自殺直前日記 改 (鉄人文庫)

著者 :
  • 鉄人社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865371468

作品紹介・あらすじ

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  • 漫画家・山田花子さんの死の直前まで綴られた日記をまとめたもの。山田花子さんは『完全自殺マニュアル』で知っている程度で彼女の作品はちゃんと読んだことがないのですが、本書を読んで漫画も読みたくなりました。日記に綴られている言葉はどれも共感できるものばかりで、読んでいて苦しくなるほどです。徹底的に厳しく自己の内面を見詰め、外界の世界を鋭く観察する眼は一種の才能ですらあると思います。でもその鋭さが彼女を刺し、死へと追いやってしまった。残念でなりません。また再読したい本。

  • 自殺前の日記はえっと思うほどの内容だ。いや、これほど希薄だからこそ、死に向かったのだろう。厚い思索があるときは死なない。

    それ以後の日記はハッとさせられる。本当のことを言ってしまっているのだ。

    ・「自分を信じることが大切」というが、まず自分を疑うことが実は大事なのだ。
    ・「趣味」で友人を選ぶな。大人か子供かで選べ。
    ・自殺は悪くないってことになると、今度はもういじめる相手がいない最底辺から順番に自殺してしまい、社会が成り立たなくなってしまうので、この世は自殺は罪悪という常識を作っている。
    ・悩まなければ人になれないのに、他人に言うと、あんまり悩まない方がいいと言われる。そうか、悩まない方がいいのか、と思ってしまうので、問題が永久に解決しない。
    ・自分を見失いそうになったら、状況を物語に書き出してみよう。客観的に状況を把握できるよ。

    ※お父さんの後書きが批評として屹立している。西村賢太の解説は、日本語が美しい。

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著者プロフィール

山田 花子(やまだ はなこ、1967年6月10日 - 1992年5月24日)は、日本の漫画家。本名、高市 由美(たかいち ゆみ)。旧筆名は裏町かもめ、山田ゆうこ。実妹は漫画編集者の高市真紀。
自身のいじめ体験をベースに人間関係における抑圧、差別意識、疎外感をテーマにしたギャグ漫画を描いて世の中の矛盾を問い続けたが、中学2年生の時から患っていた人間不信が悪化、1992年3月には精神分裂病と診断される。2ヵ月半の入院生活を経て5月23日に退院。翌24日夕刻、団地11階から投身自殺。24歳没。
著作に『神の悪フザケ』『嘆きの天使』『花咲ける孤独』『魂のアソコ』『からっぽの世界』『自殺直前日記』がある。

「2018年 『自殺直前日記 改』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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