- Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
- / ISBN・EAN: 9784867161791
作品紹介・あらすじ
児童文学の名匠、安房直子の色褪せぬ名作をふたたび。女の子ときつねの子の、いっときの出会いを描いた美しい物語です。
感想・レビュー・書評
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〈えほん〉「きつね山の赤い花」 作・安房直子 絵・えがしらみちこ | 子育て世代がつながる - 東京すくすく
https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/life/51822/
きつね山の赤い花 | こどものほん 編集部 | マイクロマガジン社
https://kodomono-hon.com/detail/?titleid=61791
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な、なんだろう、正直後半になるほど不安な気分になってくる絵本でした。はじまりこそ、人間の女の子ときつねの女の子が偶然出会い、ままごとをするというほんわかしたものなのですが、途中でゆみ子が一旦家に帰るという展開。帰った家に誰もいない点。おとうふを勝手に持ち出したこと。子どもであるゆみちゃんの行動を見守る大人の存在が(いるはずなのに)いないせいで、「大丈夫なのかな……?」というソワソワした気持ちになってしまいました。
さらにお母さんきつねが出てきてからはもはや不穏と言っていいくらいで、ゆみ子を見てびくっとする姿、買い物かごに入ったあぶらあげ、なんか適当な理由を付けてつけられたマニキュア。私が偏屈なせいでしょうか。表面的には心温まる人間と動物の交流を描いたお話、とも読めるのですが、見方によってはあぶらあげを盗んだ母さんぎつねがなんとか内緒にして逃れようとしている話にも見え、あのマニキュアも「お礼」以外の意図で付けたようにも感じます(例えばゆみ子ちゃんが今日あったことを忘れるおまじないであるとか)。最後にゆみ子がかけだしたくなった気分も、さみしい、というよりも少し怖くなったから、という理由な気がしましたし、そんな不安な気分が居残り続ける絵本でした。
あと施川ユウキさんの『森のテグー』を思い出したな。あの漫画の中で、猫っぽい見た目の二足歩行で歩くテグーが実物の猫を可愛がってる描写があって、それを見た人間の女の子チポが「もしかしてこの世界って人間の”そういうの”もいるの?」と聞く場面があったはずなのですが(台詞は微妙に異なってると思います)、この絵本でもふたりが人形を持ってる姿を見てそれが思い浮かびました。
なんだか不穏さを煽るような感想文になってごめんなさい……!!という気持ちなのだけど、たぶんこの読み方は間違っていないはずだし、そう感じてしまったのだから仕方ない。でもだとしたらちょっとした怪異譚だよなあこの話。-
なんとこの二日ほどで十狐もの本棚登録をされてますね、さすがキツネ博士です
『赤い花』の不穏さを感じて下さってほっとしました
言いづらいけど...なんとこの二日ほどで十狐もの本棚登録をされてますね、さすがキツネ博士です
『赤い花』の不穏さを感じて下さってほっとしました
言いづらいけど、やっぱりそうですよね…『きつねの窓』の猟銃に比肩する不穏さでした 安房直子さんは凄いですね
『キツネ』のあとに『ともだちや』を読んで精神の均衡を保つくだりは面白すぎました! 『ともだちや』はまだ読めてないので、早めに読みます
『かもときつね』へのツッコミ交じりの感想も笑いました もはや様式美なのかもですね かもだけに
自分も実は冬の風景画が好きです ぽつんと立つきつね、遠景の積雪した針葉樹、シカが木の芽をペロペロしてるところ、あの場面だけテキストが無いところもおしゃれですよね2024/04/13 -
たけうちさんが読まれた本から色々参考にさせて頂いてます。
『赤い花』は不穏でしたよね……。ゆみ子ちゃんがお母さんきつねに指摘できなかったの...たけうちさんが読まれた本から色々参考にさせて頂いてます。
『赤い花』は不穏でしたよね……。ゆみ子ちゃんがお母さんきつねに指摘できなかったのは、自分も同じことをしたという後ろめたさからくるものなのでしょうか。オチのつけ方がモヤっとする方に振り切られてますし、絵柄のほんわか具合とアンバランスなのもまた……。
『ともだちや』はおすすめです! オオカミくんを穿った目で見てたのは自分も同じだったかも、と思ったり、オオカミくんの男前っぷりにやられたり、オオカミの推しキャラができました。
『かもときつね』ー(粗品風に)。もうなんならきつねが逃げられるシリーズとしてさらに描いてほしいもんです。
何気に他の動物たちの姿も数多く描かれた本なのでそこも素敵ポイントでしたね。テキストがないしかのページもこれまたしかり。しかだけにー(粗品風に)2024/04/13
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安房直子さんのやさしいお話と、それに忠実に描かれた絵。
個人的には主人公の女の子の絵がちょっと違うなあと思ってしまいますが、菜の花畑やつばきが一面に広がるページはすてきでした。
親子で一緒に読みたい絵本。 -
えがしらみちこさんが、女の子ときつねの子のままごとを優しく描いている。
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イラストがとにかくかわいい。
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きつねの出てくる絵本シリーズで、以前取り上げた『きつねの窓』の作家さんの安房直子さんの絵本を見つけたので読んでみました
おとうふ屋さんの娘のゆみ子ちゃんが、菜の花が咲く丘で、きつねの女の子と出会い、一緒におままごとをして遊び、とっても楽しい時間を過ごす…という可愛いに溢れた作品です
優しい水彩画の絵が実に美しく、まもなく訪れる春の暖かさを感じる作画です
いちめんの菜の花の、ほわほわと柔らかな様子に、その中でおままごとをしているきつねの女の子の後ろ姿のしっぽが絶品です
しかもそのきつねの女の子は、葉っぱにふぅっと息を吹きかけることで、薄緑、新緑、青緑、翡翠、浅黄、のつやつやの食器に変身させてしまうおまじないの使い手です
その食器と、菜の花と、ゆみ子ちゃんがおうちから持ってきたお豆腐でおままごとをするふたりが、その笑顔が、春の陽気のような明るさで絵力の強さを感じます
しかし、きつねのお母さんが迎えに来てしまい、きつねの女の子は帰らなくてはいけなくなります
そこからがなかなかの不穏な展開で、なんと母さんきつねは、ゆみ子ちゃんの家のできたての油揚げを、チョロまかしてお買い物にぱんぱんに詰めてきているのです
「ちょうど あぶらあげがおいてあったのよ」
それに気がついたゆみ子ちゃんが、それはうちの油揚げ…と言い淀んでいると、きつね母さんはうちの子と遊んでくれてありがとうとお礼をのべ、爪を椿の花の色に染めてくれて、ゆみ子ちゃんはその美しい色合いに魅了される…という『きつねの窓』を思い出すシーンになるので、これ…これ、大丈夫なのか? とソワソワしてしまいます
あくまでこの絵本としては、一貫してほのぼのと可愛いお話のままで、きつねのお母さんの油揚げ窃盗も掘り下げる事なく、ゆみ子ちゃんはおうちの親御さんの元に無事に帰るシーンで終わるので、ただただいい話として読むべきなのでしょうが…
絵も文も素晴らしいだけに、モヤモヤが止まらぬ読後感になったのでした
とはいえ人間だって、いやむしろ人間の方がよほどに、野生動物を狩って、ころして、あるいは家畜化して食べて暮らしてる生き物なのだから、きつねのお母さんができたての油揚げを持っていってしまうなんて、些細なこと…ですよね、そういうことにしとこう
きつねは愛嬌ある素敵な生き物として描かれている作品が多い一方、身近な害獣でもあるのだと改めて思い出した次第です、この作品のテーマはそういうのではありませんが…
椿の花の色に染まった爪には、どんな力が宿っていたのだろうか、もしくは、きつねと会ったことを忘れてしまう、おまじないだったのだろうか? -
8歳6ヶ月の娘
5歳6ヶ月の息子に読み聞かせ
かわいい
えがしらさんの水彩画
癒される~
美しい
菜の花ばたけも
みどりのお皿も
つばきの花も
どれもうっとりする~