スター・ウォーズ カタリスト 上

  • ヴィレッジブックス
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864913355

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻まとめてレビュー「ライラの苦労話」
     映画ローグ・ワンとセットで読むのは、背景の補足となりStar Warsファンにとっては醍醐味がある。しかし劇的な展開はないため、単独で読むなら平凡な話である。
     ヴァルトでジン・アーソが生まれる直前(22BBY)から、ラ・ムーに逃げるまでを描いている(17BBY)ため、ジンの活躍は一切ない。
     ゲイレン・アーソをオーソン・クレニックがデス・スターの兵器(リアクター・ビーム)に携わらせようとする話と、クレニックとウィルハフ・ターキンの確執の話の大きな2つの流れからなっている。クレニック/ゲイレン/ライラ・アーソ間の心理戦のような内容や会話がとても多い。
     その心理戦の中で、ライラがひたすらゲイレンを目覚めさせようとし、本作の主人公ともいえる。ゲイレンは研究一辺倒なため、クレニックに利用されていることも後半やっと気づくようでライラは苦労した。兵器開発に利用しようと企むクレニックとのやり取りが、ローグ・ワン冒頭で過激な行動に走らせたことが納得できる。ライラはフォースを信奉しており、フォースがもっと強く関わるような設定であれば、ゲイレンをもう少し早く離脱させられたかもしれない。
     ゲイレンは、リアクター・ビームのためとは知らず、エネルギー源の開発でカイバー・クリスタルを使用する。フォースに影響されるようでいながら強く感じることができないライラやゲイレンのためか、カイバー・クリスタル自身の説明はあいまいだ。
     ターキンがクレニックの台頭を抑えるために、デス・スターの完成が遅れても仕方なしと思ったことは異常に思えた。意識しすぎであり、ターキンの冷酷さがあれば、あまり心配しなくても良かったはずだ。
     クレニックによるポグル・ザ・レッサー大公の利用を始め、デススターの建設にジオノーシアンがかなり駆り出されていた背景がよく分かった。それにしても20年もかかったとは何と建造規模が大きかったのだろう。よく分からなかったのが、焦点調整ディッシュが完成してデススターに装着されたと記述があることだ。ローグ・ワン中でターキンが装着されている様子を見ているシーンがあり、矛盾しているが、別物なのか?
     ソウ・ゲレラも登場することで期待していたが、モン・マスマから過激と評されていた活躍がないのが残念だった。アーソ一家をコルサントから脱出させてラ・ムーに連れて行く、お約束のシーンは描かれていた。ソウのスピンオフが出ることを期待する。
     初めにクレニックに雇われて利用され、ソウへ加担したハズ・オビット。最後にターキンから2重スパイを命じられたハズだが、クレニックやターキンにアーソ一家が見つからない報告をし続けるのは困難だろう。結局報告することになってしまい、ローグ・ワン冒頭でクレニックがラ・ムーに向かった(13BBY)のかもしれない。

    ※2017.5.4注文@amazon
     読了

  • デス・スター建造計画の全容を描く『ローグ・ワン』の前日譚。ジン・アーソの父、ゲイレンと盟友クレニックの過去編であり、新三部作でチラ見せした巨大兵器が如何にして出来上がったかを『CW』も踏まえ新たな解釈で記すSW史におけるターニング・ポイントとなる物語です。天才でありながら内気で社会生活不適合なゲイレンと彼を支える妻の平穏を願う心も空しく“戦争に見つかって”しまったが故の悲劇。冷徹に友を利用するようで他人に見せない素を晒け出し、誰より理解し合うゲイレンとクレニックの関係が映画を観た後では余計に辛い。

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