シークレット・オブ・ザ・タロット 世界で最も有名なタロットの謎と真実

  • 株式会社フォーテュナ
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865380552

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、タロット世界の定番中の定番、ライダー版タロットの製作者2人にスポットライトを当て、その制作秘話に迫る一冊。とりわけ、作画担当のパメラ・コールマン女史について、現存する歴史的資料にあたりながらその生きざまを模索し、ミステリー調さながらのなぞ解きの作品に仕上がっている点が面白い。
    ライダー版タロットが現代のタロットに与えた決定的方向性として揺るぎない地位を確立していることは否めない。そのうえで、ではその思想的背景に、ウエイトとパメラが所属していたという「黄金の夜明け団」がどの程度影響を与えていたのか。それを主に同秘密結社内で上位の階級にあったウエイトが、より下位の階梯にとどまっており従って結社内の秘儀にあまり精通していなかったと思われるパメラにどのように伝え、指示を与えていたのか。そもそも具体的な秘儀に関する指示までパメラに与えていたのか。それとも、パメラの独創性に任せた部分が大きかったのか。本著の著者たちは、おそらく後者だろうと関係資料から推測し、その上で、パメラが本タロット制作事業に関わるまで長く密接に携わっていたシェイクスピア等の舞台設定、その衣装等のデザインの仕事に触れ、このイメージが78枚のタロットの大部分に多大なる影響を与えたであろうと結論付ける。そのうえで、いくつかの小アルカナの絵に関して、その謎ときの手がかりとしてシェイクスピアの作品を上げ、そのストーリー展開と当該小アルカナの絵の解釈とを結びつける。その発想は斬新であり、パメラに著者たちが注目してタロットを語った点と並んで本書の価値を高めてくれる。
    占いの手法を本書に求めるのは、その点で的外れである。本書は、現代タロットの源流ともいえるライダー版タロット1枚1枚を深く考察し、瞑想の手がかりとする手法を与えてくれるものと受け止めるべきだろう。

    ただ、本書の訳者によれば、著者たちの資料的不正確性、誤りが随所に見受けられると見え、そのたびに、細かい注釈が至る所に埋め尽くされていた。そのため、やや読みずらい感があったのは致し方ない。

  • 情報量が多くためになり面白い本。ただ訳註が膨大で容赦がなく、それだけで別に本が一冊できるのではと思うほど。こちらとしてはありがたいが、微に入り細を穿つ「ツッコミ」にきっと原作者は涙目なのでは。

  • タロットとヘルメティックカバラとの関係を理解するには重要な書籍。刺激的である。訳者の註釈の充実感に感動する。

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