破れかぶれの幸福

著者 :
  • 青志社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865900460

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤愛子氏の40代での作品である。
    「九十歳。何がめでたい」を読んで、笑ってしまったが、この「破れかぶれの幸福」は、やはり痛烈さ、喧嘩好き、、、、が、凄い!

    90歳過ぎてからの、半世紀前 書いた本を自分で述懐しているが、今の方が、毅然として、一般の人の気持ちで、物事を見ていると、思う。

    この本は、戦争時代の思い出も描かれていたり、自分の結婚の話や夫の借金を背負い込んだ話など、、、。
    やはり借金は、辛かったのだろう。
    必要としないのに、なぜ背負ったのかは、書かれていないのだが、、、、この話は、何度も、本中で、掛かれている位だから、相当腹の立った出来事であったのだろう。

    毎度の、遠藤周作氏との会話が、ピンポン玉を打ち返すがごとくに、2人共、良いコンビであって、楽しい。
    でも、本人は、気づいていなかったかもしれないが、何でも言える関係で、楽しかったのでは、、、、

    雑誌社からの「貴女は、今幸福ですか?」の質問に、作者は、「幸福です!」と、答えている。
    借金を背負い込んだ仕舞っても、離婚をしても、、、前向きである。
    喧嘩ばかりしていても、傷ついたり、嘆いたり、泣いたり、起こったり、、、の積み重ねが、『愛』と言うものが、わかるようになると、、、
    そして、そのことが、理解できるようになった時に、人は死んでいく・・・・

    作者には、まだまだ、愛とは、、、理解しないで、長生きして、100歳、何がめでたい!本を書いてもらいたいものである。

  • 佐藤 愛子さんが40代の頃に書かれたエッセイです。

    1972年9月、白馬出版より刊行された作品ですが45年の時を経て新装されて発売されました。

    二人の御主人の話や遠藤周作さんとの楽しいやり取り、
    今に通じる歯に衣着せぬ物言いやユーモアのセンスは昔も今も変わらず。

    あとがきでも書かれていますがご本人の人生観・価値観・人間観の基本はそのままで共感したり頷いたりしながら楽しく読めました。

    かなり昔の作品なので多少時代を感じる言い回しなどもありましたが長い月日を経てもこうして読み継がれる事への尊敬と羨ましさを感じた作品です。

  • 1972年9月白馬出版刊のものを2017年7月に新装、新書化、あとがきを追加して青志社から刊行。51編のエッセイを収録。帯に「40代の愛子がここに詰まっている!」とありますが、愛子さんの場合は、年では、変わらない、いや、むしろ円熟するほど痛快さが増しているように思います。まわりの人達は変わってますけど。

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著者プロフィール

大正12年、大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年、『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞を受賞。昭和54年、『幸福の絵』で第十八回女流文学賞を受賞。平成12年、『血脈』の完成により第四十八回菊池寛賞、平成27年、『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞を受賞。平成29年4月、旭日小綬章を授章。近著に、『こんな老い方もある』『こんな生き方もある』(角川新書)、『破れかぶれの幸福』(青志社)、『犬たちへの詫び状』(PHP研究所)、『九十歳。何がめでたい』(小学館)などがある。

「2018年 『新版 加納大尉夫人 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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