- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865641615
感想・レビュー・書評
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50年前の内山興正老師の思想が、現代に議論を巻き起こします。
老師によって『進みと安らい』に描かれた「自己曼画」を起点として、4人が新たな思考を発見していきます。
朝日カルチャーセンターで開催された、4人のリレー講座を1冊にまとめたものです。
それぞれの思考は異なるのですが、時には同じこと言っているのではないかと思える部分もあります。
「自己曼画」は奥が深いです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私を見ている私。意識の二重構造。
人としての宿命と生き方は
この哲学から解き明かされる
のだろうか? -
禅僧・内山興正老師による『進みと安らい』(1969年刊行)。
老師本人が「掘り下げが足りない」と絶版させた本が、昨年復刊されて反響を呼んでいます。
その初刊から50年を経た今、三人の弟子と一人の哲学者が、老師の説いた「自己曼画」から自己の構造を捉え直し、「本当の自分とは何か?」という問いについてそれぞれの見地を語っているのがこの本。
朝日カルチャーセンター新宿教室にて開催された、永井均氏、山下良道氏、藤田一照氏、ネルケ無方氏によるリレー講座の内容がまとめられたものとなっています。
内山老師は、「思い手放し」することで「自己」=「生命の実物」=「御いのち」=「不二いのち」に覚め覚める、と言います。
「思いを手放し生命の実物に覚め覚める」とは「生きていくのにアテを作らず、目の前の今やるべきことをやる」ということ。
坐禅の話だけではなく、生活の構えも同じだとする、非常にシンプルな構えです。
師の考えは「マインドフルネス」の潮流以前のものですが、そこに古さはありません。
「自己曼画」の第五図のイラストは「この世界に所属する私」と、「所属してない私」の二重構造を視覚化したもので、現在のマインドフルネスの主体「この世に所属していない私」とクロスします。
マインドフルネスと禅思想の親和性を感じる内容となっています。