女たちの満洲―多民族空間を生きて― (阪大リーブル)

  • 大阪大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872594324

作品紹介・あらすじ

日本統治下、満洲国の五族の女たち(日・満・漢・蒙・朝)、それにロシアの女たちはどのように生きたのか。歴史資料と表象と記憶をもとに、歴史に埋もれた彼女らの足跡を11人の著者がたどる。多民族国家をうたい、日本人開拓移民の悲劇を生んだ満洲国については、各方面から研究が積み重ねられてきた。しかし女性に焦点を当てた研究は資料の制約があってごく少ない。歴史に埋もれた足跡を発掘する。

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  • 『女たちの満洲――多民族空間を生きて』
    編者:生田美智子
    藤原 克美,阪本秀昭,中嶋 毅,ハリン イリヤ,林 葉子,伊賀上 菜穂,メリニコワ イリーナ,深尾葉子,花井みわ,思沁夫

    シリーズ:阪大リーブル50
    四六判 328ページ 並製
    定価:2100円+税
    ISBN:978-4-87259-432-4 C1322
    奥付の初版発行年月:2015年04月

    日本人,漢人,朝鮮人,満州人,蒙古人,ロシア人など,満洲に生きた多民族の女性たちのさまざまな側面に資料をもとに踏み込む.婚姻,消費生活,男たちの欲望の対象としての性,女子教育,正教会の信徒,雑誌や新聞,文学や映画の中の女性像,各民族のオーラルヒストリーなどを通し,満洲国という日本の植民地下で生きた女性たちの困難な姿が浮かび上がる.戦争や近代史の空白の領域に初めて光を投げかける. 
    http://www.osaka-up.or.jp/books/ISBN978-4-87259-432-4.html


    【簡易目次】
    目次 [iii-vii]
    「満州国」全図 [viii]

    序論 多民族空間を生きた女たち[生田美智子] 001
    一 満洲の三国誌(中国、ロシア、日本) 003
      (一) 満洲国成立以前
      (二) 満洲国期
      (三) 満洲国崩壊
    二 本書のねらい 012
    三 各章の紹介 016

      第一部 日常生活を通して
    第一章 満洲の消費社会と女性――ハルビン
    事例にして[藤原克美] 024
    一 一九三〇年代のハルビン 
    二 ハルビンの百貨店 
    三 ハルビンの衣食住 

    第二章 ロシア人村と日本人開拓移民村の結婚と家族[坂本秀昭] 042
    一 一九世紀後半から二〇世紀初頭の沿海州における古儀式派教徒の結婚と家族 
    二 牡丹江周辺地域における古儀式派教徒の結婚と家族生活 
    三 日本人開拓移民の結婚と家族生活 
    四 戦後の古儀式派教徒と日本人開拓民の動向 

    第三章 満洲のロシア人女子教育――中等・高等教育を中心に[中嶋毅] 068
    一 在満ロシア人教育の変遷 
    二 ロシア人女子教育の展開 
    三 満洲国期のロシア人女子高等教育 

    第四章 女性信者の生きざまを通して――ハルビン正教女子修道院と満州国[Kharin Ilya] 088
    一 「ハリストスの花嫁」 
    二 亡命という修行 
    三 愛の灯火 
    四 ツァーリの院長 
    五 大東亜の寺院 
    六 奇跡のイコン 

      第二部 メディアを通して
    第五章 『満洲グラフ』にみる女たち――日本人の自画像[生田美智子] 116
    一 『満洲グラフ』 
    二 王道楽土 
    三 民族協和 

    第六章 『満洲日報』にみる 〈踊る女〉――満州国建国とモダンガール[林葉子] 142
    一 「満洲景気」と「ダンス熱」 
    二 〈踊る女〉とは誰か 
    三 ダンス排撃運動と「国粋」の強調 

    第七章 小説表象としての農村ロシア人女性――日本人作家の目を通して[伊賀上菜穂] 159
    一 日本人が書いた満洲農村ロシア人小説 
    二 小説の中のロシア人農村と女性(作品紹介) 
    三 農村ロシア人女性の表象 

    第八章 『私の鷺』に写った李香蘭の神話と現実[Melnikova Irina/内山ヴァルーエフ紀子 訳] 184
    一 李香蘭神話 
    二 満洲の歌う女たち――大陸三部作分析 
    三 『私の鶯』分析 
    四 誰も見たことがない映画 

      第三部 記憶を通して
    第九章 日本人女性の満洲体験――日本、中国、ロシアのはざまで[生田美智子] 208
    一 ハルビン 
    二 佳木斯〔ジャムス〕 
    三 旧天理村 

    第十章 満洲に生きた漢人女性――魂の植民地化・脱植民地化という視点から[深尾葉子] 234
    一 東北満洲移民の物語「闖関東」に登場する女性「鮮児」の呪縛 
    二 満洲に生き、満洲から流亡した女性作家「蕭紅」 

    第十一章 満洲移住の朝鮮人女性――女子教育に焦点をしぼって[花井みわ] 254
    一 儒教倫理に束縛された女子の生活 
    二 間島普通学校と男女共学の始まり 
    三 金躍淵と明東学校女子部 
    四 明信高等女学校 
    五 日高丙子郎が経営する光明高等女学校 
    六 日本語教育を受けても中学校進学の夢はまだ遠く 

    第十二章 内モンゴルに生きたダフール人、エヴェンキ人女性たち[思沁夫] 279
    一 「忘れ去られた草原の英雄」・海瑞 
    二 満洲国時代の二人の女性――学校と生活から過去を語る 
    三 大興安嶺の森で経験した満洲国 

    あとがき[生田美智子] [301-304]
    引用・参考文献 [305-312]
    著者略歴 [313-315]

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著者プロフィール

生田 美智子(いくた・みちこ)
1946年生まれ。大阪大学名誉教授。「ハルビン・ウラジオストクを語る会」代表。専門は日露日ソ交流史。著書に『大黒屋光太夫の接吻』(平凡社、1997年)、『外交儀礼から見た幕末日露交流史』(ミネルヴァ書房、2008年)、『高田屋嘉兵衛』(ミネルヴァ書房、2012年)、『女たちの満洲』(編著、大阪大学出版会、2015年)、『ロマノフ王朝時代の日露交流』(監修、勉誠出版、2020年)など。雑誌『セーヴェル』を発行。

「2022年 『満洲からシベリア抑留へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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