わたしを変える“アートとファッション" クリエイティブの課外授業

  • パルコ
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865060072

感想・レビュー・書評

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  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784865060072

  • VACANTの講座を収録したもの。内容は「90年代以降のクリエイティブファッション」「ヨーゼフ・ボイスと社会彫刻」「奈良美智と村上隆が越えてきたもの」「雑誌『オリーブ』をめぐって」「大竹伸朗とその周囲」で、この5つの切り口がとても良かった。

    全員女性が語っている、というのも「わたし」にとってはとても身近に感じられた。

    「この一冊に込められたさまざまな知識の断片は、とぎれとぎれで、小さいかもしれない。けれども小さなかけらだからこそ、気づいたときには誰かの心の内側のどこかに、しっかりと組み込まれていくことが出できる。そして、それを受け止めた人たちがそれぞれの日々を営んでいくうえで、そのかけらはいつのまにか大きく育っていて、何かを変えていく可能性がある。」

  • 原宿VACANTで行われた講座を書籍化したらしい。
    「オリーブ少女」の展覧会は、金沢21世紀美術館で昨年見たので、非常にリアルタイムな話が満載。

    ヨーゼフ・ボイスの話が面白かった。
    人生後半のエコ活動、自然保護活動はあまり興味はないのですが、
    彼の作品でアプローチしているモチーフや考え方が個人的に凄く好み。
    脂を使った作品などは、ちょっとマシュー・バーニーを思い出した(マシュー・バーニーは蝋ですね)。

    ヨーゼフ・ボイスが日本に来訪した際の話を聞くと、やはりその当時の日本は遅れていたんだな、と感じる(遅れている、という表現は好きではないけど、そうとしか思えない) 敗戦からやっとのことで高度経済成長期、バブル時期を迎えた日本だから仕方ないとはいえ、ヨーロッパ・ドイツで過ごしたボイスは既に、そうしたバブル・物質的主義を通り抜けて、新たなステージにいたんだな、と感じた。

    あとは、村上隆と奈良美智についての章も楽しみにしていて、それなりに面白かったんだけど、私には奈良美智がなぜこんなに人気があるのか全くわからない。本人は好きだし、絵もかわいらしいとは思うけど、
    そんなに安直に受け取ってよいの?と疑問に思う。確かに絵画的手法としても素晴らしいらしいけど、日本の若手層ではエモーショナルな受け止め方しかされてない気がする。今回の章でもハッキリと奈良さんに対しての批評はされていない。美術批評を買って読んだけど、それも同じだったな。ちゃんとした奈良美智論を読みたいですね。

    あと、オリーブ少女とか個人的に全くわからず、あのまたの名をアキバ系・またの名をサブカル系の、「レース」「可愛い」「ひらひら」とか、全然理解不能だったのですが、今回この本を読んで少し理解が出来ました。

    「考えてみれば、少女たちだけがひっそりと閉じこもった密室的世界は、「ひらひら」を生起させる磁場として、ふさわしかったかも知れない。何故なら「ひらひら」には、リボンやフリルのゆれる動きがその典型であるのだが、絶えず境界を移動させる自在さはあっても、宙空高く飛翔する自由さはないのだから。ゆり動かされた動きには、間もなく静まる時が訪れるのだ。なにしろ、ふとした身じろぎや、風の戯れで起こる「ひらひら的」な動きは、幻に似たはかなさを性としてをり、肉体のひろがり、自由への憧れは表現してはいても、それらは、所詮、「束の間の夢」であり、「虚なるもの
    に過ぎない。それだからこそ、「ひらひら」は、実利と結びつかぬ少女たちの憧れや実態を持たぬ幼い媚態と、見事に照応試合、交響し合ったのであろう。そして、目に鮮やかな「リボンとフリル」の動きと、おだやかな「繭の中のまどろみ」が、矛盾なく重なり合う「少女の時」の不思議さは、こうして出現することになる。
    (本田和子「異文化としての子ども」ちくま文芸文庫)

    本田さん、初めて読みましたが文章が魅力的で的を得てますね。

  • とっても刺激的な内容です。。。

    PARCO出版のPR
    「原宿のイベントスペース「VACANT」で開催している「VACANTの課外授業」。
    メディアや学校教育で教えてくれない授業内容が好評を博する話題の講座が一冊の本になりました。
    過去と現在を俯瞰的に実証するカルチャーシーンの解説書、新時代のクリエイティブのヒントにつなげるための参考書です。」
    VACANT
    http://vacant.n0idea.com/

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著者プロフィール

林 央子(はやしなかこ)

編集者、ライター、キュレーター、リサーチャー。ICU卒業後新卒で1988年資生堂に入社。以来、2001年に退社するまで、花椿編集室に所属。フリーランスになってからは雑誌などに執筆するかたわら、02年に『here and there』を創刊。96年「Baby Generation」展や14年「拡張するファッション」展のように、出版物に端を発した展覧会の創出に携わってきた。 著書に『拡張するファッション』『つくる理由』、編著に『拡張するファッション ドキュメント』、訳書に『エレンの日記』などがある。2020年~2021年にロンドンのCentral Saint Martinsの修士課程でExhibition Studiesを学んだ。

「2023年 『わたしと『花椿』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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