マーラーを識る

著者 :
  • アルファベータブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784871983136

作品紹介・あらすじ

第1番は"巨人"ではない/第2番を"復活"とは名づけていない/第3番のタイトルが無視される謎/第4番の最初の構想は謎が多い/第5番こそ第1番である/第6番の"悲劇的"はタイトルではない/第7番を"夜の歌"と呼ぶのは間違いだ/第8番を"千人の交響曲"と呼ばれることをマーラーは拒否した/第9番は幸福な日々の中で書かれた/第10番の未完の理由。これまでの通説を覆し、作品鑑賞を革新する、衝撃の書!

感想・レビュー・書評

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  • 交響曲第2番のパリ初演のとき、ドビュッシーら3人が途中で席を立ったというのが、アルマによる虚構だったという指摘が印象に残りました。私自身、この席を立ったエピソードをさまざまな場所で紹介していました。
    また、「大地の歌」を交響曲にカウントしているのは、日本だけだということも知りました。自分が中学生のとき、クラシック音楽に詳しい友人から、「これは交響曲『大地の歌』なんだ」と教わりました。交響曲は番号で数えるものと思っていた私は、難しいなあと思った記憶があります。

  • 音楽鑑賞を、曲についたあだ名やエピソード、それに迷信から解き放て。

  • 東京都交響楽団公演のマーラー交響曲第1番の予習のために読む。日本でだけ冠せられる曲タイトルや作曲時の背景などの蘊蓄が面白い。しかし、私の最も必要とする「途中で、眠くならないにはどうしたら?」や「第何楽章かわからなくなるのはどうしたら?」は解決できず。あと、確かに日本の宣伝に載る曲タイトル、間違っているのかもしれないが、無かったら、きっと私には区別できない。ベートーヴェンすら覚えているのは「第九」のみで、「田園」や「運命」が何番だったか自信がない。もちろん、都響のチラシタイトルも「巨人」。
    今、ワーグナーオペラが観たいこともあってワーグナーとマーラーの関係の章が面白かった。あと、フルトヴェングラーはマーラーが苦手だったのか?の章とか。

  • 帯文:”これまでの通説を覆し、作品鑑賞を革新する、衝撃の書!”

    目次:はじめに、マーラーの交響曲において「標題」とは何か、交響曲第一番、アルマの回想録の嘘、交響曲第二番、戦時下の日本中でマーラーが鳴り響いた日々、交響曲第三番、交響曲第四番、マーラーとバイロイト…他

  • マーラーの交響曲についての通説を覆すという本。
    私は通説をそんなに知らない状態なので,「そんな通説あったんだ」と思いながら読みました。
    タイトルについて疑問に思っていた部分はこの本で解決できたかな,と思います。
    この本により,タイトルなどに振り回されず,作品を純粋に楽しもうと改めて思わされた次第です。

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著者プロフィール

1955年、名古屋生まれ。音楽評論家・翻訳家・予備校講師。国際マーラー協会会員、日本シベリウス協会維持会員。著書:『マーラー 輝かしい日々と断ち切られた未来』(アルファベータ)、『ことばはちからダ! 現代文キーワード』『中高生のためのブック・トリップ』(共著、河合出版)、訳書:コンスタンティン・フローロス著『マーラー 交響曲のすべて』、ジョアン・ゴメス著『クローン病 増えつづける現代の難病』(いずれも前島 真理との共訳、藤原書店)、コンサート・プログラムや音楽・思想・文芸雑誌などにも執筆。現在、『日本におけるマーラー受容の歴史』『伸びる子の親はクラシックが好き』などを執筆中 。

「2014年 『マーラーを識る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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