落語家、はじめました。青葉亭かりんの謎解き高座 (TO文庫)

著者 :
  • TOブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864724180

作品紹介・あらすじ

夢破れ、失意のドン底だった女子が出会ったのは、落語!勢いで弟子入りし、青葉亭かりんという名で懸命に修行する中、ある日、寄席で一人だけ全く笑わないおばさんを見つける。クールなイケメン兄弟子・舎林の助けを借りて、その謎を探ってみると、思わぬ真相が-。事件解決のヒントは毎回、落語の中に隠されている!?夢、恋、挫折、そして失踪したかりんの父を辿るドラマに、笑えて泣ける人情ミステリー!!

感想・レビュー・書評

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  • なんと言っても、円紫さんがいるからなあ、そして落語を題材にしたミステリー、先行作品もかなりの数になったなあ、と思いながら読みました。
    楽しく読み終えたので、よい作品だったと思います。
    登場人物はなんというか淡い雰囲気で、特殊な世界を題材にしながら、あまりその特殊感が強調されず、それが、主人公の悪戦苦闘ぶりをふんわりと伝えているのかな。
    兄弟子二人のキャラクターは今後育っていくのだろうか。
    そのほか、今後を大いに期待させるところの多い作品でした。
    この小説とは話が別ですが、「たちぎれ線香」は何度聞いても、涙が落ちます。素晴らしい噺ですよね。

  • 書き下ろし文庫本。
    古典落語のストーリーが謎解きのヒントになるわけやなくて、
    「その事件、〇〇っていう落語みたいやな」っていう。
    主人公の女の子の兄弟子にあたる男前のキャラクターがようわからんままなので、
    たぶん、2巻も出るんやろうなぁ、と推測。
    収録のストーリーでは第3席の「崇徳院」がよかったかな。

  • 20151004
    このタイプのお仕事ミステリに
    落語だ〜ってなって、読んでみた。
    落語ミステリ、なんだかんだ好きなので。

    主人公が女性、漫才師からの転身での新米落語家で、上方落語、というのはわりと新しく、上方落語の舞台裏が新鮮だった。
    いいよね、上方落語。

    普通に面白く読めたので、読んでみてよかった。

  • もともと落語好きの子なのかと思ったら、漫才師志望だった子なんだ。
    謎解きだけでなく、落語については全く知らないので興味深かった。

  • 伽古屋氏、初読み。
    落語が題材ということで気になって読んでみた。

    ミステリー感は極小だけど、最近はそういうほうが好みかも。
    前向きなストーリーで楽しく読めました。

    会話のテンポも含め文章の相性が良さそうなので、
    他の作品も読んでみようかなと思える作品でした。

    ただこの作品に限らず、アニメな表紙カバーはどうにも好きになれないなぁ…

  • 続けて伽古屋氏の作品を読了。
    今度は駆け出しの落語家が主人公(^ ^
    もちろん、健気でおぼこい女子(^ ^

    前回は古本屋さんが舞台で、
    ストーリー運びが名作文学になぞらえていた。
    今回は、当然古典落語の筋立てに沿った話が中心で。

    私には馴染みが薄い上方落語の世界が舞台で、
    出てくる噺も上方でよく演じられているものらしく、
    知らないものが多かった。勉強になった(^ ^
    上方落語が、一時期そんなに「衰退」していたとか、
    全然知らなかった「史実」も織り交ぜられていて。

    連作短編集で、一話ずつうっすらと謎解きもしつつ、
    一冊通してのテーマというか筋立てもある。
    読んでて、主人公の成長を応援したくなるし
    温かく見守ってあげたくなる。

    読んで素直にほっこりできる佳作(^ ^

  • 漫才師になる夢破れて落語と出会い落語家を目指す香乃が、日々の修行の中で出会う謎を兄弟子舎林の助けで探る。毎回落語の話に絡めたストーリー、ドラマ「タイガー&ドラゴン」みたい。落語界の東京と上方の違いや落語の話も語られて興味深かった。シリーズ化したらいいのに、してないのかな。

  • この年で買うにはかなり恥ずかしい表紙だけど、「落語家」に釣られて購入。著者はきっと相当若い人だろうと思ったら、1972年生まれで意外。漫才をあきらめて落語家を目指すことにした女性が主人公。日常に起こるちょっとした事件の謎が落語の中に隠されているという、「人情ミステリー」の触れ込み。『鬼あざみ』『星野屋』『崇徳院』『一文笛』『たちぎれ線香』で構成されています。表紙どおりにかなり軽く、落語を無理やりくっつけた印象が否めません。

  • ものすごいミステリーというよりも、主人公の青春物語といった方があっている。日常の謎解きミステリーといった要素は、皆無である。大阪×落語=人情といったところかな。そこそこ期待してので、がっかり。。。

  • お笑いの道を諦め、落語の世界に飛び込んだヒロインが不可思議な謎に遭遇する連作ミステリ。既に飽和状態ともいえる落語ミステリのジャンルにおいて上方を舞台としているところに独自性が見出せます。また、そうした現状を踏まえて読者の“にわか知識”がかえって真相看破を遠ざける第1話、全体の構図をほぼほぼ明かしつつも絶妙に視点をズラしてくる第2話など、ミスリードの巧さに感心させられました。前半に比べると後半がいまいち奮わないこと、古典落語のストーリーありきで謎を組んだ出来すぎ感は否めませんが、及第点には達しているのではないでしょうか。

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著者プロフィール

1972年大阪府生まれ。公務員退職後、『パチプロ・コード』で第八回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し2010年にデビュー。

「2017年 『散り行く花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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