スター・ウォーズ カタリスト 下

  • ヴィレッジブックス
3.67
  • (0)
  • (4)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 21
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864913362

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 上下巻まとめてレビュー「ライラの苦労話」
     映画ローグ・ワンとセットで読むのは、背景の補足となりStar Warsファンにとっては醍醐味がある。しかし劇的な展開はないため、単独で読むなら平凡な話である。
     ヴァルトでジン・アーソが生まれる直前(22BBY)から、ラ・ムーに逃げるまでを描いている(17BBY)ため、ジンの活躍は一切ない。
     ゲイレン・アーソをオーソン・クレニックがデス・スターの兵器(リアクター・ビーム)に携わらせようとする話と、クレニックとウィルハフ・ターキンの確執の話の大きな2つの流れからなっている。クレニック/ゲイレン/ライラ・アーソ間の心理戦のような内容や会話がとても多い。
     その心理戦の中で、ライラがひたすらゲイレンを目覚めさせようとし、本作の主人公ともいえる。ゲイレンは研究一辺倒なため、クレニックに利用されていることも後半やっと気づくようでライラは苦労した。兵器開発に利用しようと企むクレニックとのやり取りが、ローグ・ワン冒頭で過激な行動に走らせたことが納得できる。ライラはフォースを信奉しており、フォースがもっと強く関わるような設定であれば、ゲイレンをもう少し早く離脱させられたかもしれない。
     ゲイレンは、リアクター・ビームのためとは知らず、エネルギー源の開発でカイバー・クリスタルを使用する。フォースに影響されるようでいながら強く感じることができないライラやゲイレンのためか、カイバー・クリスタル自身の説明はあいまいだ。
     ターキンがクレニックの台頭を抑えるために、デス・スターの完成が遅れても仕方なしと思ったことは異常に思えた。意識しすぎであり、ターキンの冷酷さがあれば、あまり心配しなくても良かったはずだ。
     クレニックによるポグル・ザ・レッサー大公の利用を始め、デススターの建設にジオノーシアンがかなり駆り出されていた背景がよく分かった。それにしても20年もかかったとは何と建造規模が大きかったのだろう。よく分からなかったのが、焦点調整ディッシュが完成してデススターに装着されたと記述があることだ。ローグ・ワン中でターキンが装着されている様子を見ているシーンがあり、矛盾しているが、別物なのか?
     ソウ・ゲレラも登場することで期待していたが、モン・マスマから過激と評されていた活躍がないのが残念だった。アーソ一家をコルサントから脱出させてラ・ムーに連れて行く、お約束のシーンは描かれていた。ソウのスピンオフが出ることを期待する。
     初めにクレニックに雇われて利用され、ソウへ加担したハズ・オビット。最後にターキンから2重スパイを命じられたハズだが、クレニックやターキンにアーソ一家が見つからない報告をし続けるのは困難だろう。結局報告することになってしまい、ローグ・ワン冒頭でクレニックがラ・ムーに向かった(13BBY)のかもしれない。

    ※2017.10.1購入@ジュンク堂那覇店
     読了

  • いよいよ本格的に動き出すデス・スター計画。『EP3』直後でなく帝国樹立から少し経った17BBYの物語なのが新鮮です。軍事転用されると知らず研究にのめり込むゲイレン、ライラの排除を目論むクレニック、叛乱を決意するハズとそれに相対するターキン――。いくつもの思惑が交錯し『ローグ・ワン』へと続いていく。バリバリの好戦派であるソウと学者肌であるアーソ家の繋がりはそういう経緯だったのか。

全2件中 1 - 2件を表示

ジェームズ・ルシーノの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×