- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784866362274
作品紹介・あらすじ
本書は、鎌倉幕府の滅亡から建武の新政を経て、南北朝動乱・観応の擾乱・室町幕府の成立を詳細に記述している。
室町もまた動乱の中で誕生したが、その動乱は後の戦国の世とはまったく違う違うニュアンスを持っている。英雄が徐々に全国を統一し、新しい世界を築き上げていくような雄々しさは室町の成立期にはない。
強いか弱いかだけでは決まらない面倒さが室町の持ち味ともいえ、南北朝動乱と観応の擾乱に始まり、応仁の乱でフェードアウトしていく、それが室町といってもよい。
武士ばかりでなく朝廷も分裂に陥った時代である。「南朝」と「北朝」というふたつの朝廷が同時に存在し、どちらの朝廷にも天皇がおり、関白や大臣などの公卿もおり、元号も別々のものを使っていた。しかも両朝は武力で対立し、それが56年間も続いたのである。
足利尊氏、新田義貞、楠木正成といった「太平記」で有名な武士たちも南北に分かれて激しく戦った。
さらには観応の擾乱が起こり、最後には足利尊氏、直義は兄弟で戦うことになる。本書で彼らの戦いの数々と行く末をじっくりと見ていただきたい。
感想・レビュー・書評
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鎌倉幕府の滅亡から始まる、南北朝時代の動乱を解説。
第1章 南北朝時代前夜、鎌倉幕府の滅亡
第2章 朝廷が南北に分裂!動乱の時代の幕開け
第3章 観応の擾乱勃発!幕府が尊氏派と直義派に分裂!
第4章 観応の擾乱終結から、南北朝の合一まで
登場人物紹介、索引、参考文献有り。
1333~1392年の間に起った、歴史上の動乱を解説。
天皇家と公卿、多くの武士が入り乱れて、争った時代。
日本各地に火種は飛び、親子や兄弟までも対立し、争った時代。
年代別に展開し、地図、人物関係図と系図と、資料豊富。
内容は浅く広く・・・こんなに人物が入り乱れるんだからね~。
ともあれ、この時代を扱う本が少ないから、
サクッと知るのには、良い資料です。
また、応仁の乱や戦国時代に繋がる一族が
登場していることにも、興味惹かれました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
室町幕府の観応の擾乱も足利尊氏が息子の足利義詮の障害となる実力者の高師直や足利直義を排除した動きと見ることができる。足利尊氏は戦前の皇国史観では大悪人とされた。その反動から戦後は矛盾を抱えながら誠実に生きようとした人と描かれがちである。しかし、自分の考えを表に出さず、権謀術数が巧みな人物が正しいかもしれない。