文化系のためのヒップホップ入門3 (いりぐちアルテス010)

著者 :
制作 : 大和田俊之 
  • アルテスパブリッシング
3.88
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本棚登録 : 118
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865592146

作品紹介・あらすじ

大人気シリーズ、第3弾!

トランプ政権という踏み絵が誕生し、
ケンドリック・ラマーが脚光を浴び、
トラップがニューヨークすら支配し、
カニエ・ウェストが炎上し続けた──
そんな4年間(2015〜2018)のヒップホップ・シーンを
文化系名コンビが検証する!

シリーズ第1弾『文化系のためのヒップホップ入門』(2011)は、
「ヒップホップは音楽ではない」という独自の視点を打ち出し、
アメリカのヒップホップの歴史と聴き方を指南した画期的な入門書として、
ロングセラーを続けています。

2012年から14年までをとりあげた『2』(2018年刊)に続く本書では、
2015年から18年までのシーンを振り返るとともに(CDガイド付き)、
アフリカン=アメリカン研究の専門家で慶應大学准教授の有光道生さんを招いて、
オバマ政権下のアメリカ社会とヒップホップを論じた鼎談を収録しています。

感想・レビュー・書評

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  • おもしろー!

  • 政治的な見方が多いながらも読み物として面白かったが、音的についていけてない自分がいた。

  • シリーズ3冊読み終わった。しばらく現代の音楽シーンを見ていなかったけど、ヒップホップ中心とした見通しができた。

  • 1番HIPHOPのトレンドが体に合った時期がこの頃だったので(まだ数年前ですけどね…)読んでて面白かったし勉強になった

  • 2015-2018のUSヒップホップシーンを振り返るシリーズ3作目。近過去は一番振り返りにくいことなので、まとめ本があることで各年のトレンドを振り返ることができて勉強になった。「入門」となっているもののUS ヒップホップのトレンドを一通りなぞっていないと楽しむのは難しいかもしれない。ただ脚注の充実度が異常なのでサクサク読めるのが良いし、 ヒップホップ以外の人をヒップホップマナーで書いてあるところにニヤっとしてしまう(特に福沢諭吉が好きでした)日本のヒップホップの比ではないくらいに細分化していて、なおかつUSで一番聞かれているという音楽のジャンルという状態で歴史上ヒップホップが一番オモシロい時代だと思う。こういうガイドがあることで抜かりなく時代を把握して音楽を楽しみたい。
     目下最大級の話題となっているBLMについて深掘りしている点が一番この本で有意義だった。有光道夫というアフリカン・アメリカン・スタディーズで博士号を取った専門家を迎えながら対談形式で平易な言葉でBLMの流れを解説してくれている点がありがたい。オバマのある種の日和見主義なところを知れたし彼が大統領になったとしても打破できなかった。そこから差別主義者のトランプが大統領になって4年、もうどうにもならねーわという市民の感情が噴出している部分もあるのだろうなと思う。そこに共にある音楽はヒップホップ。ダイレクトなメッセージを発するケンドリック・ラマーよりもダークなトーンのアトランタのトラップこそが今のアメリカのムードなのだという話が言い得て妙だった。あと白人の黒人に対する嫌悪という心の差別という問題も勿論ありながら、それよりも社会構造が差別を生むようになっている背景について知れてよかった。(NETFLIXの13thというドキュメンタリーも合わせて見て理解を深めた)作中で語られていたタナハシ・コーツの「世界と僕のあいだに」は課題図書として近々読まねば。

  • アルバムではなくストリーミングな時代!
    そして音楽はじめようとした時に、ヒップホップがスタンダードになった時代。

  • 慶應大学での講義から、その年を象徴するヒップホップ語り合うシリーズの第三弾で、2015年から2018年までを紹介

    この頃あたりから音楽はストリーミングで聴くのが主流になり、そこにいちばんフィットしたヒップホップはものすごいスピードで動いてるのがわかる

    いまのヒップホップは、“ジャズのビバップからモードへの移行期間に似ている“って考えに納得
    やっぱりギャングスタとか80年代のヒップホップが好きだけどね

    アフリカ系アメリカ研究・慶應大学法学部准教授有光道生氏を迎えた鼎談「ブラックネスのゆくえ」がすごくおもしろかった

    トランプ政権下の人種問題は世界でも同じ

  • 本シリーズも3作目であり、今作ではオバマ政権末期~トランプ政権成立の2015-2018年を対象として、ヒップホップシーンの動向とそれが意味する含意を明らかにしていく。

    印象的なのは、明らかに音楽を届けるメディアとして、Spotifyに代表されるストリーミングサービスが主流となることで、
    ・Spotifyでは、楽曲再生のカウントの条件を「1分以上の再生」としているため、イントロを短くするなど楽曲の構造に変化がみられる
    ・アルバムを制作するにあたりCDのような物理メディア特有の録音時間の制限がなく、かつストリーミングではずっと流しっぱなしにされるのが理想であるため、アルバムの楽曲数が増加した
    というあたりは、メディアのフォーマットがどのようにコンテンツに影響を与えるかという点で興味深い。

  • ‪今やアメリカで最も聴かれる音楽ジャンルになったヒップホップ。しかしながら日本は自分も含めてまだまだチェケラ的な理解で止まっている部分があるように思う。最新の歌手・楽曲を紹介し、それがその時代のアメリカ社会をどう反映しているかの解説が知的好奇心をこれでもかと刺激してくれる。オバマからトランプへの変化がこんなにも様々な反応を生み出していたなんて。同時に日本芸能界の現状に一抹の寂しさも。‬

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著者プロフィール

1968年生まれ。ティーン・ギャング(ツッパリ)全盛時代に、東京のダーティー・サウス、町田市で生まれ育つ。90年代末からライター活動を開始。映画、音楽、文学からゴシップまで、クロスオーバーなジャンルでハスリングし続けている。著書に『インナー・シティ・ブルース』(スペースシャワーネットワーク、2019)、『サ・ン・ト・ランド サウンドトラックで観る映画』(洋泉社、2017)、『あたしたちの未来はきっと』(タバブックス、2017)、共著に『ヤング・アダルトUSA』(DU BOOKS、2015)ほか。

「2019年 『文化系のためのヒップホップ入門3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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