争う (シリーズ人間科学7巻)

制作 : 栗本英世  モハーチ・ゲルゲイ  山田一憲 
  • 大阪大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872596243

作品紹介・あらすじ

争いは、進歩や発展の原動力か?回避・解決すべき課題か?――
人間とは争う動物である。もちろん、人間以外のすべての生き物も、自らが生き残るために、そして子孫を残すために、同種内で、および他の種の生き物と日々争っている。それはふつう「生存競争」と呼ばれる。しかし、人間にとっての争いは、やはり特別な意味合いを有している。人口が爆発的に増加し、南極を除く地球の陸地のほぼ全体に生息域を広げ、そして高度に発達した国家と社会を形成した結果、人間は、国家と社会の枠組みの中で、および広く地球環境の中で、多種多様な争いを経験している。それは、食と性をめぐるたんなる「生存競争」という次元にとどまらない、複雑な様相を呈している。現代世界は、争いに満ちているといっても過言ではない。争いは、進歩や発展の原動力であると同時に、回避あるいは解決すべき課題でもある。
 本書には、教育学、心理学、文化人類学、動物行動学、共生学等、人間科学のさまざまな専門分野から争いというテーマにアプローチした成果が収められている。第1部では、学校、野猿公苑周辺、そして裁判といった様々な制度や空間における争いが考察されている。第2部では、日系ブラジル人やインドネシア、ベトナムを対象として、研究者が調査研究の対象としている人々における「争い」をいかに発見するのか、そしてそのことが、対象の人々のより深い理解にいかにつながるのかを知ることができる。第3部では、災害復興、家族・恋人間の暴力、オセアニアの伝統文化を事例に、私たちが争いからいったい何を学ぶことができるのか、考えを巡らせる。
 「争う動物」である人間は、他の存在との共存や共生をいかに実現することができるのか。本書はこの根源的な問いに対する人間科学からの挑戦である。

感想・レビュー・書評

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  • 争いはさまざまな場面に表れる。
    争いと思ってなかったことも争いと捉えることができる。
    多数の先生が書いておられるので、深くというより、さまざまな場面の序章をって感じ。

  • 争うとは、矛盾や衝突が生じることだろう。予定調和でなければ争いが起きることは必然として、それが良いことかどうかが問題だと思う。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000057173

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著者プロフィール

大阪大学名誉教授。専門は教育制度学。
〈最近の主な業績〉
小野田正利(2017)『「迷惑施設」としての学校―近隣トラブル解決の処方箋』時事通信社 小野田正利(2015)『先生の叫び 学校の悲鳴』エイデル研究所

「2022年 『争う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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