- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864723770
作品紹介・あらすじ
悩める患者の心を音楽で癒す心療内科「のどか音楽院」。その院長・長閑春彦は春の海のように穏やかな青年だ。だが、実は人の心に秘められた楽曲を聴く能力を持っている。ポップスからクラシックまで流れてくる一曲を手掛かりに、長閑は患者の隠された不安や迷いの原因を解きほぐしていく。やがて、長閑自身の哀しい過去も明らかになって…。切なくて、あったかくて、音楽がもっと好きになる連作ミステリー!
感想・レビュー・書評
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曲がりなりにも心療内科で、女子高生が周辺調査するの…?とかなりひっかかったけど、まぁ概ね好き。表紙がとてもキレイ
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本人も知らない、その人の心の中で流れている楽曲を聴くことができる心療内科医が、曲を処方することで患者を癒すお話です。彼に関わった女子高生の視点で連作短編の形で話は進みます。心療内科医の長閑はのほほんとしているようで本当に患者のことを思う優しいお医者様で人との関わり方がとても素敵でした。ただ一番肝心なそれぞれの患者の曲目が知っている曲でも原因と結びつけるのにぴんと来ないものが多くて残念です。特に最後に明らかになった過去の出来事は事件も曲も痛々しすぎです。目の付け所はいいのに勿体ないというのが正直な印象です。
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単身赴任の父が戻った頃から、母は原因不明の胃痛。
診察に行ってきたその日、主人公が帰宅したら
母はヘビメタで踊り狂っていた。
どこの診療所に行こうとも、帰宅して最初に見た母親が
こんな状態なら、驚きで二度見三度見するでしょう。
そんな始まりから、連続短編5話分。
患者の心が音楽で聴こえるという、摩訶不思議現象。
日常がつまらない! と学校もさぼっていた主人公が
せっせと非日常のために、そこでバイトしています。
見ようによっては、人の不幸を楽しみにしている、とも
考えられる主人公です。
個人情報云々の前に、どう考えても患者の前には
立たせることができないタイプ。
母親、望まれている自分と望んでいる自分
結婚相手の問題、昔の辛い思い、そして最終は
ここまで大事になる前に、誰も裏を取ってない? な
報道陣の山、な話。
現実なら、大変な穴がある報道陣ですが。
むしろ記事に載せられた人から訴えられたら
どうするつもりだったのでしょう。
最後には、先生が何故曲が聴こえるようになったか
ちらっと分かりました。
後、看護師さんの事も…。