2000年前からローマの哲人は知っていた 怒らない方法

制作 : ジェイムズ・ロム 
  • 文響社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866512280

作品紹介・あらすじ

<古代の哲人に学ぶ「人類の知恵」シリーズ>

★2000年読み継がれてきた「怒り」と向き合うための必読書!

「あー、もう!!!!」
最近、イライラしてませんか?

突然、列に割り込まれた、
心ない言葉を投げつけられた、
いきなり無茶難題を押し付けられた……

意に反した出来事に「怒り」を抱き、
波立つ感情につい振り回されてしまうのは、
今も昔も変わらない、人類共通の悩み。

およそ2000年にわたり、
多くの悩める人たちの間で脈々と読み継がれてきた、
古代の哲人セネカによる「怒り」と向き合うための必読書。

自らも、当時「暴君」と恐れられた皇帝の怒りに翻弄され、
結果的に命をも落としたセネカだからこそ語ることのできる
「怒り」との向き合い方。

ソクラテスやカトーといった名だたる歴史上の人物から
市井の人々に至るまで、
「怒り」にまつわる具体的なエピソードを多数盛り込み、
哲学書とは思えない読みやすさで
あなたの日々の「イライラ」に解決策をお届けする1冊です。

●「怒り」とは何か
●怒りを避けるには?
●怒りを抑えるには?
●「怒らない子ども」はどうすれば育つ?
●怒りをコントロールする方法
●あなたをイライラさせているものの正体
●限られた時間を無駄にしないために

暴論、虚言、噂、不正、格差……混乱が絶えない時代ゆえに
思わず「わかる!」とうなずいてしまう知恵が詰まった、
「怒れる現代人」のための、とっておきの処方箋!

(目次より)
■第1巻「怒り」とは何か
 ・感情の中で最も恐ろしいもの
・怒りが人類にもたらしてきた「悲劇」の数々
 ・怒りがあなたを「奴隷」にする
■第2巻 怒らない方法
 ・怒りを避けるには?
 ・怒りを抑えるには?
 ・「怒らない子ども」はどうすれば育つ?
■第3巻 怒りをコントロールする方法
 ・怒りへの効果的な対処方法
 ・あなたをイライラさせているものの正体
 ・限られた時間を無駄にしないために  ……ほか

感想・レビュー・書評

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  • 哲学初心者の私にとっては少し難しい本でした。

    「怒り」という感情について書いてあります。

    怒りという感情は例え表に出なくても誰もが持っているものです。また、怒りは上手く飼い慣らす必要があると思いました。この本には怒らない方法以外にも人と接する時のスタンスのヒントとなることが書いてありました。

    私自身は人に対して怒ることはあまりありませんが、人の怒りなどにふれると動揺してしまうことがあります。ただ、その人がなんで怒っているのか、怒ることを何を達成するための手段としているのか考えながら人と接していこうと思います。

  • セネカの考えによればあなたの車の優先通行権が侵害されたとしても、それは大した事では無い。しかし「それに対してあなたがどういう反応したか」は非常に重要なことだ。p4

    ファビウスがかつて行ったことだが、将軍にとって最も恥ずべき言い訳は「想定外」だったと言うものだそうだ。この言い訳は、将軍に限らず、誰にとっても恥ずべき言い訳だと私は思う。p70

    2000年前の思考がこうやって残ったことが奇跡だと思うし、現在に当てはめて考えてみても充分通用する。流れた時の長さを想像すればするほど、感嘆せずにいられない。

  • 大変読みやすいです。

  • 最近イライラしていませんか?
    たぶん、小さな怒りも含めたら1日1回以上はしています。
    私は怒りを覚えたとき、2,3日ははらわた煮えたぎっている感覚があり、イライラしてしまいます。普段、このイライラを忘れていたりもしますが1週間ぐらい経って、ふと思い出すこともあります。その際、顔を真っ赤にして、本人を目の前にしては到底言えないような暴言を吐きまくったりすることもあります。
    さて本書で、怒らない方法で個人的に心に響いた3つの方法紹介します。
    1.もう怒らないと決める。
    (怒りによって良いことなんて1つもなく、大きな損害(自らの貧しさ、家庭の崩壊)になることを理解する。合理的に考える)。
    2.イラッとしたとき、その怒りは小さい事か、大きい事か考える(感情による怒りから逃れる)。
    3.1日おく、先延ばしにする。
    さらに本書の最後の言葉に、相手はいつか死ぬ。もちろん自分もいつか死ぬ。ただ生きているうちにすべきことの優先順位を明確にして自分の人生を生きることが大切です。残された貴重な時間を他人への怒りに時間を消費するなんてもったいないです。だから自分の人生と比べて、他人への大きな怒りなんて、ないですよね。これからは静かに、心穏やかに過ごします。

  • セネカの編集本というか、なんというか、読みやすい抜粋みたいなやつ。Princeton UPのAncient Wisdom for Modern Readersというシリーズらしい。『怒りについて』の印象的な個所はだいたい出てくるし、まあこういうのでも十分かもしれんね。

  • 事前に予測しておくこと。寛容になること。簡単なようで難しい。

  • Twitterで怒っている人をよく見かける。自分が当事者にならないよう、怒りについて学んでいる。

    本書は、2千年前のローマ人(しかも、総理大臣の右腕のような人)が書いたものだが、現代の『アンガーマネジメント理論』を網羅していることに気づいた。昔から人間が豊かに暮らすには怒りのコントロールが不可欠、というのは興味深い。

    私は、10人いたら7人は善人だと思っているような人間だが、著者の『誰しもが軽率で野心家な悪人だから、悪人同士お互いに優しくしよう』の考え方は目から鱗だった。前提として、自分や他人の期待値を下げることになるので、怒りを抑えられそうだ。

    最近、怒りっぽい人は、ぜひお茶でも飲みながら読むのを勧めたい。また、怒りっぽい子供に育たないための教育論も書かれてあるので、教職者や保護者の参考にもなりそうだ。

  • 読みにくかったが、大事なことは太字になっていたので意識できた。

    怒りは人の感情の中で最も醜く最も凶暴なもの

    怒りの状態に陥らないようにすること
    そうなってしまったら怒りのせいで過ちを犯さないこと

    怒りを感じたら一旦時間を置こう。心の中から消し去ろう。
    怒りを感じたら鏡を見よう。

    多すぎる任務や自分の能力を超えた任務を引き受けなければ平穏な気持ちでいられる。
    疲労が怒りを引き起こす。
    自分の最も傷つきやすい所はどこか知っておこう。みんなが同じ理由で傷つくわけではない。

    侮辱はどのように行われるかが問題なのではなくどのように受け取るかが問題。

  • 怒りは価値判断の誤り。怒るほど重大なことではない。傷つけられたプライドは、遠くから見ればたいしたものではない。

    怒りは加減するのではなく、最初から入ってこないようにする。
    怒りは強い心からは生まれない。心安らかでなければ、偉大とはいえない。

    怒りの始まり、の原因と戦う=時間を置く。
    怒る、ことを先延ばしする。一度に追い払おうとしない。
    双方で衝突が起きたら、先に退いたほうが勝ち。

    怒ったら鏡を見る=自分の姿を見れば驚愕する。

    怒りの原因から遠ざかる。争い始めてから抜け出すより、最初から距離を置く。

    怒りが面に出ようとしたら、その反対の様子を演じる。

    毎日寝るときに、その日の自分の気持ちを問いただす。毎日審判を受けると知っていれば、その日に悪いことはだんだん少なくなるはず。

    朝、一日を始めるときに、自分には我慢しなければならないことがたくさんある、と覚悟を決めておく。今日は、一歩下がる、と決める。覚悟しておいたことに対しては心は強くいられる。

    日々は使い放題ではない。無駄にする時間などない。怒っている時間はない。残された時間を大切にして、静かに穏やかに過ごそう。
    人間は必ず死ぬ。だから、怒りの相手も必ず死ぬと心得る。どうせそうなるのだから、必死にそれを祈るのは無駄。


    怒りは一種の狂気。なぜなら価値のないことに莫大な代償を払っているから。
    怒りは「価値判断の誤り」
    相手の行為は、それほど重大なことか。
    一歩下がれば笑える。相手の行為はたいしたことではない、それに対する反応が重要。
    セネカは、ローマのカリグラの残虐さから学んだ。
    怒りの衝動は、「人に罰を与えたいという欲望」である。
    人は誰でも、カリグラとソクラテスの中間にいる。
    その中で人を許す気持ちを育てる。
    怒っている人は、精神が錯乱している人と同じように醜い。
    怒りをコントロールするくらいなら、最初から締め出す。その方が楽。
    怒りは復讐を求めるが、復讐は正しいからすること。怒りはふさわしくない。
    感情を手なずけられる人はいない。曽倉でも、冷静になるまで行動を待った。
    どんなものであれ、心安ら過でなければ偉大とはいえない。
    恵まれているものほど怒りやすくなる。
    時間をおく。1日たてば真実がわかる。安易に腹の立つことを本気にしない。
    罰を与えてから取り消すことはできない。
    私たちの誰一人として、罪のない者はいない。憤りは、自分が正しいという観念から生まれるが、それは間違い。
    最良の治療法は、先延ばしにすること。
    怒りっぽいのは、無知あるいは傲慢だから。
    罰は、過去の為ではなく、未来を考えて与えるもの。過去の結果を罰するのではない。
    怒りは嫉妬よりも罪深い。贅沢は自分の楽しみだが、怒りは他人の苦しみを望むものだから。
    重すぎる荷物を持ってはいけない。自制心を失えば平穏を失い、重りをもつことになる。
    怒りの原因に近づかない。穏やかな人に囲まれて暮らす。敵がいなければ喧嘩はできない。

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著者プロフィール

ルキウス・アンナエウス・セネカ(Lucius Annaeus Seneca)。紀元前4年頃(紀元前1年
とも)~紀元65年。古代ローマのストア派の哲学者。父親の大セネカ(マルクス・アンナ
エウス・セネカ)と区別するため、小セネカ(Seneca minor)とも呼ばれる。ローマ帝国の
属州ヒスパニア・バエティカ属州の州都コルドバで生まれ、カリグラ帝時代に財務官とし
て活躍する。一度はコルシカ島に追放されるも、クラウディウス帝時代に復帰を果たし、
のちの皇帝ネロの幼少期の教育係および在位期の政治的補佐を務める。やがて制御を失っ
て自殺を命じられることとなるネロとの関係、また、カリグラ帝の恐怖の治世といった経
験を通じて、数々の悲劇や著作を記した。本書はそのなかでも「死」との向き合い方について説いた8つの作品がもとになっている。

「2020年 『2000年前からローマの哲人は知っていた 死ぬときに後悔しない方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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