塩とコインと元カノと――シャドウライフ

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865001495

作品紹介・あらすじ

あやしい。お迎えが妙に早すぎる。そっちがその気な打つ手は選ばん。――比類なきグラフィックノベル
 「こんなところで生きたくはない」。娘たちにケアつきホームに入れられてしまったクミコは76歳の日系カナダ人、夫はとうに亡い。よかれと思って決めてくれたのだからと一度は従ってみたものの、ひそかに逃げだしてイースト・バンクーバーの街なかに小さな部屋を借りた。長女とはメールで連絡をとっているものの、住所は明かしていない。
 部屋を自分好みにしつらえ、食べたくなったものを食べ、公営プールで泳ぐささやかな楽しみを満喫するクミコを狙い、ケアホームからあとをつけてきたのは「死の影」だった。
 死神の子分として働く「影」がクミコを連れ去るべく押し入ってきたその日、気楽な日常は一変する。持ち前の頭脳、ユーモアのセンス、新しく得た味方たち、昔なじみとの絆――すべてを動員して生きるための闘いが始まったが、老いの身でいつまで運命に抗えるだろうか?

【原著推薦文】
「人が老いていくということを、そして、精いっぱい生きる日々の喜びとままならなさとを見つめるその観察眼は、人々の内部に息づいていた感情をよびさます。読み終えたあとも心の片隅に食いこんで、あなたと共に長く生き続ける。そんな物語だ」――ジェフ・ヴァンダミア(『全滅領域』シリーズ他)

「ヒロミ・ゴトーの物語には類例がない。超自然を書きながらすさまじく人間くさく、神話や伝説を扱いつつもしっかりと今、ここに根をおろしている」――ジリアン・タマキ(『THIS ONE SUMMER』他)

感想・レビュー・書評

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  • グラフィックノベル「塩とコインと元カノと シャドウライフ」 76歳女性の道程、「死の影」に対抗|好書好日(2023.03.10)
    https://book.asahi.com/article/14854545

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    塩とコインと元カノと | 生活書院
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  • 優れた容姿も体力も頭も経済力もメンタルもない。笑ったりくしゃみしたりしたら尿漏れを起こす冴えない高齢女性。こんな主人公の物語を待っていた。

    偏屈で頑固なおじさん、おじいさんの物語はたくさんあるにおばさん、おばあさんは殆どない。アジア系になれば尚のこと。セクシャルマイノリティなら尚のこと。
    おじさん、おじいさんのキャラクターのバリエーションとおばさん、おばあさんのバリエーションを比べて欲しい。アクション作品で男性は少年から高齢者まで登場する。女性は?いくつかあるよ?で、作品数は?と突きつけてくる。

  • 不思議なお話でした。なんだか元気がでるお話でした。
    じっくり眺めて感じたいお話でした。
    ニキリンコさんの訳がとても好きです。
    ヒロミゴトーさんの他の作品も読みたいと思いました。

  • 日本人だとわかる部分と日本人でもわからない部分と。初めて出会った世界。

  • 旅先の図書館にて。日系の人が書いた、海外のコミック。カナダに住む日系の高齢女性が死神を掃除機に閉じ込めたり、死にそうになったりする話。高齢になった時に娘達に心配されて自由に生きられない、というのはありそうだ。まぁ私に娘はいないけど。母はいるけど、こんなに心配しないだろうなぁとは思う。やっぱ腎臓をもらった負い目が長女にあるんだろうか。バイセクシャルとかさらっと出てきて、日本とはやっぱ文化が違うなと思った。塩をかけるのは日本的だけど。多分。あとがきに原作者の方が欧米でアジア系の高齢女性が主人公の小説が少ないとあって、日本自体でも少ないもんなと思った。図書館で出会わなきゃ絶対読まない本。

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著者プロフィール

Hiromi Goto
1966年千葉県に生まれる。3歳になる直前に家族とともにカナダに移住。
1994年、カナダで生きる日系人家族を描いた『コーラス・オブ・マッシュルーム』でデビューし、コモンウェルス処女作賞および加日文学賞を受賞。第2作The Kappa Child (2001)でジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞を受賞。現在は、グラフィック・ノベルおよび短編を発表し、創作インストラクターとして、ライター・オブ・レジデンス、ワークショップなどで活躍。彼女の作品は若い世代に人気があり、フランス語、ヘブライ語、イタリア語およびトルコ語に翻訳されている。

「2015年 『コーラス・オブ・マッシュルーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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