父と子の絆

著者 :
  • アルテスパブリッシング
4.23
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本棚登録 : 165
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865592283

作品紹介・あらすじ

ぼくは息子を腕に抱かせてもらい、
目の開いていないその子をじっと眺めた。
ようこそ。ようこそ。この世界へ。

「日曜日の昼に、生後七日目の赤ん坊がぼくの家にやってきた。
それから、人生がガラリと変わった」
──ひとり出版社・夏葉社を吉祥寺で営み、
著作にもファンの多い島田潤一郎が、
幼きものに寄せるあたたかな眼差しと言葉たち。

「泣かないで。ちゃんとまわりを見て。こんにちはと言って。
ありがとうと言って。ぼくたちの心の中には願いしかない。」
──本書「息子とサツマイモ」より

感想・レビュー・書評

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  • 私は島田さんの書く文章が大好きで関連書をよく読んでいる。この本からも、温かな父の目線や子への愛情、家族の考え方など飾らないが真っ直ぐな姿勢が見えてきた。子育てで苦労するパパママや家族の物語が好きな方におすすめな本です。

  • 父と子供というのは自分にとっては未知の領域なのですが、孫が出来てその一旦を知る事が出来ました。かわいいだけでは育てる事は出来ないけれど、限りなくかわいい無力な存在。
    その時々で大変な事が違うけれど、その大変さも乗り越えると大切な想い出に代わる事。色々思い出したり先を考えたりさせられる本です。

  • 実に良かった。
    何度か泣きそうになった。
    育児にほとほと疲れている人にぜひ読んでほしい。
    きっと我が子との時間を大切しなきゃと思うはず…。
    育児に疲れ果てているのは自分だけじゃないんだと、ほっとするはず…。

    子どもとの何気ない日々の中で思う、心のうちを綴っただけなのに、心が温まり、そして元気ももらえた。

    時折読み返したくなる本であること間違いなし。
    手元に置いておきたい一冊。

  • 独り身の自分に子育ての大変さを訴えてくる人はおらず、「こんなに大変だなんて誰も教えてくれなかった」という言葉に、やっぱりそんなに大変なんですね、と子育て中の友人に想いを馳せる。そして自分の親にも。お芋ばっかり食べてる息子を愛しく見ている親の気持ちを想像すると、そこらで遊ぶ子供たちもかわいくみえてくる。

  • 子を思う気持ち。
    でも子育ては、それだけで語れるほどスマートでも格好よくもない。
    眠かったり、思うようにいかなかったり、イライラしたり。 それでも、どうしようもなく愛おしい我が子。
    とても良かった。

  • ともくんに読んで欲しい。

  • 【いちぶん】
    ぼくはなんというか、息子に、たくさん、「生まれてきてよかったね」といいたいのだ。
    今日も、明日も、いいことあるね、と伝えたいのだ。
    ずっとずっと、いいことがある。
    (p.83)

  • 子どもが生まれて変わる生活、楽しさ、苦労が詰まっている。スマホをガラケーに替えて子どもと向き合おうとする姿勢、いいなと思った。

  • 夏葉社の島田さんの子育ての日々。息子さんや娘さんをみる島田さんの目がとても温かい。と同時に子どもを育てることの不安やストレスもかいま見える。そうそう。一緒。子どもが生まれてからの日々はものすごくかけがえがない。でもひとりの自由な日々、あの頃の私や自由な他の人を羨ましくも感じる。でもどっちがいいかなんて比べられるものじゃない。どっちの感情も当たり前だしあっていいものなんだ。子どもと一緒に笑ったり泣いたり怒ったりしながら日々手探りであれこれなんとかドタバタとやっていくしかないんだなと思う。それぞれの家族が自分たちの形でいいからさ。

  • 赤ちゃんのお世話がこんなに大変だなんて、誰も教えてくれなかった。独り暮らし用のアパートにひとり分の洗濯物が揺れているだけで「いいなあ」と思った。置いたら起きるし起きたら泣くしの毎日に途方に暮れた。映画やライブの情報はシャットダウンした。生活がガラリと変わることで生き方が変わるようで不安だった。「育児楽しいです!」というママタレントに「嘘つきめ」と毒づいた。…などなど、怒涛の思い出を蘇らせながら読んだ。ああ、でも島田さんの文章は、そんな「大変」な共感もしてくれているんだけれど、どこか、隙間からやさしく包んでくれる。しかも、ちゃんと育児に参加している男性目線というのが救われるのかもしれない。いや、もちろん女性目線でも深い共感は得られると思うんだけれど、中にはそんな生活を本気で憎んでいて、それを男女の問題にしてしまう議論がちょっと苦手で(最近、そんな本を読んで、読んでいるうちにつらくなって、途中でやめた)。

    いろいろ考えていることを書くととりとめもなくなるけれど、子育ての最初は当たり前だけど誰でも初めてで、シラナイヨー、キイテナイヨー、の繰り返し。これをどうとらえるか、だと思う。しかも月並みな言い方だけど、永遠には続かない。だからこの時期をどう過ごすか。

    高校生と中学生になった我が子等は、愚かな親のわりにはだいぶ面白く育っている。好きなことがあって、好きなことがあるために起こる感情の揺れを大いに体験し(これが一番大事な気がしている)、泣いたり笑ったりしている。そんなことを話し合えるようになっている(ママが好きなやつじゃん、と言える何かを、親も持っているといいな、と思う)。私も最初はとにかく、平均よりだいぶ上の大学に入って、できればお給料がたくさんもらえる会社に入ったらいいな、と正直思っていた、恥ずかしながら。今は、そんなことはやることがない人が考えることなんじゃないかな、と思う。ちょっと意地悪な言い方だけど。

    島田さんの子どもたちのその後、また知りたいなあ。

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著者プロフィール

1976年高知県生まれ、東京育ち。日本大学商学部会計学科卒業。大学卒業後、アルバイトや派遣社員をしながら小説家を目指していたが、方向転換。2009年9月に出版社・夏葉社を東京の吉祥寺で創業した。著書に『古くてあたらしい仕事』(新潮社)、『父と子の絆』(アルテスパブリッシング)、『90年代の若者たち』『本屋さんしか行きたいとこがない』(岬書店)がある。

「2022年 『あしたから出版社』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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