- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865813425
作品紹介・あらすじ
日本人を動かしているのは「世間教」!
日本人は無宗教といわれるが、じつは「世間」を信仰する「世間教」の信者である。他人に迷惑をかけないよう気遣い、なにかしてもらったらお返しを忘れない。非常時に暴動も略奪も起きず、一致団結して粛々と行動する。こうした日本人のプラスが、マイナス向きに発揮されるとどうなるか。他人を監視し同調圧力をかけるコロナ禍の自粛警察、ルールに従わない者は村八分、つねに見返りを要求し、「出る杭は打たれる」で成功者をねたみ、足の引っ張り合いがはなはだしい。学校の中にも世間教がはびこり、いじめはその典型である。
なぜこうなのか、本書では「世間教」のしくみや構造を、身近な事例で読み解いていく。世間教には4つの教義(お返し・身分制・みんな一緒・呪術性)があり、葬式の後に塩をまくなど、それらは日常深く組み込まれている。キリスト教支配がなかった日本には個人・社会・公共が存在しない。法のルールではなく世間のルールで動いている等々、なるほどとうなずける面白さ。世間はなくならないので、世間教と距離をとってうまくやる方法も提案する。
感想・レビュー・書評
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阿部謹也さんを読んできて、
鴻上尚史さんを読んできて、
そのままの流れで
本書にたどり着いている
第四章からの
ー(「世間教」の弊害に)気付いたみなさん!
なんとか生き延びていこうではありませんか
とりあえず 自分の周りから!
と勝手に要約してしまいましたが
佐藤直樹さんの言葉に
はげしく頷いている方は
第五章の「世間教」とうまくやっていく
方法のいくつかを 既にされておられる方たちで
しょうが
ぜひ 次の人にも
伝えていきたいものですね
今でも マスクをしたまま 犬の散歩を
しておられる人たちの多さに驚く
今日このごろに 思うことです詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/782433 -
心の奥にあるモヤモヤがコロナ禍で大きくなった。この本を読んでモヤモヤの正体がわかった。
日本には社会も個人も存在しない。
世間が存在する。
このコロナ禍で世間の姿形がはっきりと見えた。
県外ナンバーの車にいたずらをしたり、感染者差別を行ったり。マスクもワクチンも心から打ちたいと思っている訳では無いのに、同調圧力でマスクをしたりワクチンを打ったりしている人もいるのではないかと思う。
人には権利がある。
今の世間は厳しすぎると思う。優しい世間になればもっと生きやすくなるのではないかな。
日本がさらに素敵な国になりますように。 -
世間教とか言う怪しいワードをタイトルに持ってきているので怪しさが400倍ですが日本人の深層意識、特に世間体などについて論じた本です。「世間と言う名の宗教」ぐらいにしておけばよかったのに。日本ではコロナ患者の家族はバッシングされますが、アメリカは銃乱射事件の母親は励ましの手紙を箱いっぱいもらうそうです。この違いは世間の中で生きているか、社会で生きているかの違いだそうです。結論でも書かれていますが日本から世間はなくならないので、どううまく付き合っていくかがポイントかなと思いました。
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プロローグ 日本人の不思議な生き方
同調して生きる能力
競争社会に耐えられない
役割として生きる
世間教・教祖はいるか
法のルール<世間のルール
第1章 日本人が信じる「世間教」ってなんだ?
コロナ禍に出現した相互監視の圧力
安定と抑圧がもたらす世間教の力
第2章 「個人」と「社会」と「公共」がない日本
社会と世間は違う
公共性がわからない日本人
第3章 「世間教」の4つの教義
お返しをしないと許されない
相手の身分に合わせて対応する
いつもお世話になっておりますの謎
なぜ塩をまくのか
第4章 身のまわりの「世間教」
学校という世間
会社という世間
家族という世間
第5章 「世間教」とうまくやっていく7つの方法
世間に振り回されないために