると思います。
    一度、文部科学省のHPを覗いてみてください。
    今回の教育改革に、思想性と論理性が全くないことがわかります。

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著者プロフィール

関西学院大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。
広島女学院大学客員教授、論理文章能力検定評議員、出版社「水王舎」代表取締役。
現代文講師として、予備校の大教室が満員となり、
受験参考書がベストセラーになるほど圧倒的な支持を得ており、著書累計数は1300万部を超える。
また「論理力」を養成する画期的なプログラム「論理エンジン」を開発、
多くの学校に採用されている。
著書に『出口汪の「最強!」の記憶術』『出口のシステム現代文』
『子どもの頭がグンと良くなる!国語の力』『芥川・太宰に学ぶ 心をつかむ文章講座』(以上、水王舎)、
『出口汪の新日本語トレーニング』(小学館)、『出口汪の「日本の名作」が面白いほどわかる』(講談社)
『ビジネスマンのための国語力トレーニング』(日経文庫)、『源氏物語が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)、
『頭がよくなる!大人の論理力ドリル』(フォレスト出版)、『やりなおし高校国語・教科書で論理力・読解力を鍛える』(筑摩書房)など。
小説に『水月』(講談社)がある。

「2019年 『何が教育をダメにしたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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