- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784870998018
感想・レビュー・書評
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写真に絡んだ書き下ろし短編小説がとても心地よい。「モノクロは光がいちばん大切なんだ」と、僕は彼女に見えるように自分の手を差し出した。「ほら、この手をよく見て。こっちに向けるとごつごつしてるし、少し傾けると滑らかに見える。人の顔も同じなんだ。慣れたら光は感じるものだけれど、それまでこうやって光を読むといいよ」ミュージシャンの声は写真家で言うプリントのトーン。写真を撮ることは本にアンダーラインを引くことに似ている。自分の気持ちに真っ直ぐな線を的確に引くことが大切なのだろう。
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文章も写真もとてもよかった。この人文章がうまい。写真を撮ることの楽しさみたいなものがじんわりと伝わってきて思わず故障したまま放っておいたティアラを修理に出してしまったぐらい。モノクロスナップを撮ろう。これを読むとモノクロの現像やプリントをやってみたくなる。でも実際にはデジカメで撮った写真をモノクロ変換して色調を調整してみたりしたんだけど、それでもけっこう楽しい。
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旅先で入ったカフェで出会った本。続きが読みたくて後日中古を購入した。この本を読むと写真を撮りたくなって日々が愛おしくなる。写真は出会いだ。そんな写真についての本だからこそ、自分とも偶然に出会ってくれたのかもしれない。
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なぜモノクロ写真なのか。
その理由が明快で、すっきりした。
「いいね、沖縄。青い空、青い海、白い砂。ベルビアを持っていかないとね」
「それに、偏光フィルターも」
こんなすかした(笑)会話が出来てしまうのが、なんともいいですね。 -
こういう本を読むとホッとします。ライカは持った事がないのですが、写真を撮ることの始原に深く共感します。モノクローム写真は想像力搔き立たせる、と言う文意にも強く覚醒させられました。カメラは完璧にカラーとデジタルの時代なのですが、違和感は拭い難くて戸惑いの途中On the wayであります。(^^)
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一年位前、たまたま古本屋さんの百円コーナーで出会った本。
こんな素敵な本に偶然出会えたことに感動した。
時々無性に開きたくなる本です。
カメラのことは全然分からないけど、写真を眺めるのは何となく好き。
言葉が凄く素敵。 -
ライカM3とアナログ白黒を撮りたくなる
でも、フィルムの現像とかプリントとか考えるとなかなか踏み出せない。
でもそれを超える魅力がある気にさせてくれる。ライカ欲しいなぁ。 -
ちょっと、タマラナイものがある。
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写真も文章も素敵。
写真にも人柄が表れるのだと感じます。
日常にそっと寄り添ってくれるので、カメラを持って散歩に出かけたくなります。 -
エイ文庫は趣味人には楽しい本がそろっている。エイは木へんに世(木世)と書く。常用漢字ではないので、パソコンでは打つことができない。インターネット全盛のご時世、これは営業にも響くんじゃないかと勝手に心配する。
エッセーとモノクロ写真で構成。この方は文章がうまい。上京した女性が一枚の写真を機に故郷に戻ることを決意するエピソードはまるで短編小説を読んでいるようだった。しかし、読ませる文章は考えもののようで、アマゾンの書評を読むと、「ウケ狙いが目立つ」というものも。難しいものだなぁ。